インフルエンサー施策を何度か実施したのに、「話題にはなったが売上につながらない」「クーポンは使われたが新しい顧客が増えない」という結果に悩む担当者は少なくありません。原因の多くは、顧客が商品を知ってから購入し、リピートするまでのどの段階にインフルエンサーを使うのかを決めないまま、起用と投稿を進めていることにあります。この記事では、インフルエンサー施策のカスタマーファネル設計とは何かを定義したうえで、認知・興味関心・比較検討・購入・継続推奨の5段階ごとに、起用タイプ・投稿形式・導線の打ち手を整理し、自社のファネルの詰まりに合わせて施策を組み立てる手順まで解説します。

この記事の要点

  • インフルエンサー施策のファネル設計とは、認知から推奨までの段階ごとに、誰を起用し、どの形式で投稿し、どこへ誘導するかを決める設計のことです。
  • 段階が変われば、適した起用タイプ・投稿形式・導線・KPIはすべて変わります。1人のインフルエンサーに全段階を任せる設計は成果が分散しやすくなります。
  • まず自社のファネルのどこに詰まりがあるかを数字で特定し、詰まっている段階に予算を寄せるのが基本です。
  • 購入後の継続・推奨の段階では、既存顧客やアンバサダーの発信が次の新規顧客の認知を生み、ファネルが循環します。
  • 段階ごとに投稿・クーポン・UTMを分けて計測し、施策後に詰まりの位置が動いたかを確かめて次回の配分に戻します。

インフルエンサー施策のファネル設計とは

インフルエンサー施策のファネル設計とは、顧客が商品を知ってから購入し、リピートや推奨に至るまでの段階ごとに、インフルエンサーが担う役割と具体的な打ち手を割り当てる設計のことです。「誰に依頼するか」だけでなく、「どの段階の顧客に、どの形式の投稿で、どこへ誘導するか」までを1枚の設計図にまとめます。ファネル設計をしないまま施策を始めると、認知向けの起用に購入数を求めたり、購入向けの導線なのに表示回数で評価したりと、目的と評価がずれる原因になります。

マーケティングファネルの基本構造

マーケティングファネルとは、顧客が購買に至るまでの心理と行動の変化を段階に分けて、各段階の人数が漏斗(ファネル)のように絞り込まれていく様子を表したモデルです。一般的には「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入」の4段階で表され、これをパーチェスファネルと呼びます。段階ごとに人数がどれだけ減っているかを見ることで、どこに詰まりがあるかを把握できます。

これに対して、購入後の顧客が「継続」「紹介」「発信」していく流れを表したモデルをインフルエンスファネルと呼びます。SNSの普及によって、購入者の口コミや投稿が新しい顧客の認知を生む構造が強まったため、購入前と購入後の両方を1つの図にまとめたダブルファネルという考え方が広く使われるようになりました。

インフルエンサー施策で使う5段階モデル

本記事では、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを実務向けに統合し、「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入」「継続・推奨」の5段階で整理します。インフルエンサー施策は、新規顧客に知ってもらう段階だけでなく、購入後のファンの発信を増やす段階でも使えるためです。5段階に分けておくと、起用するインフルエンサーのタイプや報酬の考え方も段階ごとに整理しやすくなります。

段階顧客の状態インフルエンサーの主な役割代表的なKPI
認知商品やブランドの存在を知らない新しい人に存在を知らせるユニークリーチ、インプレッション
興味・関心名前は知っているが自分ごとになっていない使う場面や悩みとの関係を伝える保存数、プロフィール遷移、指名検索
比較検討他の候補と比べて迷っている違い・使用感・本音の評価を示すリンククリック、LP滞在、レビュー閲覧
購入買うかどうかを決める直前最後のひと押しと購入の手間を減らすクーポン利用数、CV数、売上
継続・推奨購入済みで、使い続けるか迷っている使い続ける理由と発信のきっかけを作るリピート率、UGC数、紹介経由の新規数

