口コミサイトの評価を上げるべきか、インフルエンサーに投稿を依頼すべきか、限られた販促予算の中で迷っている担当者は少なくありません。どちらも「第三者の声で商品や店舗を知ってもらう」施策ですが、情報が届く場面も、費用のかかり方も、効果が表れるまでの時間も大きく異なります。この記事では、@cosme・食べログ・Googleマップといった口コミサイト・レビューサイトを活用するマーケティングと、インフルエンサー施策の違いを比較表で整理し、業種ごとの使い分け、予算配分の判断基準、両者を併用して成果を積み上げる方法、ステマ規制で注意すべき点までを、発注企業の立場からまとめました。

この記事の要点

  • 口コミサイトは「比較・検討している人の最後の後押し」、インフルエンサー施策は「まだ知らない人に知ってもらう入口」を担います。
  • 口コミサイトは有料プランや運用工数が中心の固定費型、インフルエンサー施策は投稿ごとに費用が発生する変動費型です。
  • 来店型・予約型の業種は口コミサイトの整備を先に、新商品やEC・D2Cは認知を作るインフルエンサー施策を先に置くのが基本です。
  • 併用すると、投稿で知った人が口コミサイトで確認し、来店・購入後に新しい口コミを書くという循環が生まれます。
  • 口コミの見返りに特典を渡す行為は、ステマ規制や各サイトの規約に触れる恐れがあるため、依頼の仕方を分けて設計します。

口コミサイトマーケティングとインフルエンサー施策の違い

口コミサイトマーケティングとインフルエンサー施策の最大の違いは、情報を受け取る人が「探しに来ているか」「偶然目にするか」です。口コミサイトは、すでに購入や来店を検討している人が自分から見に来る場所であり、インフルエンサーの投稿は、まだその商品を知らない人のタイムラインに流れてくる情報です。同じ第三者の声でも、購買プロセスの中で果たす役割がまったく違います。

口コミサイトマーケティングとは、@cosme・食べログ・Googleマップ・ホットペッパービューティーなどの口コミサイトやレビューサイト上で、自社の店舗情報や商品情報を整え、利用者の評価や口コミを増やし、比較検討中の人に選ばれる状態を作るマーケティング手法です。一方、インフルエンサー施策とは、SNS上で影響力を持つ個人に商品やサービスを体験してもらい、その人自身の言葉と写真・動画で紹介してもらう手法を指します。

情報の出どころと信頼の性質が違います

口コミサイトの口コミは、不特定多数の利用者が書き込んだ声の集合体です。1件ごとの影響は小さいものの、件数と平均点が積み上がることで「多くの人がこう評価している」という統計的な信頼が生まれます。これに対してインフルエンサーの投稿は、特定の1人が発信する声です。フォロワーはその人の好みや生活感を知ったうえで投稿を見るため、「この人が勧めるなら試してみたい」という人物への信頼が購買の動機になります。

つまり、口コミサイトは件数による信頼、インフルエンサー施策は人物による信頼で成り立っています。どちらが優れているかではなく、どちらの信頼が自社の商材の購買に効くかを見極めることが出発点になります。

購買プロセスの中での役割が違います

一般的な購買プロセスを「認知・興味・比較検討・購入・共有」の5段階で考えると、インフルエンサー施策は認知と興味の段階で強く働きます。投稿を見て初めて商品やお店を知り、保存やプロフィールへの遷移を通じて興味を持つという流れです。口コミサイトは比較検討と購入の段階で働き、複数の候補を並べて最終的に1つを選ぶときの判断材料になります。

そのため、口コミサイトの評価が低い状態でインフルエンサー施策だけを強化すると、投稿で興味を持った人が口コミサイトを確認した時点で離脱してしまいます。反対に、口コミサイトの評価が高くても認知が足りなければ、そもそも比較の候補に入りません。両者は競合する施策というより、つながった一本の導線の前半と後半だと捉えると整理しやすくなります。

