ミドルインフルエンサーは、フォロワー10万人以上の層を指す言葉ですが、上限は資料によって50万人とも100万人とも異なり、費用の目安にも大きな幅があります。この記事は、インフルエンサー施策を検討している企業の担当者に向けて、定義の違い、費用相場と追加費用、実際に届く数、向く目的と向かない目的、依頼先の選び方を、2026年11月時点で公開されている数字と出典つきで整理します。読み終えると、ミドルを起用するかどうか、起用するならいくらで見積もり、何を確認すべきかを判断できます。

この記事の要点

  • ミドルインフルエンサーは、フォロワー10万〜50万人を中心に指す呼び名です。広い定義では100万人までを含み、業界で統一された基準はありません。
  • 費用の公開目安は1投稿30万〜100万円が中心です(モカ・10万〜50万人の目安・2026年10月更新)。公式の料金表ではなく、媒体と投稿形式で大きく変わります。
  • 広告などに使う二次利用料は、報酬の30〜100%が目安として公開されています(2026年11月時点)。見積もりの最初の段階で範囲を決めます。
  • Instagramのエンゲージメント率は10万〜100万人の層で中央値0.78%、平均2.22%です(インフルエンサーサーチ調査・2026年6月時点)。候補の評価は中央値を基準にします。
  • 向くのは、新商品の理解を伴う認知、ブランドイメージづくり、広告素材の確保です。口コミの量産や地域の集客は、ナノ・マイクロのほうが向いています。

ミドルインフルエンサーの定義とフォロワー数の基準

ミドルインフルエンサーとは、フォロワーがおおむね10万人から50万人、広い定義では100万人までのインフルエンサーで、特定のジャンルで名前が知られ、一定のリーチと発信の質を両立する層です。Astreamは「広告とUGCの中間に位置する存在」と説明しており、投稿1本で届く範囲が広い一方、フォロワーとの距離が遠くなりすぎない点が特徴です。

公開されている定義の違い

下限の10万人はほぼ共通ですが、上限は記事によって異なります。上位の解説記事が示す範囲を並べると、次のとおりです。呼び名の基準を定めた公的な規格はなく、どの記事も各社の整理です。

出典ミドルの範囲上の層の扱い確認した日付
モカ10万〜50万人50万〜100万人がマクロ、100万人以上がメガ2026年11月4日更新
Astream数十万人規模上限の人数は記載がありません2026年11月3日更新
インフルエンサーサーチ(用語集)おおむね10万〜100万人10万〜50万人をミドル、50万〜100万人をマクロと分ける事業者もあると説明更新日の記載がありません
Kolr10万〜100万人100万人以上がメガ2025年3月24日公開
スリーツープロダクツ10万〜100万人100万人以上がメガ更新日の記載がありません
Castbook10万人以上(パワーインフルエンサーとも呼ぶ)100万人以上がメガ・トップ2023年2月4日更新

この記事では、費用の比較がしやすいように、10万〜50万人を中心に説明します。50万〜100万人の人は、資料によってミドルにもマクロにも入るため、数字を読むときは対象の範囲を確かめてください。なお、当メディアのフォロワー数別の使い分けとミックス設計では、配分を細かく議論するために10万〜30万人で区切っています。

提案書で確認すること

代理店や社内の資料に「ミドルを1名」と書かれていても、10万人台の人と80万人台の人では費用も届く範囲も変わります。提案を受けたら、呼び名ではなく、候補者のフォロワー数と直近の再生数を人ごとに出してもらってください。社内で配分を議論するときも、最初に「この施策ではミドルを何人から何人とするか」を決めておくと、見積もりの比較がぶれません。インフルエンサーサーチの用語集も、提案書で見かけたら人数の範囲を確認するよう勧めています。

媒体ごとの読み替え

YouTubeではフォロワーの代わりにチャンネル登録者数で読み替えます。ただし、同じ10万人でも媒体によって届き方は違います。モカの集計では、フォロワー数に対する平均再生数の比率がInstagramリールとYouTube長尺で大きく離れています(後の節で表にしています)。媒体をまたいで候補を比べるときは、人数の区分だけで同じ層として扱わないことが大切です。

