インフルエンサーを5人起用したのに、GA4の画面ではすべてが「instagram / referral」という1行にまとまってしまい、誰の投稿が効いたのか分かりません。インフルエンサー施策の計測でもっとも多いつまずきがこれです。原因は分析力ではなく、投稿に貼るリンクへUTMパラメータを仕込んでいないという、実行前の準備不足にあります。この記事では、UTMの5つのパラメータをインフルエンサー施策にどう割り当てるか、表記ゆれを防ぐ命名規約をどう決めるか、媒体ごとにリンクをどこへ置けるか、作った計測URLをどう配布して貼り間違いを防ぐか、GA4でどう確認するか、そして計測が切れる原因と取りこぼしの補正までを、そのまま社内の手順書に落とせる形で整理しました。記述はいずれも2026年9月時点の仕様にもとづいています。
この記事の要点
- インフルエンサー施策のUTMは「誰の、どの投稿から来たか」を判別するための識別子です。utm_sourceに媒体、utm_mediumにinfluencer、utm_contentに投稿者IDを入れる3層構造が実務の基本形になります。
- 投稿者名をそのままパラメータに書くのは避けてください。社内の管理IDに置き換えると、個人名がURLに残らず、降板や差し替えにも耐えられます。
- 値はすべて半角小文字に統一します。InstagramとinstagramはGA4上で別の流入元として集計されるため、大文字が1文字混ざるだけでレポートが割れます。
- 渡すリンクは1投稿につき1本に絞ります。複数本を渡すと投稿者が貼り違え、集計時に区別できなくなります。
- UTMはリンクを踏んだ流入しか拾えません。指名検索や口コミ経由の購入は必ず取りこぼしますので、クーポンコードや購入時アンケートと組み合わせて補正してください。
インフルエンサー施策におけるUTMパラメータの役割
インフルエンサー施策のUTMパラメータは、どの投稿者のどの投稿からサイトへ何人来て、そのうち何件が購入や申込に至ったかをGA4上で判別するための識別子です。導入は無料で、必要なのはリンクの末尾に文字列を足す作業だけですので、インフルエンサー施策の効果測定でもっとも先に手を付けるべき仕組みになります。逆に、これを仕込まないまま投稿が始まると、後からさかのぼって流入元を分けることは原理的にできません。
UTMパラメータの定義と5つの種類
UTMパラメータとは、リンク先URLの末尾に「?utm_source=instagram&utm_medium=influencer」のような形式で付け足す文字列で、流入元・媒体種別・施策名といった情報をアクセス解析ツールへ伝えるためのラベルです。UTMはUrchin Tracking Moduleの略で、Googleがアナリティクスの前身であるUrchin社の技術を引き継いだ経緯からこの名前が付いています。種類はutm_source、utm_medium、utm_campaign、utm_term、utm_contentの5つで、このうち前の3つが実務上の必須項目です。
仕組みとしては単純で、GA4はページが読み込まれた際にURLに含まれるこれらの文字列を読み取り、そのセッションの流入元情報として記録します。特別な設定やタグの追加は不要ですので、GA4が正しく動いているサイトであれば、リンクを作った時点で計測は始まります。
インフルエンサー施策でUTMが必須になる理由
UTMを付けないままInstagramやTikTokの投稿からサイトへ誘導すると、GA4の集客レポートには媒体名の1行しか残りません。5人に依頼しても10人に依頼しても、そのすべてが同じ行に合算されてしまいます。これでは、次回どの投稿者に予算を寄せるべきかという最も知りたい判断ができません。
さらに、インフルエンサー施策は複数媒体・複数投稿面を同時に走らせることが多く、同じ投稿者でもストーリーズとプロフィールリンクでは成果がまったく異なります。UTMを設計しておけば、投稿者別だけでなく投稿面別・訴求軸別にまで分解できますので、次回の依頼書に反映できる粒度の学びが残ります。施策全体の指標設計はインフルエンサー施策のKPI設計とテンプレートで整理していますので、UTMで何を測るかを決める前に目的側から確認しておくと迷いません。
UTMで測れることと測れないこと
測れるのは、リンクを実際にタップした人のサイト内行動です。具体的には、投稿者別のセッション数、ページの閲覧数、エンゲージメント時間、カート投入や購入といったキーイベントの発生数までを追えます。ここまでが1本のリンクで分かる範囲になります。