コントロールできる範囲が違います

口コミサイトに書かれる内容は、企業側がほとんどコントロールできません。良い口コミも厳しい口コミも掲載され、削除できるのは規約違反や事実と異なる内容に限られます。企業ができるのは、店舗情報や写真を整えること、口コミに丁寧に返信すること、そして体験そのものを良くすることです。

インフルエンサー施策では、依頼内容や投稿の方向性、掲載時期を事前にすり合わせられます。ただし、投稿内容をすべて企業側が指定すると、フォロワーから見て広告色が強くなり、本来の強みである本人の言葉らしさが失われます。コントロールの幅があるからこそ、任せる部分と決める部分の線引きが重要になります。

主な口コミサイト・レビューサイトの種類と特徴

口コミサイトは、業種特化型・地図連動型・ECレビュー・BtoBレビューの4種類に分けて考えると使い分けが明確になります。自社の顧客がどのサイトを見て意思決定しているかによって、力を入れるべき場所が変わります。まずは代表的なサイトの特徴を整理しておきます。

業種特化型の口コミサイト

飲食店なら食べログやRetty、美容室・サロンならホットペッパービューティー、化粧品なら@cosme、宿泊施設ならじゃらんや楽天トラベルといったように、業種ごとに強い口コミサイトがあります。これらのサイトは、利用者がはっきりとした目的を持って訪れるため、予約や購入に直結しやすいのが特徴です。多くのサイトで無料の掲載枠と、写真枠の拡張や上位表示、予約機能などが付く有料プランが用意されています。

地図連動型のレビュー(Googleマップ)

Googleマップのクチコミは、業種を問わず店舗型ビジネスで最も目に触れやすいレビューです。「地域名+業種」で検索したときに地図枠に表示され、評価の星と件数がそのまま来店判断に使われます。Googleビジネスプロフィールへの登録と基本的な運用は無料で行えるため、店舗を持つ企業にとっては最初に整えるべき口コミの受け皿といえます。店舗の地域集客全体の考え方はローカルインフルエンサーで地方の店舗集客を設計する方法でも解説しています。

ECモール・自社ECのレビュー

Amazonや楽天市場などのECモール、自社ECサイトの商品レビューも、広い意味での口コミサイトに含まれます。EC上のレビューは購入ボタンのすぐ近くに表示されるため、比較検討の最終段階での影響力が非常に大きくなります。レビューの件数が少ない新商品は、それだけで選ばれにくくなるため、発売直後の初期レビューをどう集めるかが課題になりやすい領域です。

種類代表的なサイト主な利用場面企業側でできること
業種特化型食べログ、Retty、ホットペッパービューティー、@cosme、じゃらん目的を持った比較・予約店舗・商品情報の整備、有料プランでの露出強化、口コミへの返信
地図連動型Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)近くの店を探す、行く前の確認基本情報・写真・営業時間の更新、クチコミへの返信
ECレビューAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、自社EC購入直前の最終確認購入者へのレビュー依頼メール、商品ページの改善
BtoBレビューITreviewなどのIT製品レビューサイト法人の製品選定・稟議製品情報の登録、既存顧客へのレビュー協力依頼

表のとおり、どのサイトでも企業側が直接できるのは「情報を整えること」と「返信すること」が中心です。口コミそのものを企業が書いたり、内容を指定したりすることはできないため、口コミサイトの成果は顧客体験の良さに大きく左右されます。

7項目で比較する口コミサイトとインフルエンサー施策

口コミサイトは「確認されたときに選ばれる力」、インフルエンサー施策は「知られていない人に届ける力」に強みがあります。ここでは、発注企業が判断に使いやすい7項目で両者を比較します。自社の課題がどの項目にあるかを照らし合わせながら読んでください。