ナノからメガまでの層の比較とミドルの位置

ミドルは、マイクロより届く範囲が広く、マクロ・メガより費用を抑えやすい中間の層です。モカが公開している区分と1投稿の費用目安を並べると、次のようになります(2026年11月時点で確認。税表記の記載はありません)。

層フォロワー数1投稿の費用目安強み弱み
ナノ1,000〜1万人1万〜5万円フォロワーとの距離が近い1人あたりのリーチが小さい
マイクロ1万〜10万人3万〜30万円専門分野が明確で信頼されやすい爆発的な拡散は起きにくい
ミドル10万〜50万人30万〜100万円リーチと関係性のバランスが取れる単価が上がり始める
マクロ50万〜100万人80万〜300万円短期間で広く認知が取れるフォロワー層が拡散して精度が落ちる
メガ・トップ100万人以上300万円〜数千万円話題化の起点になりうる単価が高く、起用の敷居も高い

出典はモカの区分表とモカの費用相場の記事です。費用は同社の目安で、算出方法やサンプル数は示されていません。

マイクロとの違い

マイクロとの一番の違いは、1本の投稿で確保できる接触の量です。マイクロは複数名の起用が前提になりやすいのに対し、ミドルは少ない人数でも一定の認知を確保できます。その代わり、モカの比較では1人あたりの費用が約10倍に上がり、契約も事務所経由が9割以上とされています。マイクロ層の費用や探し方は、マイクロインフルエンサー活用の完全ガイドにまとめています。もっと小さい規模の設計は、ナノインフルエンサー活用の実践ガイドをご覧ください。

マクロ・メガとの違い

マクロ・メガとの違いは、話題の広げ方と権利処理の重さです。メガは知名度そのものが第三者の保証として働きますが、費用が大きく、肖像権や使用範囲の交渉も重くなります。ミドルはジャンルの中での信頼を借りる起用で、広く一斉に知らせるよりも、関心のある層に理解してもらう場面に向いています。タレント契約に近い起用を検討している場合は、メガインフルエンサー起用の費用相場とタレント契約の判断基準が参考になります。

層の呼び方の整理

「インフルエンサーのランク」と呼ばれるものは、多くの場合このフォロワー数の区分を指しています。同じ層に別の名前が付くこともあり、Castbookはミドルをパワーインフルエンサーとも呼び、メガをトップインフルエンサーとも呼んでいます。スリーツープロダクツはナノに近い層をライトインフルエンサーと呼んでいます。用語が混ざって分かりにくいときは、インフルエンサーマーケティングの用語集で指標とあわせて確認できます。

ミドルインフルエンサーの費用相場

費用相場は、公開されている目安で1投稿あたり30万〜100万円が中心です。ただし、対象とする人数の範囲が記事ごとに違うため、下限は十数万円、上限は300万円まで幅があります。2026年11月4日時点で確認した公開値は次のとおりです。

出典対象の範囲1投稿の費用の目安フォロワー単価確認した日付
モカ10万〜50万人30万〜100万円媒体と形式で1〜30円2026年10月14日更新
Astream数十万人規模十数万円〜数十万円台記載がありません2026年11月3日更新
インフルエンサーサーチおおむね10万〜100万人報酬30万〜150万円程度2〜4円更新日の記載がありません
ラクボ10万〜100万人30万〜200万円2〜6円2026年の記事(更新日の記載がありません)
DONUTS PROMOTION10万〜100万人(ミドル〜マクロ)20万〜300万円1.5〜5円2026年版(更新日の記載がありません)

公開相場の読み方

上の数字は各社の解説記事にある目安で、インフルエンサーや事務所の公式料金ではありません。どの記事にも税別・税込の記載と、算出に使った件数の記載はありませんでした。稟議の予算の当たりをつける用途にとどめ、実際の金額は候補を決めて見積もりを取って確かめてください。