一方で測れないのは、リンクを踏まなかった人の動きです。投稿を見て商品名を覚え、後日ブランド名で検索して買った人、投稿を友人に転送して間接的に購入へつながった人、実店舗で買った人はいずれもUTMの外側にいます。この構造上の穴は後半のセクションで扱いますが、まずは「UTMは万能ではなく、リンク経由の流入を正確に分けるための道具である」と位置づけてください。
5つのパラメータのインフルエンサー施策での割り当て
インフルエンサー施策では、utm_sourceに媒体名、utm_mediumに固定値のinfluencer、utm_campaignに施策名、utm_contentに投稿者と投稿面の識別子を入れるのが基本形です。この4層で組むと、GA4の標準レポートで媒体別と施策別を見つつ、探索レポートで投稿者別まで掘り下げられる状態になります。utm_termは検索連動広告向けの項目ですので、インフルエンサー施策では訴求軸のメモ欄として使うか、空欄のままで構いません。
必須の3つのパラメータ
utm_sourceは流入元を表す項目で、instagram、tiktok、youtube、xのように媒体名を入れます。ここに投稿者名を入れる設計も見かけますが、その方式だと媒体別の集計ができなくなりますので推奨しません。utm_mediumは媒体の種類を表す項目で、インフルエンサー施策ではinfluencerという固定値にそろえます。この固定値があることで、広告経由やメルマガ経由の流入と明確に切り分けられます。
utm_campaignは施策名を入れる項目です。商品の略号と実施年月を組み合わせた形にすると、後から見返したときに何の施策か即座に分かります。同じ商品で複数回施策を回す運用でも、年月が入っていれば混ざりません。
任意の2つとutm_idの扱い
utm_contentは、同じ施策の中でリンクを見分けるための項目です。インフルエンサー施策ではここが主役になり、投稿者の管理ID、投稿面、通し番号を組み合わせて入れます。1人の投稿者がストーリーズとプロフィールの両方にリンクを置く場合でも、utm_contentが違えば別々に集計できます。
utm_termはもともと検索キーワードを記録するための項目ですので、インフルエンサー施策では必須ではありません。使うのであれば、ビフォーアフター訴求か使用感訴求かといったクリエイティブの方向性を入れておくと、次回の依頼書を作る際の材料になります。なお、GA4にはutm_idという項目もありますが、これは広告プラットフォームとのデータ連携で使うものですので、通常のインフルエンサー施策では設定不要です。
パラメータの割り当て一覧
実務でそのまま転記できる形に整理すると、次の表のようになります。この5行を社内の命名規約シートの先頭に置いておくと、担当者が変わっても設計がぶれません。
| パラメータ | 必須 | 役割 | インフルエンサー施策で入れる値 | 記入例 |
|---|---|---|---|---|
| utm_source | 必須 | 流入元の媒体 | 媒体名を固定の候補から選ぶ | |
| utm_medium | 必須 | 流入の種別 | influencer で固定する | influencer |
| utm_campaign | 必須 | 施策の単位 | 商品略号+実施年月 | serum_202609 |
| utm_content | 推奨 | 投稿者・投稿面の識別 | 管理ID+投稿面+通し番号 | inf012_story_01 |
| utm_term | 任意 | 訴求軸のメモ | クリエイティブの方向性 | before_after |
この形で組んだURLは、たとえば「https://example.com/lp/?utm_source=instagram&utm_medium=influencer&utm_campaign=serum_202609&utm_content=inf012_story_01」のようになります。長く見えますが、投稿者が貼る側では短縮表示されることが多いため、実害はほとんどありません。
表記ゆれを防ぐ命名規約の作り方