比較項目口コミサイト・レビューサイトインフルエンサー施策
主な役割比較検討・購入直前の後押し認知獲得・興味喚起
届く相手すでに探している人まだ知らない人を含むフォロワー
費用の性質月額の有料プランと運用工数が中心の固定費型投稿ごとの報酬や商品提供が中心の変動費型
効果が出るまで口コミの蓄積が必要で、数か月単位投稿直後から数日で反応が出やすい
効果の持続口コミが残る限り長期間続くフィード投稿は数週間、ストーリーズは24時間が中心
内容のコントロールほぼできない(返信と情報整備のみ)依頼内容・時期をすり合わせられる
主なリスク低評価の口コミが残り続ける人選ミス・表記漏れによる炎上や規制違反

効果の出方と持続期間の違い

口コミサイトは、成果が出るまでに時間がかかる代わりに、一度積み上がった評価は長く効き続けます。評価の高い店舗や商品は、広告費をかけなくても検索や比較の場面で選ばれ続けるため、長期的には費用対効果の高い資産になります。

インフルエンサー施策は、投稿した瞬間から反応が出るため、発売日や期間限定キャンペーンのように「この時期に知ってほしい」という目的に合っています。その反面、フィード投稿でも数週間で見られる機会が減るため、継続的に露出を保つには投稿を重ねる必要があります。投稿を広告や自社サイトで二次利用すれば、寿命を延ばすことも可能です。

向いている課題の違い

「来店前に口コミを見て他店に流れている」「星の数が競合より低い」という課題には、口コミサイトの整備が直接効きます。一方で「そもそも名前を知られていない」「新商品の存在が伝わっていない」という課題に口コミサイトで対応するのは困難です。口コミは利用した人しか書けないため、利用者が少ない段階では増やしようがないからです。

インフルエンサー施策は、この「利用者がまだ少ない段階」の突破に向いています。投稿を見て来店・購入した人が増えれば、その人たちが口コミを書く母数も増えます。こうした関係から、インフルエンサー施策は口コミサイトの評価を育てるための入口にもなります。

判断のひとこと目安

  • 「知られていない」が課題ならインフルエンサー施策を先に置きます。
  • 「知られているのに選ばれない」が課題なら口コミサイトの整備を先に置きます。
  • どちらも課題なら、口コミサイトの最低限の整備を済ませてからインフルエンサー施策で流入を作ります。

費用構造と予算の目安

口コミサイトは月額の掲載料と運用工数、インフルエンサー施策は投稿ごとの報酬と商品原価が主な費用です。費用の発生の仕方がまったく違うため、単純な金額比較ではなく、何にいくら払っているのかを分解して比べることが大切です。以下の金額は2026年9月時点で各サービスの公開情報や一般的な取引水準をもとにした目安であり、実際の料金はプランや条件によって異なります。

口コミサイトにかかる費用

Googleビジネスプロフィールは無料で登録・運用でき、業種特化型の口コミサイトも無料の掲載枠を持つところが多くあります。露出を強化する有料プランは、サイトや地域、掲載順位によって幅がありますが、月額数千円から数万円台のプランが入り口になり、上位表示や予約機能を含むプランでは月額数万円から数十万円になることもあります。ECモールの場合は、出店料や販売手数料の中にレビュー機能が含まれているのが一般的です。

見落とされやすいのが運用工数です。口コミへの返信、写真や情報の更新、メニューや価格の修正などは、担当者が継続して行う必要があります。仮に月10時間の作業が発生すれば、その人件費も口コミサイトの費用として計上しておくべきです。

インフルエンサー施策にかかる費用

インフルエンサー施策の報酬は、フォロワー数に単価をかけて算出する考え方が広く使われており、2026年9月時点ではフォロワー1人あたり2〜4円程度がよく見られる目安です。たとえばフォロワー1万人のインフルエンサーであれば1投稿2万〜4万円程度になり、ここに商品原価や送料、依頼を管理する工数が加わります。報酬を払わず商品提供だけで投稿を依頼するギフティングという方法もあり、少額から始めたい場合の選択肢になります。料金の相場全体はインフルエンサー起用の料金相場【2026年完全ガイド】で詳しくまとめています。