SNSと投稿形式で変わる費用

同じ10万人でも、媒体と形式で費用は大きく変わります。ストーリーズやXの投稿は比較的安く、制作に手間がかかる動画ほど高くなります。モカが示すフォロワー10万人の目安は次のとおりです(2026年10月14日更新・税表記の記載はありません)。

媒体形式10万人の費用目安フォロワー単価
Instagramフィード投稿30万〜60万円3〜6円
Instagramリール40万〜80万円4〜8円
Instagramストーリーズ10万〜25万円1〜2.5円
TikTok動画投稿40万〜100万円4〜10円
YouTubeタイアップ動画100万〜300万円10〜30円
X投稿10万〜30万円1〜3円

フォロワー単価での概算

候補が決まる前の予算の当たりは、「フォロワー数 × フォロワー単価」で出せます。インフルエンサーサーチが起点とする2〜4円で計算すると、次のようになります。これは単価を掛けただけの仮の数字で、二次利用料や手数料は入っていません。

フォロワー数(仮)単価2円単価3円単価4円
10万人20万円30万円40万円
20万人40万円60万円80万円
30万人60万円90万円120万円
50万人100万円150万円200万円

料金の型そのものを比べたい場合は、キャスティング手数料や月額制の違いと総額の試算をまとめた記事が役に立ちます。

参考記事:インフルエンサーマーケティングの料金体系を比較|キャスティング手数料と総額の試算

費用の内訳と追加でかかる費用

ミドルの起用では、投稿の報酬に加えて、二次利用料・制作費・代理店の手数料が総額を押し上げます。特に二次利用料は報酬の30〜100%と幅が大きく、ここを後から決めると予算を超えやすくなります。

項目別の目安

公開されている目安を項目ごとに整理しました(2026年11月時点で確認)。いずれも各社の解説にある目安で、契約ごとに変わります。

項目目安出典発生する場面
二次利用料投稿報酬の30〜100%モカ・ラクボ広告、LP、ECなどに投稿や素材を使うとき
代理店の手数料総額または広告費の15〜25%モカ・DONUTS PROMOTION代理店やキャスティング会社を通すとき
撮影・編集費全体の10〜20%モカロケや編集を別に手配するとき
ディレクション費全体の5〜10%モカ進行管理や投稿の確認を外に頼むとき
プラットフォームの料金サービスごとに異なります各社の公式サイトプラットフォームやツールを使うとき

見積書で確認すること

見積書では、報酬と手数料が分かれているかを最初に確認します。そのうえで、投稿の本数と形式、撮影の担当、修正の回数、投稿を残す期間、二次利用の媒体と期間、競合の案件を受けない期間(競合排他)を書き出してもらってください。モカは、投稿だけなら30万円だったものが、広告への転用を後から頼んだら総額80万円になった例を紹介しています。項目の読み方は、見積書の読み方と費用内訳の確認ポイントで詳しく説明しています。

仮の数字での総額計算

代理店を通してミドルを1人起用し、投稿を広告にも使う場合を仮の数字で計算します。報酬を60万円、二次利用料を報酬の50%で30万円とすると、小計は90万円です。ここに代理店の手数料を20%と仮定して18万円を加えると、総額は108万円になります。手数料を掛ける対象は契約で変わるため、報酬だけに掛かる場合は結果が変わります。商品代や送料、消費税は別に見てください。投稿の報酬だけで予算を組むと、この例では48万円足りなくなる計算です。

ミドルインフルエンサーが向く目的と向かない目的

ミドルが向くのは、商品の理解を伴う認知を作りたいとき、ブランドイメージを形づくりたいとき、質の高い素材を広告にも使いたいときです。反対に、投稿の数を増やしたいときや、地域を絞って集客したいときは、下の層のほうが合います。