命名規約でまず決めるべきなのは、文字種・大文字小文字・区切り文字の3点です。GA4は値を文字列として厳密に扱いますので、InstagramとinstagramとINSTAGRAMは3つの別々の流入元として集計されます。担当者が2人以上いる組織では、この規約を先に紙にしておかないと、案件が進むほどレポートが割れていきます。
表記ゆれを防ぐ5つの基本ルール
実務で守るべきルールは次の5つです。いずれも例外を作らないことが重要で、1件でも崩すとその行だけが別集計になります。
- 値はすべて半角の小文字英数字にそろえます。日本語や全角文字は文字化けや二重集計の原因になりますので使いません。
- 単語の区切りはアンダースコアかハイフンのどちらか1種類に固定します。混在させると同じ意味の値が2行に分かれます。
- スペースは使いません。URL上で%20に変換され、レポート上の見た目が崩れます。
- 個人名・メールアドレス・電話番号は入れません。URLは投稿・共有・スクリーンショットで拡散する前提の情報です。
- 候補値はプルダウン形式の一覧で管理し、自由入力を禁止します。手打ちを許した瞬間に表記ゆれが始まります。
特に見落とされやすいのが4番目です。utm_contentに投稿者のアカウント名を入れる運用は一見便利ですが、URLが第三者に見える場所へ残り続けますし、投稿者が交代した場合に過去データとの接続も切れます。社内の管理IDに置き換えるだけで、この2つの問題が同時に解決します。
utm_sourceに媒体名を入れる理由
utm_sourceに投稿者名を入れる設計は、一見すると投稿者別に見やすくなるように思えます。しかし実際には、GA4の標準レポートである「トラフィック獲得」が投稿者の数だけ行数を増やしてしまい、媒体ごとの傾向が読めなくなります。20人に依頼すれば20行に散り、媒体間の比較ができません。
媒体をutm_source、投稿者をutm_contentに置くと、標準レポートでは媒体別のまとまった数字が見え、投稿者別に見たいときだけ探索レポートでutm_contentを軸に切り替えるという二段構えになります。日常の確認と深掘りを両立できますので、複数人を同時に動かす案件ではこの分担を基本にしてください。媒体ごとの特性差はInstagram・TikTok・YouTube インフルエンサー施策の媒体比較で整理していますので、どの媒体を並走させるかの判断はそちらも参考になります。
命名規約テンプレートと管理台帳
規約は次の表の形で1枚にまとめ、計測URLを発行するスプレッドシートの先頭シートに置くのが実務的です。新しい担当者が入ったときに、この1枚を見れば同じ形式で発行できる状態を目指します。
| 項目 | ルール | 良い例 | 避ける例 |
|---|---|---|---|
| 文字種 | 半角小文字の英数字とアンダースコアのみ | inf012 | インフルA |
| 大文字小文字 | すべて小文字に統一する | ||
| 区切り文字 | アンダースコア1種類に固定する | serum_202609 | serum-2026 09 |
| 投稿者の表し方 | 社内の管理IDを使う | inf012 | yamada_mika |
| 施策名 | 商品略号+実施年月の6桁 | serum_202609 | campaign1 |
| 投稿面 | story/profile/bio/desc から選ぶ | inf012_story_01 | ストーリー1 |
あわせて、発行した計測URLは管理台帳で一元管理します。持たせる列は、管理ID、投稿者名、アカウントURL、媒体、投稿面、utm_content値、発行日、配布日、投稿予定日、投稿URL、実際の流入数の11項目です。投稿URLの回収と同じ表にしておくと、集計時に2つの表を突き合わせる手間がなくなります。
媒体別のリンク設置面とUTM設定の可否
UTM付きリンクを置ける面は媒体ごとに異なり、Instagramのフィード投稿本文のようにそもそもリンクが機能しない面もあります。設計の前に、依頼する媒体でどこにリンクを置けるかを確認しておかないと、作った計測URLが使われないまま終わります。ここでは2026年9月時点の主要媒体の状況を整理します。
Instagramでのリンク設置面
Instagramでリンクとして機能するのは、プロフィール欄のURLとストーリーズのリンクスタンプの2か所です。フィード投稿やリールの本文にURLを書いてもタップできませんので、本文では「プロフィールのリンクから」と案内する導線設計が必要になります。ストーリーズのリンクスタンプは投稿者が任意のURLを設定できますので、投稿者別の計測URLをそのまま貼ってもらえる面になります。