依頼の窓口によっても費用は変わります。キャスティング会社に一括で依頼すると企画や進行まで任せられる代わりに手数料が上乗せされ、マッチングプラットフォームを使うと企業側が自分で選定・連絡する分だけ費用を抑えられます。

月額予算別の配分イメージ

以下は、店舗型ビジネスを想定した配分の一例です。実際の配分は業種や現在の口コミ評価によって変わるため、あくまで検討の出発点として使ってください。

月額予算口コミサイトへの配分インフルエンサー施策への配分想定する使い方
5万円0〜1万円(無料枠+返信運用)4〜5万円Googleマップを無料で整え、マイクロ・ナノ層に数名依頼します
15万円3〜5万円10〜12万円業種特化サイトの入門プランと、月5〜8名程度の投稿依頼を組み合わせます
30万円8〜12万円18〜22万円口コミサイトの上位プランで比較の場を押さえ、投稿で継続的に流入を作ります
50万円以上15万円前後30万円以上+広告二次利用反応の良い投稿を広告に転用し、口コミサイトへの流入を増やします

少ない予算で両方に手を広げると、どちらも中途半端になりがちです。月5万円程度であれば、口コミサイトは無料でできる整備と返信に絞り、残りをインフルエンサー施策に集中させるほうが成果を確認しやすくなります。少額での始め方は低予算で始めるインフルエンサーマーケティングの予算配分術も参考にしてください。

業種・商材別の使い分け方

来店・予約型の業種は口コミサイトを土台に、新商品・EC型の商材はインフルエンサー施策を入口に置くのが基本の使い分けです。ただし同じ業種でも、店舗の知名度や立地、商品の新しさによって優先順位は変わります。代表的な業種ごとの考え方を整理します。

飲食店・美容室・宿泊など来店予約型

飲食店や美容室、宿泊施設は、利用者が来店前に口コミサイトで必ずといってよいほど評価を確認する業種です。そのため、まずは食べログやホットペッパービューティー、Googleマップの情報を整え、口コミへの返信を習慣化することが優先されます。そのうえで、新店舗のオープンや新メニューの告知など「知ってもらう」必要がある場面でインフルエンサー施策を組み合わせます。飲食店での具体的な進め方は飲食店・店舗集客のインフルエンサー活用ガイド、サロンの場合は美容室・サロンのインフルエンサー集客と予約導線の作り方で解説しています。

化粧品・食品・日用品などのEC・D2C商材

化粧品や食品、日用品は、使ってみないと良さが伝わりにくく、実際に使っている様子を見せることが購買を大きく後押しします。この領域ではインフルエンサー施策が入口として強く働き、そのあとに@cosmeやECモールのレビューが購入前の確認として働きます。発売直後はレビューが少ないため、インフルエンサーの投稿で初期の購入者を作り、その人たちのレビューで評価を積み上げる順番が有効です。

BtoB商材・高額商材

SaaSや業務用機器などのBtoB商材では、ITreviewのような法人向けレビューサイトが比較検討の場として重視されます。導入担当者は稟議のために第三者評価を集めるため、レビューの件数と内容が選定に直結します。インフルエンサー施策は、業界内で発信力のある専門家や経営者による紹介という形で、認知の獲得に使うのが一般的です。

業種・商材先に取り組む施策主に使う口コミサイトインフルエンサー施策の使いどころ
飲食店口コミサイト食べログ、Googleマップ、Retty新店オープン、新メニュー、閑散期の集客
美容室・サロン口コミサイトホットペッパービューティー、Googleマップ新メニュー、スタイリストの認知
宿泊・観光口コミサイトじゃらん、楽天トラベル、Googleマップ季節プラン、体験の魅力の発信
化粧品インフルエンサー施策@cosme、ECモールのレビュー新商品の発売、使用感の可視化
食品・日用品インフルエンサー施策ECモールのレビューレシピ・使い方の提案、ギフト需要
BtoB・SaaS両方を並行ITreviewなどの法人向けレビューサイト専門家による解説、ウェビナー集客