目的向く層理由出典
全国へ一斉に知らせるマクロ・メガ短期間で広く届くモカ
発売直後の認知と商品理解ミドル新しいものを受け入れやすい層に届き、説明もできるAstream
ブランドの世界観を伝えるミドル・マクロ表現の質を担保できるモカ
購入につなげるマイクロ・ミドル推奨が信頼されやすいモカ
広告素材を作るミドル撮影と編集の経験があり、素材の質が高いAstream
口コミの量産ナノ・マイクロを複数投稿数で面を作れるモカ
専門性の高い商材マイクロフォロワーの関心がそろっているモカ
地域限定の集客ナノ・マイクロフォロワーの居住地が絞れるモカ

向いている場面

新商品やリブランディングのように、名前を知らせるだけでなく「どう良いのか」まで伝えたい場面で力を発揮します。「新商品の認知」はモカの表ではマクロ・メガ、Astreamではミドルに分類されていて、一見すると食い違っています。これは、全国へ一斉に広げるのか、関心のある層に理解してもらうのかの違いと考えると整理できます。動画で使用感を見せる施策や、投稿をそのまま広告に転用する施策とも相性が良い層です。

向いていない場面

予算が少なく、起用できるのが1人だけになる場合は慎重に考えてください。その1本の反応が振るわないと、次の手がなくなり、学びも少なくなります。月の予算が30万円程度なら、ナノとマイクロで複数の投稿を試すほうが、訴求の良し悪しを確かめられます。また、特定の地域だけの来店施策や、専門知識が必要な商材では、フォロワーの層が広がりやすいミドルより、関心のそろったマイクロのほうが無駄が出にくくなります。

マイクロ複数との予算比較

単価を同じ3円と仮定して、90万円の使い方を比べます。これは仮の数字で、反応数はインフルエンサーサーチの調査のエンゲージメント率の中央値(10万〜100万人が0.78%、1万〜10万人が0.99%・2026年6月時点)を当てはめた試算です。フォロワーの重複は考慮していません。

比べる点ミドル1人(30万人)マイクロ10人(各3万人)
報酬の合計(仮)90万円90万円(各9万円)
投稿の数1本10本
想定の反応数(中央値)約2,340件約2,970件
社内の手間1人分の交渉は重いが窓口は1つ連絡と確認が人数分に増える
当たり外れの影響1本の結果に左右される分散され、訴求も比べられる
素材質の高い1本切り口の異なる10本

どちらかに決めるより、ミドルを柱に置いて周りをマイクロで固める組み方もよく使われます。ミドルの投稿日に合わせて周辺の投稿を寄せると、同じ商品に何度も接する状態を作れます。配分の決め方はフォロワー数別の使い分けとミックス設計で説明しています。

依頼先の違いとBloomの使いどころ

ミドルの特定の人を確実に押さえるなら、キャスティング会社か所属事務所への相談が中心です。モカの解説ではミドルの契約は事務所経由が9割以上とされており、本人に直接連絡しても事務所へ案内されることが多いと考えておくと安全です。一方、応募を受けて選ぶ形や、周りの層をまとめて動かす施策は、プラットフォームでも進められます。

依頼先3つの違い

依頼先向くケース費用の出し方社内に残る作業
代理店・キャスティング会社指名の起用、企画や進行をまとめて任せたい報酬に手数料を加えた見積もり目的の共有と承認が中心
事務所・本人へ直接相手が決まっている、継続の関係を作りたい個別の交渉契約、進行、確認、集計のすべて
プラットフォーム自社で選んで回したい、複数の人を同時に動かしたい月額や手数料などサービスごとに異なる案件の作成と起用する人の判断

事務所所属と個人の違いは事務所所属と個人起用の違いと選び方で詳しく説明しています。依頼先ごとの実名の比較は、次の記事で確認できます。

参考記事:インフルエンサーマーケティング会社・代理店25社を比較

参考記事:インフルエンサーマーケティングプラットフォーム17社を比較

ミドルの周りを固めるBloomの使いどころ

本メディアを運営する株式会社ハーマンドットのBloomは、案件を公開し、応募してきた審査済みのインフルエンサーから自社で選ぶプラットフォームです。ミドルを柱に置く施策では、周りを固める人を集める役割に向いています。採用数は無制限で、商品提供なら月額だけで何人でも起用できるため、ミドルの投稿に合わせて体験の投稿を増やす使い方ができます。