注意点として、リンクスタンプにURLを手入力すると打ち間違いで計測が壊れます。必ずコピーした状態で渡し、貼り付けで設定してもらってください。プロフィールURLは1本しか設定できませんので、複数社の案件を並行している投稿者の場合は、掲載期間の調整が必要になります。Instagram全体の施策設計はInstagramインフルエンサーマーケティング完全ガイドにまとめています。
TikTok・YouTube・X・LINEでの扱い
TikTokはプロフィールのウェブサイト欄が主なリンク設置面で、こちらもURLは1本のみです。YouTubeは概要欄と固定コメントの2か所にリンクを置け、しかも投稿後に編集できますので、貼り間違いが起きても復旧しやすい媒体になります。Xはポスト本文に直接リンクを置けますが、表示上は短縮されるものの、クリック時にはパラメータを含めた元のURLへ遷移しますので計測は維持されます。
LINE VOOMや公式アカウントの投稿でもリンクを置けます。いずれの媒体でも、アプリ内ブラウザで開かれるケースが多い点は共通しており、この場合でもUTMは正しく渡ります。一方、アプリ内ブラウザではCookieが分離される場合があり、後日ブラウザで再訪した人は別ユーザーとして数えられます。この誤差は構造的なもので、完全には解消できません。
媒体別の設置面と注意点の比較
| 媒体 | リンクを置ける面 | UTM付与 | 投稿後の修正 | 実務上の注意 |
|---|---|---|---|---|
| プロフィールURL、ストーリーズのリンクスタンプ | できます | ストーリーズは不可 | フィード・リール本文のURLはタップできません | |
| TikTok | プロフィールのウェブサイト欄 | できます | 随時可能 | 設置できるURLは1本のみで掲載期間の調整が必要です |
| YouTube | 概要欄、固定コメント | できます | 随時可能 | 編集しやすく貼り間違いの復旧に強い面です |
| X | ポスト本文、プロフィールURL | できます | 本文は不可 | 表示は短縮されますがパラメータは保持されます |
| LINE VOOM・公式アカウント | 投稿本文、リッチメニュー | できます | 投稿による | アプリ内ブラウザ経由でも計測は維持されます |
| ブログ・note | 本文リンク | できます | 随時可能 | 自動短縮やリダイレクトの有無を事前に確認します |
この表で特に重要なのは「投稿後の修正」の列です。ストーリーズとXの本文は投稿後に直せませんので、UTMの誤りは投稿前の検品でしか防げません。逆にYouTubeの概要欄やTikTokのプロフィールは後から直せますので、多少の余裕があります。修正できない面から先に検品する運用にすると、事故の被害が最小になります。
計測URLの作成と配布リストの組み方
計測URLの作成は、1〜2本ならGoogleが公開しているキャンペーンURLビルダー、10本を超えるならスプレッドシートでの一括生成が効率的です。インフルエンサー施策は1人につき1〜3本、10人規模なら20本前後を発行しますので、最初からスプレッドシートで組み立てる前提にしておくと後戻りがありません。
キャンペーンURLビルダーで1本ずつ作る
Googleアナリティクスのヘルプから利用できるキャンペーンURLビルダーは、遷移先URLと各パラメータの値を入力すると、完成した計測URLを出力してくれる公式ツールです。無料で、ログインも不要ですので、規約を決める段階での試作や、追加で1本だけ発行したい場面に向いています。出力されたURLはその場でコピーできますので、そのまま管理台帳へ貼り付けてください。
ただし、このツールは1本ずつしか作れませんので、20本を手作業で入力すると入力ミスの温床になります。ミスが起きても投稿されるまで気づけない点を考えると、本数が増える案件では次の一括生成に切り替えるほうが安全です。
スプレッドシートで一括生成する
スプレッドシートでは、遷移先URL、utm_source、utm_medium、utm_campaign、utm_contentの各列を用意し、最終列で文字列結合の数式を組みます。数式は遷移先URLに「?utm_source=」以降を順につなげるだけですので、1行作ってしまえば人数分をコピーで展開できます。値の列はプルダウンで候補を制限しておくと、手打ちによる表記ゆれが構造的に起きなくなります。