KPIツリーとファネル設計の違い

KPIツリーは「何を測るか」を決めるもので、ファネル設計は「各段階で何をするか」を決めるものです。たとえばKPIツリーで「比較検討段階のリンククリック数」を指標にすると決めても、その数字を動かすためにどんなインフルエンサーにどんな投稿を依頼するかまでは決まりません。両者はセットで使うもので、KPIの組み立て方はインフルエンサー施策のKPI設計とテンプレートで詳しく解説しています。本記事では、KPIが決まった後の「打ち手の設計」に焦点を当てます。

ファネル設計が成果を左右する理由

ファネル設計が成果を左右するのは、段階によってインフルエンサーに求める能力と、成果を判断する物差しがまったく異なるからです。認知に強い人が購入を後押しするのが得意とは限らず、購入に強い人が新しい層に届くとも限りません。段階を分けずに「とにかく売れる人」を探すと、評価軸がぶれて次回の改善につながらなくなります。

1人に全段階を任せると成果が分散する

よくある失敗は、1人のインフルエンサーに「認知も広げてほしいし、購入にもつなげてほしい」と依頼することです。1本の投稿に、ブランドの世界観、商品の特徴、使用感の比較、クーポン情報をすべて詰め込むと、どの段階の顧客にとっても中途半端な内容になりがちです。段階ごとに投稿の役割を分ければ、1本ずつの内容が明確になり、見る人の反応も読みやすくなります。

評価の物差しがそろう

段階ごとに役割を決めておくと、施策後の評価も公平になります。認知を担った投稿をクーポン利用数で評価すると、ほぼ確実に「効果がなかった」という結論になります。逆に購入を担った投稿をリーチ数で評価すると、本当は売上に貢献していた発信者を過小評価してしまいます。段階別のKPIを事前に決めておくことで、継続起用するべき人を正しく見分けられます。

顧客の購買行動が直線ではなくなった

SNS時代の購買行動は、認知から購入まで一直線に進むとは限りません。SNSで偶然見た投稿をきっかけに、その場でECへ移動して購入する人もいれば、何度も比較を行き来してから買う人もいます。ホットリンク社が提唱したULSSAS(UGC・Like・Search1・Search2・Action・Spread)のように、UGCと検索を起点に循環する購買モデルも知られています。だからこそ、各段階の顧客に向けた投稿を同時並行で用意し、どこから入ってきた人も次の段階に進めるようにしておくことが重要です。

ファネル設計で決めておく5項目

  • 対象とする段階と、その段階の顧客がいま抱えている疑問や不安
  • 起用するインフルエンサーのタイプ(規模・ジャンル・顧客との距離)
  • 投稿の形式(フィード・リール・ストーリーズ・ライブ・長尺動画)
  • 投稿を見た人を次に進ませる導線(検索・プロフィール・LP・EC・クーポン)
  • 段階ごとのKPIと、施策後に見る比較の基準

認知段階の打ち手と起用タイプ

認知段階の打ち手は、まだ商品を知らない新しい層にできるだけ多く、重複なく届けることです。この段階では、購入に直結する数字は求めず、ユニークリーチや表示回数で評価します。フォロワー規模の大きいアカウントや、拡散されやすいショート動画を中心に組み立てます。

起用タイプはリーチ重視の組み合わせ

認知段階で中心になるのは、フォロワー数十万人以上のメガ・マクロインフルエンサーや、おすすめ面で広く届きやすいショート動画クリエイターです。ただし大規模アカウントは単価も高いため、予算が限られる中小企業では、異なるジャンルや地域のマイクロインフルエンサーを複数組み合わせて、合計のユニークリーチを確保する方法も有効です。複数人を起用する場合は、フォロワーが重なりすぎないように選ぶことが前提で、考え方はインフルエンサー施策のリーチ重複を避ける選定の進め方で整理しています。大規模アカウントの起用判断はメガインフルエンサー起用の費用相場とタレント契約の判断基準も参考にしてください。

投稿形式はショート動画と話題性

認知段階の投稿形式は、リールやTikTok、YouTubeショートなどのショート動画が中心です。フォロワー以外にも表示されやすく、最初の数秒で興味を引けば新しい層に届きやすいためです。内容は商品の細かな説明よりも、「こんな悩みがある人に」「こんな場面で使える」といった、見た人が自分に関係あると気づけるフックを優先します。ショート動画の設計はリール・ショート動画のインフルエンサー施策設計で詳しく扱っています。