予算配分を決める判断基準

予算配分は「現在の口コミ評価」「認知度」「商品のライフサイクル」の3点で決めるのが実務的です。感覚で半々に分けるのではなく、今どこで顧客を取りこぼしているかを確認してから配分を決めます。以下の基準を使うと、社内でも説明しやすい配分になります。

現在の口コミ評価と件数を確認します

最初に確認すべきなのは、主要な口コミサイトでの自社の評価と件数を、近隣や同カテゴリの競合と比べたときの位置です。競合よりも評価が明らかに低い、あるいは件数が極端に少ない状態であれば、インフルエンサー施策で集客しても比較の段階で負けてしまいます。この場合は、まず顧客体験の改善と口コミへの返信、来店者へのレビュー依頼の仕組みづくりに予算と工数を寄せます。

反対に、評価も件数も競合と同等以上であれば、口コミサイトへの追加投資の効果は小さくなります。受け皿が整っている状態なので、インフルエンサー施策に予算を寄せて流入を増やすほうが成果につながりやすくなります。

認知度と指名検索の量を確認します

社名や店舗名、商品名での検索数は、認知度を測る分かりやすい指標です。指名検索がほとんどない段階では、口コミサイトに情報を載せても見つけてもらえません。この場合はインフルエンサー施策を中心にして、まず名前を知ってもらうことに予算を使います。指名検索の測り方はインフルエンサー施策の指名検索を測る方法と分析の進め方で詳しく扱っています。

商品のライフサイクルに合わせます

発売直後の新商品は、認知もレビューもゼロからのスタートになるため、インフルエンサー施策の比率を高めに設定します。発売から数か月が経ち、レビューがある程度集まった段階では、口コミサイトでの見え方を整える比率を上げていきます。定番商品として売れ続けている段階では、口コミの評価維持を軸にしながら、季節の話題づくりにインフルエンサー施策を使う形が安定します。

予算配分の3ステップ

  • 主要な口コミサイトで、自社と競合3社の評価・件数を一覧にします。
  • 指名検索数と、口コミサイト経由の予約・購入数を過去3か月分集計します。
  • 「受け皿が弱い」なら口コミサイト寄り、「入口が弱い」ならインフルエンサー施策寄りに配分し、3か月ごとに見直します。

口コミサイトとインフルエンサー施策の併用方法

併用の基本は、インフルエンサーの投稿で興味を持った人を口コミサイトでの確認へつなぎ、利用後の口コミにつなげる循環を作ることです。両者を別々の担当者が別々に動かすと、この循環は生まれません。導線を意識した設計のポイントを3つ紹介します。

投稿から口コミサイトへの導線を用意します

インフルエンサーの投稿を見た人の多くは、そのあと店舗名や商品名で検索し、口コミサイトやGoogleマップで評価を確認します。そのため、投稿の開始前にGoogleビジネスプロフィールや口コミサイトの写真・メニュー・営業時間を最新にしておくことが欠かせません。投稿にはInstagramの位置情報タグや店舗アカウントのメンションを入れてもらい、検索しなくても情報にたどり着ける状態を作ります。

来店・購入後に口コミを書いてもらう仕組みを作ります

投稿をきっかけに来店・購入した人が増えたら、その体験を口コミとして残してもらう仕組みを整えます。店頭のPOPやショップカード、購入後のお礼メールに口コミサイトへのリンクを載せ、「感想をお聞かせください」と依頼するのが一般的な方法です。このとき、口コミを書いた人だけに特典を渡すことは、後述するように各サイトの規約で禁止されている場合があるため避けてください。

投稿と口コミを相互に活用します

インフルエンサーの投稿は、許諾を得たうえで口コミサイトの店舗ページや自社ECの商品ページに掲載できる場合があります。逆に、口コミサイトで評価の高いポイントをインフルエンサーへの依頼内容に反映すれば、実際の利用者が評価している魅力を投稿でも伝えられます。利用者の声を素材として活用する考え方はUGCマーケティングの活用法と二次利用の進め方でも整理しています。