この方式の利点は、管理台帳と計測URL発行を1枚のシートで完結できることです。投稿者の管理ID、媒体、投稿面を入力すれば計測URLが自動で出来上がり、そのまま配布リストになります。20人規模の同時進行では管理の抜け漏れが最大のリスクになりますので、インフルエンサー20人を同時に動かす進行管理と抜け漏れ対策で扱っている状態管理の考え方と組み合わせて運用してください。
短縮URLとリンク集約サービスの扱い
短縮URLは、リンクが長すぎて投稿者が敬遠する場合や、口頭で伝える必要がある場合に有効です。短縮サービスはリダイレクト先へパラメータを含めた元URLを渡しますので、UTMは通常どおり機能します。ただし、短縮サービス側でパラメータが削られる設定になっていないかを、発行後に実際にタップして確認してください。
プロフィールに複数リンクを並べるリンク集約サービスを使う場合は、集約ページの中の各リンクにもUTMを付ける必要があります。集約ページの入口だけにUTMを付けると、どのボタンが押されたかまでは分かりません。また、集約ページを経由するとワンクッション増えるため、直接の計測URLよりも離脱が増える傾向があります。計測ツール全般の選び方はインフルエンサー分析・選定ツールの比較と選び方で扱っていますので、有料ツールの導入を検討する段階で参照してください。
インフルエンサーへの渡し方と貼り間違いの防止
計測URLは1投稿につき1本だけを渡し、依頼書には「このURLをそのまま貼り付けてください」という一文を必ず添えます。複数本をまとめて渡すと投稿者が貼り違え、集計時にどの投稿の数字か判別できなくなります。実際に計測が壊れる原因の大半は、GA4の設定ではなく、この配布と貼り付けの工程で発生します。
1投稿1本の原則と渡し方
渡す単位は、投稿者ごとではなく投稿ごとです。1人がストーリーズとプロフィールの両方に置くのであれば、2本を別々のタイミングで渡します。同時に渡すと、どちらをどこへ貼るかの判断を投稿者に委ねることになり、意図と違う組み合わせで貼られます。
渡す形式は、コピーしやすいテキスト形式にしてください。画像やPDFに埋め込むと手入力が発生し、打ち間違いのリスクが跳ね上がります。メッセージ本文に単独の行として貼り、前後に説明文を挟まない形が最も事故が少なくなります。依頼書全体の構成はインフルエンサーディレクションの進め方と指示書で整理していますので、リンクの指示をどこに書くかはそちらの型に合わせると読み飛ばされません。
依頼書に書く指示文
依頼書のリンク項目には、次の5点を短く書きます。長い説明はかえって読まれませんので、箇条書きで簡潔にまとめるのが実務的です。
- 指定のURLをコピーして貼り付けてください。手入力は避けてください。
- URLの末尾に付いている文字列は計測用ですので、短くしたり削ったりしないでください。
- ご自身で短縮URLに変換する必要はありません。そのままの形で問題ありません。
- 貼り付け後、実際にタップして遷移先が正しく開くかを確認してください。
- 投稿が完了したら、投稿URLをご連絡ください。
2つ目の指示が特に重要です。URLが長いことを気にした投稿者が、親切心からパラメータ部分を削ってしまう事例は珍しくありません。計測用である旨を明記しておくだけで、この事故はほぼ防げます。
投稿後の検品手順
投稿が公開されたら、24時間以内に3点を確認します。第1に、投稿内のリンクを実際にタップし、正しいページが開くかを確かめます。第2に、遷移後のURLにutmで始まる文字列が残っているかをアドレスバーで確認します。第3に、GA4のリアルタイムレポートで、自分のアクセスが該当のutm_content値として記録されているかを見ます。
この3点がそろえば計測は正常です。もし2番目でパラメータが消えている場合は、サイト側のリダイレクト設定でパラメータが落ちている可能性がありますので、社内のエンジニアに確認してください。3番目で値が違う場合は、貼られたURLが渡したものと異なりますので、修正できる面であれば差し替えを依頼します。
GA4での確認方法とレポートの作り方
GA4での確認は、全体の流れを見る標準レポートと、投稿者別に掘り下げる探索レポートの2段構えで行います。標準レポートは「レポート」から「集客」の「トラフィック獲得」を開けば数分で確認でき、探索レポートは初回だけ10分ほどの設定が必要になりますが、一度作れば次回以降は日付を変えるだけで使い回せます。