導線は名前を覚えてもらうこと

認知段階の導線は、購入ページへの誘導よりも、ブランド名や商品名を覚えてもらい、後で検索してもらうことを目標にします。投稿の中で商品名をはっきり見せる、ハッシュタグをそろえる、ブランドの公式アカウントをタグ付けするなど、後から見つけやすい状態を作ります。認知段階の投稿でいきなりクーポンを強く打ち出すと、まだ興味のない人には広告色が強く見え、逆効果になることもあります。

興味・関心段階の打ち手と起用タイプ

興味・関心段階の打ち手は、商品を「自分に関係あるもの」として受け止めてもらうことです。名前は知っていても使う場面が想像できない人に、生活の中での使い方や、解決できる悩みを具体的に見せます。この段階の成果は、保存数、プロフィールへの遷移、指名検索の増加などで確かめます。

起用タイプはターゲットに近い発信者

興味・関心段階では、フォロワー規模よりも、ターゲットと同じ立場や悩みを持つ発信者を優先します。たとえば子育て中の母親向けの商品なら、同じ年齢の子どもを育てているママインフルエンサー、敏感肌向けのスキンケアなら敏感肌を公言している美容系の発信者です。フォロワー数が数千から数万人のマイクロインフルエンサーは、フォロワーとの距離が近く、生活に根ざした発信が信頼されやすいため、この段階と相性がよいタイプです。詳しくはマイクロインフルエンサー活用の完全ガイドと費用感を参照してください。

投稿形式は保存される情報型

この段階の投稿形式は、カルーセル型のフィード投稿や、使い方を順に見せるリール、ルーティン紹介の動画が向いています。後で見返したくなる情報がまとまっている投稿は保存されやすく、保存数はこの段階の関心度を測る分かりやすい指標になります。「朝の5分で使える」「この順番で使うと効果的」など、具体的な使用場面を見せることで、見た人が自分の生活に当てはめて考えられるようになります。

導線は検索とプロフィール

興味・関心段階の導線は、ブランドの公式アカウントや公式サイトに自然に移動してもらうことです。投稿からブランドアカウントへのタグ付け、プロフィールに置いたリンク、指名検索で表示される公式サイトなど、もう少し詳しく知りたいと思った人の受け皿を用意しておきます。インフルエンサーの投稿で関心を持った人が検索したときに、公式サイトの情報が古い、口コミが見つからないといった状態だと、そこで離脱してしまいます。指名検索の測り方はインフルエンサー施策の指名検索を測る方法と分析の進め方で解説しています。

比較検討段階の打ち手と起用タイプ

比較検討段階の打ち手は、他の商品と迷っている人に、選ぶ理由と不安の解消材料を示すことです。この段階の顧客はすでに興味を持っており、知りたいのは「他と何が違うのか」「自分にも合うのか」「本当に効果があるのか」です。広告的な言い回しよりも、具体的な使用感や比較、率直な評価が求められます。

起用タイプは専門性とレビューの信頼

比較検討段階では、商品ジャンルに詳しい専門系の発信者や、レビュー投稿を継続している発信者が力を発揮します。たとえば家電ならスペックを比較して解説するガジェット系の発信者、化粧品なら成分や肌質との相性を説明できる美容系の発信者です。フォロワー数は大きくなくても、「この人が勧めるなら」と思われている人を選ぶことが重要です。過去の投稿で他社商品を比較した実績があるかも確認しておくと、依頼内容とのずれを防げます。

投稿形式は比較・検証・長尺

投稿形式は、複数商品の比較投稿、数週間使った検証レポート、YouTubeの長尺レビュー、インスタライブでの質疑応答などが向いています。時間をかけて説明できる形式のほうが、迷っている人の疑問に答えやすいためです。ただし、他社商品を名指しで劣っていると表現する内容は、景品表示法や信用毀損の観点から避けるよう、事前に指示しておきます。広告であることの表示も必須で、2023年10月1日に施行されたステルスマーケティング規制への対応はステマ規制とは?景表法対応と#PR表記の実務ガイドで確認してください。