株式会社ハーマンドットのサービス

周りの層の起用から成果の計測まで、自社で回す選択肢:Bloom

  • AIで進行を自動化:応募への返信・初稿と投稿のチェック・リマインド・インサイトの回収をAIが代行し、判断が要るものだけ担当者に回します
  • AIがPDCAまで回す:実施結果から効果の高かった投稿を分析し、その分析をもとにインフルエンサーごとに投稿の作成指示・修正指示を出します
  • ASPを丸ごと内蔵:インフルエンサーごとの計測リンクでクリック・購入・売上を人ごとに計測します

審査済みのインフルエンサー30,000人・採用数は無制限・料金は月額30,000円(税別)から

無料で始める資料を読む(無料・登録不要)

ミドル層は現金の報酬を前提に話が進むことが多いと考えておいてください。インフルエンサーに現金の報酬を支払う案件は、月額料金とは別にプラットフォーム手数料がかかります(商品提供のみのギフティング案件は対象外)。料金の詳細はBloomの料金で確認できます。

Bloomが合わない企業

特定のミドルの人を指名して、決まった日に必ず投稿してもらいたい企業には、キャスティング会社や事務所への相談のほうが合っています。企画から進行、報告まで丸ごと任せたい場合や、単発の1案件だけで終える場合、データベースの分析だけが目的の場合も、別の選択肢を検討してください。また、この記事ではBloomに登録しているインフルエンサーのフォロワー数別の人数は示していません。10万人以上の人を中心に起用したい場合は、事前に確認することをおすすめします。

届く数と反応の実測値

フォロワー数がそのまま届く数にはなりません。Instagramのエンゲージメント率は10万〜100万人の層で中央値0.78%で、投稿に反応する人はフォロワーのごく一部です。ここでは、公開されている実測値から、ミドルの投稿に何を期待できるかを整理します。

エンゲージメント率は中央値で見る

インフルエンサーサーチの調査は、同社が収集したInstagramの6,949アカウントのうち、算出できた4,987アカウントを集計したものです(2026年6月時点。算出式は反応数÷フォロワー数×100)。同社のデータであり、Instagram全体の母集団ではないと注記されています。

層(同調査の区分)件数平均中央値
ナノ(1,000〜1万人)1,9034.78%2.94%
マイクロ(1万〜10万人)2,2692.63%0.99%
ミドル(10万〜100万人)1,2002.22%0.78%
マクロ・メガ(100万人以上)1632.85%1.01%

平均と中央値の差が大きいのは、一部の反応が高いアカウントが平均を引き上げているためです。フォロワー15万人の人を仮に置くと、中央値では約1,170件、平均では約3,330件の反応となり、約2.8倍の差が出ます。モカはミドルの目安を2〜4%としていますが、算出の根拠は示されていません。期待値を平均や高めの目安で置くと、結果が低く見えやすくなるため、社内の見込みは中央値で作るほうが安全です。指標の詳しい見方はエンゲージメント率の目安と見方をご覧ください。

フォロワー数に対する再生数の比率

動画は再生数も確認します。モカの集計(2026年9月時点)は、料金を把握しているクリエイターについて、フォロワー数に対する平均再生数の比率を示しています。母集団が10万〜50万人の帯を中心としているため、ミドルの参考になりますが、同社は市場平均より上振れした分布だと注記しています。再生数は実際に届いた人数でもありません。

媒体対象人数比率の中央値中央50%の範囲
Instagram(リール)85名108.7%64.9〜268.8%
TikTok76名53.1%20.8〜160.7%
YouTube(ショート)82名35.1%13.1〜85.7%
YouTube(長尺)78名16.7%9.8〜26.5%