標準レポートでの確認
トラフィック獲得のレポートを開き、表の左上にあるディメンションを「セッションの参照元/メディア」に切り替えると、instagram / influencerのような形で行が並びます。utm_mediumをinfluencerで固定しておけば、この1行がインフルエンサー施策全体の数字になりますので、広告やオーガニック検索との比較が一目で済みます。
施策単位で見たい場合は、ディメンションを「セッションのキャンペーン」に切り替えます。utm_campaignに商品略号と年月を入れておけば、過去の施策と並べて比較できる状態になります。日常の確認はここまでで十分ですので、週次の定例では標準レポートの2画面だけを見る運用にすると負担が軽くなります。
探索レポートで投稿者別に見る
投稿者別の数字は、探索レポートで「自由形式」を選び、行にディメンションの「セッションの手動広告コンテンツ」を置くと表示できます。この項目がutm_contentの値に対応しますので、inf012_story_01のような値が行として並びます。列には指標としてセッション数、エンゲージメント率、キーイベント数、セッションのキーイベント率を置きます。
絞り込みには、セグメントまたはフィルタで「セッションのメディア」がinfluencerに完全一致という条件を加えます。これを入れないと他チャネルの数字が混ざりますので、必ず設定してください。作った探索レポートには施策名を付けて保存し、次回は複製して日付を変えるだけで再利用します。
見るべき指標と判断の目安
| 指標 | 確認する場所 | 読み取れること | 判断の考え方 |
|---|---|---|---|
| セッション数 | 標準・探索の両方 | 投稿者別の流入量 | フォロワー数ではなくリーチに対する比率で比べます |
| エンゲージメント率 | 探索レポート | 流入の質 | 他チャネルより極端に低い場合は訴求とLPのずれを疑います |
| 平均エンゲージメント時間 | 探索レポート | 関心の深さ | 数秒しかない場合は誤タップ流入の可能性が高いです |
| キーイベント数 | 探索レポート | 購入・申込の件数 | 0件でも滞在が長ければ導線側の改善余地があります |
| セッションのキーイベント率 | 探索レポート | 投稿者別の効率 | 自社サイト平均との比較で判断します |
この5指標のうち、投稿者の評価に直結するのは最後の2つです。ただし、セッション数が数十件しかない投稿者のキーイベント率は誤差が大きく、そのまま優劣の判断には使えません。件数が少ない場合は複数回の施策を合算するか、エンゲージメント時間のような手前の指標で判断してください。数字を費用と突き合わせて回収できているかを見る手順はインフルエンサーマーケティングのROIと費用対効果の測り方で解説しています。
UTMを付けても計測が0件になるときの確認順
まず、投稿に貼られたURLが渡したものと一致しているかを確認します。次に、サイト側のリダイレクトでパラメータが落ちていないかを、実際にタップして遷移後のアドレスバーで確認します。最後に、GA4のデータ保持期間と参照元除外リストの設定を見ます。この3点のいずれかで原因が判明するケースがほとんどですので、GA4の設定を疑う前に、まずリンクそのものを確認してください。
UTM設定でやりがちな失敗と回避策
UTM運用でもっとも被害が大きい失敗は、サイト内リンクにUTMを付けてしまうことです。自社サイト内のバナーや導線リンクにUTMが付いていると、クリックした瞬間にセッションが切り替わり、本来の流入元情報が上書きされます。インフルエンサー経由で来た人がサイト内のバナーを踏んだだけで、その人の流入元がバナーのUTM値に書き換わってしまいます。
サイト内リンクへの付与によるセッション分断
この現象が起きると、2つの問題が同時に発生します。1つはセッション数が実態より多くカウントされることで、もう1つはインフルエンサー経由のコンバージョンが別の流入元に付け替えられることです。結果として、施策の成果が過小評価されます。
回避策は単純で、UTMは外部から自社サイトへ誘導するリンクにだけ付けるという原則を徹底することです。サイト内の回遊やバナーの効果を測りたい場合は、UTMではなくGA4のイベント計測やGoogleタグマネージャーのクリックトリガーを使ってください。アユダンテなどのGA4解説記事でも、自己参照は原則として除外する扱いが推奨されています。