導線はLPとレビューへの接続

比較検討段階の導線は、比較の判断材料がそろったページに誘導することです。商品の違いが一覧で分かるLP、実際の購入者のレビュー、よくある疑問への回答をまとめたページなどを用意し、ストーリーズのリンクやプロフィールリンクから案内します。インフルエンサーが投稿で触れた論点と、誘導先のページで説明している内容がそろっていると、迷っていた人が納得して次の段階に進みやすくなります。

比較検討段階で起きやすい失敗

  • レビュー系の発信者に、良い点だけを書くよう細かく指示し、本音らしさが失われる。
  • 投稿で触れた比較のポイントが、誘導先のLPでは説明されていない。
  • 他社商品を名指しで否定する表現を見落とし、炎上や法的リスクにつながる。
  • 検証期間を短くしすぎて、使用感の説得力が弱いまま投稿される。

購入段階の打ち手と起用タイプ

購入段階の打ち手は、買う直前の人の最後のひと押しをして、購入までの手間を減らすことです。この段階では、期限付きの特典、限定クーポン、ライブでのリアルタイム販売など、今買う理由を作る施策が効果を発揮します。成果はクーポン利用数やコンバージョン数、売上で評価します。

起用タイプは購買実績のある発信者

購入段階では、過去に紹介した商品が実際に売れている発信者を優先します。フォロワーからの信頼が厚く、アフィリエイトやクーポン施策の経験がある人は、フォロワー数が少なくても高い購入率を出すことがあります。また、すでに比較検討段階で起用した発信者に、購入段階の投稿を追加で依頼するのも有効です。同じ人から繰り返し勧められることで、迷っていた人が決めやすくなるためです。

投稿形式はストーリーズ・ライブ・期限付き

購入段階では、リンクを直接貼れるストーリーズ、リアルタイムで質問に答えながら販売できるライブコマース、セール日に合わせた告知投稿が向いています。ストーリーズは24時間で消えるため、「今だけ」という緊急性を伝えやすい形式です。ストーリーズの設計はInstagramストーリー広告とPR依頼の設計・進め方、ライブ販売の進め方はライブコマースの始め方とインフルエンサー起用のコツで解説しています。

導線はクーポンとEC直結

購入段階の導線は、投稿から購入完了までの手順をできるだけ短くすることです。インフルエンサーごとの専用クーポンコード、商品ページへの直接リンク、カートに入った状態で開くリンクなどを用意します。投稿からトップページに飛ばして商品を探させるような導線は、この段階では大きな離脱の原因になります。導線の作り方はインフルエンサー施策をEC売上につなげる導線設計、コードの設計はインフルエンサー施策のクーポンコード設計と利用数の測り方にまとめています。

継続・推奨段階の打ち手と起用タイプ

継続・推奨段階の打ち手は、購入した人に使い続けてもらい、その体験を発信してもらうことです。この段階はインフルエンスファネルにあたり、購入者の発信が次の新規顧客の認知を生むため、ファネルを循環させる起点になります。成果はリピート率、UGCの投稿数、紹介経由の新規顧客数などで確かめます。

起用タイプは長期起用とアンバサダー

継続・推奨段階では、単発の起用よりも、同じ発信者に数か月から1年単位で継続して関わってもらう形が向いています。長く使い続けている様子を発信してもらうことで、購入者には「使い続ける価値がある」という安心を、未購入者には「本当に気に入っている」という信頼を伝えられます。熱心な既存顧客をアンバサダーとして組織化する方法もあり、設計の詳細はアンバサダープログラムの設計と運用の始め方とインフルエンサーの継続起用と長期契約の設計・運用ガイドで解説しています。