1再生あたりの費用で比べる

フォロワー数ではなく、再生あたりの費用に直すと比較しやすくなります。フォロワー15万人、報酬60万円という仮の数字に上の比率を当てはめると、次のようになります。比較のために全媒体を同額にしていますが、実際の報酬は媒体で変わります。

媒体想定再生数(中央値)1再生あたり(中央値)1再生あたり(中央50%の範囲)
Instagram(リール)163,050回約3.7円約1.5〜6.2円
TikTok79,650回約7.5円約2.5〜19.2円
YouTube(ショート)52,650回約11.4円約4.7〜30.5円
YouTube(長尺)25,050回約24.0円約15.1〜40.8円

同じ媒体でも、人によって1再生あたりの費用は数倍変わります。だからこそ、候補ごとに直近の平均再生数をもらって計算することに意味があります。ただし、再生の単価は認知の効率を比べる数字で、売上までは分かりません。購入や申込まで見たい場合は、UTMの設計や効果測定の方法もあわせて準備してください。

候補の探し方と見極めのポイント

候補は、公開された一覧で当たりをつけ、直近の平均再生数、PR投稿の反応、フォロワーの属性の3点で絞ります。フォロワー数はこれまでの蓄積にすぎず、いま届く力を表す数字ではないためです。

一覧とランキングの使い方

「ミドルインフルエンサー 一覧」と調べると、Kolrの「Instagram 日本ミドルインフルエンサーランキング」のようなページが見つかります。一覧は、ジャンルにどんな人がいるかを把握するには便利ですが、数字の基準や更新の時期はサービスごとに違い、順位が高いことと自社の商品に合うことは別の話です。公式の共通リストはありません。ジャンル別に数人の名前を書き出したら、次の確認に進んでください。探し方の全体像はインフルエンサーの探し方にまとめています。

確認する数字と基準

候補者には、公開情報だけでなくインサイトの提出を依頼します。ミドルは過去のタイアップが多いため、過去の投稿から成果をある程度予測しやすい層です。

確認する項目見る数字判断の目安
直近の勢い直近の平均再生数過去の山ではなく、直近の投稿で計算します
PR投稿の反応#PR付きの投稿と通常の投稿の差PRだけ大きく落ちる人は慎重に見ます
反応の水準エンゲージメント率同じ層の中央値(0.78%・2026年6月時点)を超えるかを一つの基準にします
フォロワーの属性年齢・性別・地域の比率商品のターゲットと重なるかを見ます
フォロワーの質増え方とコメントの中身不自然な急増や定型のコメントがないかを見ます
過去の案件競合の案件とPRの頻度同じ分野の案件が続いていないかを見ます

エンゲージメント率の水準はジャンルでも変わるため、「インフルエンサー ジャンル 一覧」で名前を拾ったあとは、同じジャンルの人どうしで比べてください。インフルエンサーサーチの同じ調査では、全規模の平均で旅行が3.73%、美容が2.45%、ファッションが1.89%でした(2026年6月時点)。美容やファッションの候補を、旅行の数字を基準に評価すると、良い人を落としてしまうおそれがあります。

不正なフォロワーの確認手順はフェイクフォロワーの見分け方で紹介しています。複数の人を組み合わせるときは、リーチ重複を避ける選定も確認してください。

年代の確かめ方

「若者に人気のあるインフルエンサー」を一人に決められる公的な指標はなく、媒体や調査によって名前が変わります。若い層に届けたいときは、人気の評判ではなく、インサイトで若い年代のフォロワーがどの程度いるかを人ごとに確かめてください。規模が大きいほどフォロワーの層は分散するので、ミドルではこの確認の重要度が上がります。

ミドル施策の失敗パターンと素材の活用

失敗の多くは、目的が曖昧なまま起用すること、1本の投稿に予算を寄せすぎること、投稿を露出だけで終わらせることの3つです。どれも依頼の前に決めておけば防げます。

目的が決まっていない起用

ミドルは認知にも購入にも素材づくりにも使えるように見えるため、目的が曖昧なまま起用されがちです。Astreamも、数字は出たが次にどう活かすか分からない施策になりやすいと指摘しています。認知ならリーチと指名検索、購入なら計測リンクのクリックと売上、素材なら広告での成果というように、依頼の前に目的と見る指標を一つに決めてください。目的が決まると、候補の選び方も見積もりの項目も変わります。