大文字小文字と表記ゆれによる分裂
GA4はパラメータの値を文字列としてそのまま扱いますので、大文字が1文字混ざるだけで別の行になります。Instagramとinstagramが2行に分かれると、レポート上では流入が半分ずつに見え、判断を誤ります。一括生成の数式に小文字変換の関数を挟んでおくと、この事故は構造的に防げます。
同様に、influencerとinfluencersのような単数複数の揺れ、utm_mediumにsocialとinfluencerが混在する状態も分裂の原因になります。候補値はプルダウンで固定し、新しい値を追加する際は必ず責任者の承認を経る運用にしてください。値を1つ増やすことは、過去データとの比較可能性を1つ失うことでもあります。
個人情報とリダイレクトに関する注意
パラメータには個人を特定できる情報を入れてはいけません。URLは投稿・転送・スクリーンショットで拡散しますし、GA4の利用規約でも個人情報の送信は禁止されています。投稿者名を入れたい気持ちは分かりますが、管理IDに置き換えれば運用上の不便はほとんどありません。
もう1つの盲点がリダイレクトです。自社サイトでhttpからhttpsへ、あるいは旧URLから新URLへリダイレクトしている場合、設定によってはクエリパラメータが引き継がれずに消えることがあります。この状態だと、投稿者側は正しいURLを貼っているのに計測が0件になりますので、計測URLを配布する前に必ず自分でタップして、遷移後のアドレスバーにパラメータが残っているかを確認してください。
取りこぼしの構造と他の計測手段との併用
UTMはリンクを踏んだ流入しか拾えませんので、インフルエンサー施策の成果の一部は必ず計測の外側に出ます。投稿を見て商品名を覚え、後日ブランド名で検索して購入した人はオーガニック検索として記録され、投稿の貢献が見えません。この構造を理解せずにUTMの数字だけで判断すると、施策を実態より低く評価してしまいます。
UTMでは拾えない4つの流入
1つ目は指名検索経由です。投稿でブランド名を知り、検索して訪問した流入はオーガニック検索に計上されます。2つ目は口コミ経由で、投稿の内容が友人へ転送されたり、スクリーンショットで共有されたりした場合、リンクは介在しません。
3つ目は実店舗やモール経由の購入です。投稿を見てドラッグストアで買った人、Amazonで検索して買った人は自社サイトを訪れませんので、GA4には一切現れません。4つ目はアプリ内ブラウザとブラウザをまたいだ再訪で、初回はインフルエンサー経由、2回目はダイレクトとして別々に計上されます。これらの合計は施策の性質によりますが、リンク計測で捉えられるのは実際の影響の一部でしかないと考えておくのが安全です。
他の計測手段との組み合わせ
| 手段 | 拾える範囲 | 拾えない範囲 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| UTM付きリンク | リンクをタップした流入とサイト内行動 | リンクを踏まなかった層 | 投稿者別の流入量と質の把握 |
| 固有クーポンコード | コードを入力した購入 | コードを使わない購入、実店舗以外の一部チャネル | 売上の投稿者別の按分 |
| 購入時アンケート | 自己申告による認知経路 | 回答しない購入者 | 指名検索・口コミ経由の補完 |
| 指名検索数の推移 | ブランド名での検索の増減 | 誰の投稿による増加かの判別 | 認知効果の把握 |
この4つのうち、最低限の組み合わせはUTMと固有クーポンコードの2本立てです。UTMが流入と行動を、クーポンが売上を担当する分担にすると、リンクを踏まずに商品名で検索して買った人まで拾えます。EC側の導線と合わせた設計はインフルエンサー施策をEC売上につなげる導線設計で扱っていますので、購入までの導線ごと見直す場合は参照してください。
数字の補正と社内報告での言い方
社内報告では、UTMで取れた数字を「確認できた最低ライン」として提示するのが誠実な伝え方です。取りこぼしがある前提を最初に共有しておかないと、施策の実力が過小評価され、次回の予算が削られる原因になります。数字の横に、計測できない範囲があることを1行添えるだけで受け取られ方が変わります。