段階インフルエンサー施策側の動き口コミサイト側の動き
投稿の2週間前人選と依頼内容の確定写真・メニュー・営業時間を最新に更新
投稿当日〜1週間位置情報タグ・メンション付きで投稿閲覧数・経路検索数の変化を確認
来店・購入時投稿経由の来店・購入を把握店頭POPやお礼メールで口コミを依頼
1か月後反応の良い投稿の二次利用を検討新規口コミへの返信、評価推移の確認

ステマ規制と口コミ施策で避けるべき行為

口コミ施策で最も注意すべきなのは、企業が関与した口コミを一般の利用者の声のように見せる行為です。2023年10月1日から景品表示法の指定告示としてステルスマーケティングが規制対象となり、事業者が表示内容の決定に関与した投稿や口コミで、広告であることが分からないものは不当表示にあたる可能性があります。規制は口コミサイトへの書き込みにも、インフルエンサーの投稿にも同じように適用されます。

口コミサイトで避けるべき行為

口コミの見返りに割引や特典を渡すこと、従業員や関係者に口コミを書かせること、良い口コミだけを書くよう指示することは、ステマ規制の観点でも、各サイトの規約の観点でも問題になります。Googleのクチコミに関するポリシーでも、クチコミの見返りにインセンティブを提供することは禁止されています。食べログなど業種特化型のサイトでも、店舗関係者による投稿や対価を伴う投稿依頼は規約で制限されているため、依頼の前に必ず各サイトの最新の規約を確認してください。

インフルエンサー施策で必要な表示

インフルエンサーに報酬や商品を提供して投稿を依頼する場合は、投稿内に「PR」「広告」「プロモーション」などの表記を分かりやすく入れてもらう必要があります。表記の位置や方法を依頼書に明記し、投稿前の確認で漏れがないかをチェックします。表記の具体的なルールはステマ規制とは?景表法対応と#PR表記の実務ガイドで詳しく解説しています。

インフルエンサーに口コミサイトへの投稿を依頼する場合

インフルエンサーに来店してもらい、SNS投稿とあわせてGoogleマップや食べログにも口コミを書いてもらう依頼は、特に注意が必要です。報酬や無償の招待を受けて書いた口コミは、企業の関与がある表示になるため、広告であることが分からない形で掲載するとステマ規制に抵触する恐れがあります。さらに、多くの口コミサイトは対価を伴う投稿そのものを規約で認めていません。インフルエンサーへの依頼はSNS投稿に限定し、口コミサイトへの投稿は一般の利用者の自発的な声に任せる形が安全です。

避けるべき口コミ施策の例

  • 「口コミを書いてくれたらドリンク1杯無料」のように、口コミを条件に特典を渡します。
  • 従業員や家族、取引先に高評価の口コミを書いてもらいます。
  • 招待したインフルエンサーに、広告表記のない形で口コミサイトへの投稿を依頼します。
  • 口コミ代行業者に依頼して、評価や件数を水増しします。

効果測定の指標と見方

口コミサイトは「評価・件数・経由の予約数」、インフルエンサー施策は「リーチ・保存・遷移数」を中心に測り、最後に両者を来店数や売上でつなげて評価します。役割の違う施策を同じ指標で比べると、どちらかが不当に低く評価されてしまいます。それぞれの指標と、両者を結びつける見方を整理します。

口コミサイト側の指標

口コミサイトでは、平均評価と口コミ件数の推移、ページの閲覧数、予約ボタンや電話ボタンのクリック数、Googleビジネスプロフィールであれば経路検索数などを追います。これらはサイトの管理画面やGoogleビジネスプロフィールのパフォーマンス画面で確認できます。評価は1か月単位では大きく動かないため、四半期ごとの推移で判断するのが適切です。