投稿形式は使用後レポートとUGCの呼びかけ

この段階の投稿形式は、1か月後や3か月後の使用レポート、使い切ったときのリピート報告、購入者にハッシュタグ投稿を呼びかけるキャンペーンなどです。インフルエンサーが自分の使用体験を発信しながら、フォロワーにも投稿を呼びかけることで、一般の購入者によるUGCが生まれやすくなります。集まったUGCの活用や二次利用の許諾はUGCマーケティングの活用法と二次利用の進め方を参考にしてください。

導線は定期購入と紹介の仕組み

継続・推奨段階の導線は、定期購入への切り替え、会員登録、紹介コードの発行など、関係を続けてもらう仕組みです。インフルエンサーの投稿から購入した人に、同梱物やメールで使用後の投稿を呼びかけるなど、購入後の接点を設計しておくと、推奨の流れが生まれやすくなります。この段階で生まれた投稿は、広告として配信し直すことで認知段階にも再利用できます。インフルエンサーの投稿を広告として配信する方法はホワイトリスト広告の仕組みと始め方を実務フローで解説にまとめています。

段階別の打ち手を一覧で比べる

段階ごとの打ち手は、起用タイプ・投稿形式・導線・KPI・報酬の考え方を一覧で並べると全体像が把握しやすくなります。以下の表は、ここまでの内容を1枚にまとめた設計図です。企画書に添付すれば、社内で「どの段階にどの予算を使うか」を議論する土台として使えます。

ファネル段階別の打ち手比較表

以下の表は、2026年10月時点で本メディア編集部が実務上の基本形として整理したものです。商材や販売チャネルによって最適な組み合わせは変わるため、自社の状況に合わせて調整してください。

段階起用タイプ投稿形式導線主なKPI報酬の考え方
認知メガ・マクロ、ショート動画クリエイター、異なる層のマイクロ複数リール、TikTok、YouTubeショート商品名とハッシュタグで記憶に残すユニークリーチ、再生数固定報酬
興味・関心ターゲットと同じ立場のマイクロカルーセル、ルーティン動画公式アカウント、指名検索保存数、プロフィール遷移固定報酬または商品提供
比較検討専門系・レビュー系の発信者比較投稿、検証レポート、長尺レビュー比較LP、レビューページリンククリック、LP滞在固定報酬
購入購買実績のある発信者ストーリーズ、ライブ、告知投稿専用クーポン、商品ページ直結クーポン利用数、売上固定報酬+成果報酬
継続・推奨長期起用、アンバサダー、既存顧客使用後レポート、UGC呼びかけ定期購入、紹介コードリピート率、UGC数継続契約、特典

同じインフルエンサーを複数段階で使う場合

1人のインフルエンサーを複数段階で起用すること自体は問題ありません。重要なのは、投稿ごとに担う段階を分けることです。たとえば、1本目のリールで認知と興味を作り、2週間後のストーリーズでクーポンを告知し、1か月後に使用後レポートを投稿してもらうという流れです。投稿の役割が分かれていれば、投稿ごとにKPIを設定して評価できます。

商材タイプ別の重点段階

どの段階に重点を置くかは、商材の価格帯と購入頻度で大きく変わります。数千円以下で繰り返し買う日用品や食品は、認知と購入の距離が短いため、認知と購入段階に厚く投資し、継続段階で定期購入へ引き上げる設計が向いています。数万円以上の家電や住宅関連、BtoBサービスのように検討期間が長い商材は、比較検討段階の投稿に時間をかけ、専門系の発信者による検証やレビューに予算を寄せます。化粧品や健康食品のように効果を実感するまで時間がかかる商材は、継続・推奨段階の使用後レポートが特に重要になります。

自社のファネルに合わせて施策を組み立てる手順

自社のファネルに合わせた施策は、現状の詰まりを特定し、詰まっている段階に打ち手と予算を寄せ、施策後に詰まりの位置が動いたかを確かめる順番で組み立てます。すべての段階に均等に予算を配る必要はなく、いま最も改善余地が大きい段階に集中させるほうが成果につながりやすくなります。