補正の方法としては、施策期間中の指名検索数の増加分や、購入時アンケートで「SNSで見た」と回答した比率を併記する形が現実的です。厳密な按分は困難ですので、無理に1つの数字へまとめず、複数の指標を並べて全体像を示してください。計測手段ごとの使い分けの詳細はインフルエンサー施策の効果測定の方法と計測ツールで整理しています。
導入チェックリストと最初の一歩
UTM設計は、投稿が始まる前に終わっていなければ意味がありません。ここでは、案件開始前に確認しておきたい項目を20個に整理しました。すべて埋まってからリンクを配布すると、投稿直後の事故がほぼなくなります。依頼書のチェック欄としてそのまま使える形にしています。
案件開始前の20項目チェックリスト
- 命名規約を1枚のシートにまとめ、関係者に共有しましたか
- 値をすべて半角小文字に統一するルールを決めましたか
- 区切り文字をアンダースコアかハイフンの1種類に固定しましたか
- utm_sourceの候補値を媒体名のリストとして確定しましたか
- utm_mediumをinfluencerで固定することを合意しましたか
- utm_campaignの命名規則を商品略号と年月で定めましたか
- utm_contentに社内の管理IDを使う方針にしましたか
- 投稿面の表し方を story/profile などの候補値に固定しましたか
- 個人名やアカウント名がパラメータに入っていないか確認しましたか
- 計測URLをスプレッドシートで一括生成できる状態にしましたか
- 管理台帳に11項目の列をそろえましたか
- 依頼する媒体でリンクを置ける面を確認しましたか
- 投稿後に修正できない面がどれかを把握しましたか
- 自社サイトのリダイレクトでパラメータが落ちないか実測しましたか
- 短縮URLを使う場合、パラメータが保持されるか実測しましたか
- 渡すリンクを1投稿につき1本に絞りましたか
- 依頼書にURLを削らない旨の指示文を入れましたか
- GA4の探索レポートを事前に作成して保存しましたか
- GA4のキーイベント設定が正しく動いているか確認しましたか
- クーポンコードなど、UTM以外の計測手段を1つ併用しましたか
20項目のうち、実務でもっとも抜けやすいのは14番目のリダイレクト確認と18番目の探索レポートの事前作成です。前者は投稿が始まってから気づいても手遅れになりますし、後者を投稿後に慌てて作ると、集計の締切に間に合いません。どちらも数分から10分程度で済む準備ですので、配布前に必ず済ませてください。
よくあるつまずきと解消の順番
現場でよく見る失敗は4つあります。第1に、投稿が始まってからUTMの必要性に気づき、途中から付け始めて前半のデータが欠けるという失敗です。第2に、担当者が個別にURLを手作りし、表記ゆれでレポートが割れるという失敗です。
第3に、utm_sourceに投稿者名を入れてしまい、媒体別の集計ができなくなるという失敗です。第4に、UTMの数字だけで投稿者を評価し、指名検索や実店舗での購入を無視して施策全体を過小評価するという失敗です。いずれも設計段階で決めておけば防げるものばかりですので、この記事の命名規約と20項目のチェックリストを先に社内で共有してください。
Bloomでの計測リンクの運用
Bloomでのインフルエンサー施策の進め方
Bloomでは、審査制インフルエンサー30,000人の中から商材に合う候補を絞り込み、依頼書の配布から投稿予定日の連絡、投稿URLの回収までをプラットフォーム上で一元管理できます。誰にどの計測URLを渡したかが管理台帳と突き合わせやすい状態で進められますので、案件終了後の集計で「このutm_content値は誰のものか」と探し直す手間がなくなります。初期費用0円・相場の3分の1の水準から始められますので、まずは少人数の案件でUTM設計の型を作ってみてください。
UTMパラメータは、インフルエンサー施策を感覚ではなく数字で語れるようにするための土台です。命名規約を先に決め、計測URLを一括生成し、1投稿1本で配布し、投稿直後に検品します。この4工程を型にするだけで、次の案件からは誰の投稿が効いたかを迷わず説明できるようになります。まずは直近の1案件、5人未満の規模で型を作り、うまくいった形をそのまま社内の標準手順に昇格させてください。
本メディアは、審査制インフルエンサー30,000人のマッチングプラットフォーム『Bloom』(株式会社ハーマンドット)が運営しています。