インフルエンサー施策側の指標

インフルエンサー施策では、投稿ごとのリーチ数、保存数、プロフィールや店舗アカウントへの遷移数、クーポンコードの利用数などを集計します。インフルエンサー本人にインサイトの画面共有を依頼し、投稿後7日時点の数値をそろえて比較すると、投稿同士の比較がしやすくなります。測定方法の全体像はインフルエンサー施策の効果測定の方法と計測ツールにまとめています。

両者をつなげて評価する方法

併用の効果は、インフルエンサーの投稿期間の前後で、口コミサイトの閲覧数や経路検索数、口コミの新規件数がどう変わったかを見ると確認できます。投稿のあとに口コミサイトの閲覧数が増えていれば、投稿が比較検討の段階まで人を運んだと判断できます。さらに1〜2か月後に口コミの件数が増えていれば、来店・購入後の体験まで循環がつながったといえます。

指標取得元見る頻度読み取れること
平均評価・口コミ件数各口コミサイト月次・四半期比較の場での選ばれやすさ
店舗ページ閲覧数口コミサイト管理画面週次投稿からの流入の有無
経路検索・電話数Googleビジネスプロフィール週次来店意欲の高まり
リーチ・保存数インフルエンサーのインサイト投稿後7日投稿の届き方と興味の強さ
指名検索数サーチコンソール月次認知の広がり
来店数・売上予約台帳・POS・EC管理画面月次施策全体の最終的な成果

始める前の実務チェックリスト

口コミサイトとインフルエンサー施策を組み合わせる前に、受け皿の整備・依頼ルール・測定準備の3領域を確認しておくと失敗を防げます。どれか1つが欠けると、せっかくの投稿や口コミが成果につながりません。社内で確認するときにそのまま使える形でまとめます。

受け皿の整備で確認すること

主要な口コミサイトとGoogleビジネスプロフィールの情報が最新になっているか、写真が十分な枚数そろっているかを確認します。過去の口コミに未返信のものが残っていれば、施策の開始前に返信を済ませておきます。厳しい口コミへの返信は、言い訳ではなく改善内容を具体的に伝えることで、これから見る人への印象を良くできます。

依頼ルールで確認すること

インフルエンサーへの依頼書に、広告表記の方法、位置情報タグやメンションの有無、投稿時期、口コミサイトへの投稿は依頼しないことを明記しておきます。店頭や購入後の口コミ依頼についても、特典を条件にしない文面になっているかを確認します。人選の段階では、フォロワーの居住地や年齢層が自社の顧客と重なっているかを見ておくと、投稿後の来店・購入につながりやすくなります。

測定の準備で確認すること

施策を始める前の1か月分の口コミ評価、閲覧数、指名検索数を記録しておきます。開始前の数値がないと、施策の効果を後から比較できません。あわせて、投稿ごとの計測用URLやクーポンコードを用意し、どの投稿からの反応かを区別できるようにしておきます。

領域チェック項目担当の目安
受け皿口コミサイト・Googleマップの基本情報と写真が最新になっている店舗責任者
受け皿未返信の口コミが残っていない店舗責任者
依頼ルール依頼書に広告表記の方法と位置情報タグの指定があるマーケティング担当
依頼ルール口コミサイトへの投稿を対価付きで依頼していないマーケティング担当
依頼ルール店頭・メールの口コミ依頼が特典を条件にしていない店舗責任者
測定準備開始前1か月分の評価・閲覧数・指名検索数を記録したマーケティング担当
測定準備投稿ごとの計測用URLやクーポンコードを用意したマーケティング担当

口コミサイトとインフルエンサー施策は、どちらか一方を選ぶものではなく、顧客が商品を知ってから選ぶまでの流れの中で役割を分担させるものです。まずは自社の課題が「知られていないこと」なのか「選ばれていないこと」なのかを見極め、足りない側から予算を配分してください。SNS広告も含めた予算の分け方はSNS広告とインフルエンサー施策の使い分け比較で解説しています。

本メディアは、審査制インフルエンサー30,000人のマッチングプラットフォーム『Bloom』(株式会社ハーマンドット)が運営しています。