1本に予算を寄せすぎる

費用の高いミドルに予算の大半を使うと、その投稿が振るわなかったときの代わりがありません。最初にマイクロで複数の訴求を試し、反応の良かった切り口をミドルに渡す順番にすると、確度の低い訴求を高い単価で広げる事態を避けられます。継続の余地があるなら、単発ではなく複数回で契約するほうが、フォロワーに繰り返し接触できます。インフルエンサーサーチも、単発より継続の露出のほうが効果が出やすいと説明しています。

広告感が強くなりすぎることも、よくある失敗の一つです。ミドルには自分の表現の型があるので、台本を細かく指定するより、必ず伝える価値を一つに絞って渡し、見せ方は本人に任せるほうがフォロワーの反応を保ちやすくなります。依頼内容の書き方はPR投稿のクリエイティブの記事を参考にしてください。

投稿を使い切らない

ミドルの素材は質が高い傾向があるので、投稿で終わらせると投資を回収しにくくなります。広告への転用、LPやECへの掲載、公式SNSでの紹介を最初から計画し、契約の段階で媒体と期間を決めておきます。投稿者のアカウントから広告を出す方法はホワイトリスト広告の仕組みで、権利の整理は肖像権・著作権対応と二次利用の範囲で説明しています。

契約とステマ規制の確認事項

依頼の前に、広告であることの表示と二次利用の範囲を決めます。ステマ規制の対象はインフルエンサーではなく広告主である企業なので、表示の管理は依頼する側の責任です。

ステマ規制で企業が負う責任

消費者庁の案内によると、ステルスマーケティングは景品表示法の不当表示として2023年10月1日から規制されており、対象は商品やサービスを供給する事業者(広告主)で、インフルエンサーなどの第三者は対象になりません。フォロワーの多いミドルの投稿は目に触れやすいため、表示の漏れが見つかったときの影響も大きくなります。依頼文に表示の方法を書き、投稿前と投稿後に確認してください。実務の手順はステマ規制と#PR表記の実務ガイドにまとめています。

契約に書く項目

事務所を通す場合でも、確認しておきたい項目は同じです。報酬と支払いの時期、投稿の本数と形式、原稿の確認回数、投稿を残す期間、二次利用の媒体と期間、競合排他の範囲と期間、取り消しの条件を書面に残します。ミドルは過去の案件が多く、競合の案件と重なることがあるため、競合排他は最初に確認してください。契約書のひな形と項目はインフルエンサー契約書の作り方をご覧ください。

見落としやすいのが、投稿後の報告の決まりです。リーチ、保存数、再生数、クリック数などのインサイトを、投稿から何日後に、どの形で受け取るかを先に決めておくと、次回の判断に使える数字が残ります。事務所を通す案件では、確認や修正のやり取りに時間がかかることもあるため、投稿日から逆算して原稿の締切を置いてください。投稿を残す期間の決め方は掲載期間の決め方と延長・削除依頼の実務で説明しています。

次に決めること

ここまでの内容を、依頼の前の確認として整理します。すべて決まったら候補者の見積もりを取り、料金の型を比べて依頼先を決めてください。

依頼前のチェックリスト

  • 目的を一つに決め、見る指標を決めましたか。
  • この施策の「ミドル」を何人から何人とするか決めましたか。
  • 報酬に二次利用料と手数料を足した総額で予算を組みましたか。
  • 候補者の直近の平均再生数、PR投稿の反応、フォロワーの属性をもらいましたか。
  • 広告であることの表示と、投稿前後の確認の方法を決めましたか。
  • 1人に寄せる場合の代わりの案(周りのマイクロなど)を用意しましたか。

料金の型の違いは料金体系の比較で、Bloomの料金は料金ページで確認できます。

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