手順1 段階ごとの数字を並べて詰まりを探す

まず、自社の各段階の数字を並べます。認知はSNSのリーチや指名検索数、興味・関心は公式アカウントのフォロワー増加やサイト訪問数、比較検討は商品ページの閲覧数やカート投入数、購入は購入数、継続・推奨はリピート率やレビュー投稿数です。段階ごとの移行率を見たときに、他の段階に比べて極端に低いところが詰まりです。たとえば、指名検索は増えているのに商品ページからの購入率が低いなら、比較検討か購入段階に課題があると考えられます。

手順2 詰まりの段階に予算を寄せる

詰まりが分かったら、その段階の打ち手に予算の多くを配分します。認知が不足しているなら大規模アカウントやショート動画の起用を増やし、比較検討で離脱しているなら専門系の発信者による検証投稿とLPの改善を優先します。以下は、月30万円の予算で詰まりの位置に応じて配分を変える場合の考え方の例です。金額は2026年10月時点で本メディア編集部が置いた想定例であり、実在の施策の実績ではありません。

詰まりの位置認知興味・関心比較検討購入継続・推奨
そもそも知られていない15万円7万円3万円3万円2万円
知られているが選ばれない5万円5万円12万円5万円3万円
買われるがリピートされない5万円3万円3万円7万円12万円

手順3 段階ごとに計測を分けて検証する

施策を実施したら、段階ごとに計測を分けて検証します。認知の投稿はリーチと指名検索の変化、比較検討の投稿はリンククリックとLPの滞在時間、購入の投稿はクーポン利用数と売上というように、投稿ごとに見る数字を決めておきます。インフルエンサーごと・段階ごとにUTMパラメータとクーポンコードを分けておくと、どの投稿がどの段階を動かしたかが区別できます。施策後は、手順1で見つけた詰まりの移行率が改善したかを確認し、改善した段階は維持、改善しなかった段階は起用タイプや投稿形式を見直して次回に反映させます。

ファネル設計の実務チェックリスト

  • 自社の5段階それぞれの数字と、段階間の移行率を把握しましたか。
  • 最も移行率の低い段階を、今回の重点段階として決めましたか。
  • 重点段階に合った起用タイプ・投稿形式・導線を選びましたか。
  • 投稿ごとに担う段階とKPIを、インフルエンサーへの依頼書に明記しましたか。
  • 段階ごとにUTMパラメータとクーポンコードを分けて発行しましたか。
  • 施策後に、詰まりの移行率が動いたかを確認する日程を決めましたか。

Bloomで段階別に起用する進め方

Bloomでは、段階ごとに異なるタイプのインフルエンサーを、1つのプラットフォーム上で募集・比較・依頼できます。審査制で登録された30,000人の中から、ジャンルやフォロワー規模、フォロワー属性を見ながら候補を選べるため、認知向けと比較検討向けのように役割の違う人材を同時に探す場合にも向いています。

段階ごとに案件を分けて募集する

Bloomで段階別に起用する場合は、段階ごとに案件を分けて募集するのがおすすめです。認知向けの案件では「リール1本・商品名とハッシュタグの表示」、比較検討向けの案件では「2週間の使用後に比較レビュー」というように、案件ごとに投稿形式と依頼内容を変えておくと、応募者もその役割に合った人が集まりやすくなります。応募者のプロフィールや過去の投稿を見比べて、段階ごとの役割に合う人を選べます。

小さく始めて詰まりの段階から試す

Bloomは初期費用0円・月額3万円(税別)から利用でき、2026年10月時点で少人数・少額の起用から始められます。最初から5段階すべてに投資するのではなく、手順1で見つけた詰まりの段階に絞って数人を起用し、移行率が動くかを確かめてから他の段階に広げる進め方が現実的です。成果が出た発信者には継続して依頼し、継続・推奨段階の長期起用につなげることもできます。

インフルエンサー施策は、誰に頼むかと同じくらい、どの段階の顧客に何を届けるかが成果を左右します。段階ごとの役割を決め、起用タイプ・投稿形式・導線・KPIをそろえて設計し、施策のたびに詰まりの位置を確かめながら改善を重ねていくことが、売上につながる施策への近道です。

本メディアは、審査制インフルエンサー30,000人のマッチングプラットフォーム『Bloom』(株式会社ハーマンドット)が運営しています。