眼鏡やサングラス、コンタクトレンズといったアイウェアは、顔の印象を大きく左右するため、インフルエンサーが実際に掛けた姿を見て選ぶ人が増えています。一方で、度付きレンズには視力測定と加工が必要で、コンタクトレンズは高度管理医療機器として広告表現に厳しいルールがあるなど、一般的なファッション商材と同じ感覚で依頼するとつまずきやすい商材でもあります。この記事では、眼鏡・コンタクトのインフルエンサー活用について、カテゴリ別の訴求、向いているインフルエンサー像、似合うフレームの見せ方、度数と装用感の伝え方、店舗とECの導線設計、薬機法と広告自主基準への対応、成果指標までを2026年10月時点の実務目線で整理しました。
この記事の要点
- 眼鏡・コンタクトレンズのインフルエンサー活用は、「顔に掛けた姿」で似合うかを判断してもらい、店舗での視力測定やECでの購入まで迷わせない導線を一緒に設計することが成果を左右します。
- 似合うフレームの見せ方は、顔型・肌の色・髪型が近い発信者を選び、正面・横顔・複数フレームの掛け比べを動画で見せるのが基本です。
- 度数や装用感は個人差が大きいため、「本人の度数と環境ではこうだった」という範囲で伝え、見え方の保証と受け取られる表現は避けます。
- コンタクトレンズは高度管理医療機器のため、薬機法と医薬品等適正広告基準、日本コンタクトレンズ協会の広告自主基準に沿った表記と表現チェックが欠かせません。
- KPIは保存数やプロフィール遷移に加え、来店予約数・店舗受取数・EC購入数を投稿ごとに分けて計測すると、店舗とECの両方の成果を正しく評価できます。
眼鏡・コンタクトのインフルエンサー活用とは
眼鏡・コンタクトのインフルエンサー活用とは、メガネフレームやレンズ、サングラス、コンタクトレンズを実際に使ってもらい、「掛けた姿」「着けた見え方」「選んで買うまでの流れ」を投稿で伝えてもらう施策のことです。アイウェアは顔の中心に位置するため、商品単体の写真よりも、人が掛けた姿のほうが購入の判断材料になりやすい商材です。
国内アイウェア市場の規模
矢野経済研究所の「国内アイウエア小売市場に関する調査(2023年)」によると、2022年の国内アイウエア小売市場は前年比103.1%の4,918億円で、2023年は前年比102.6%の5,048億円と見込まれています。この調査はメガネフレーム、メガネレンズ、既製サングラス、既製老眼鏡、その他既製眼鏡の5品目を対象にしており、コロナ禍で落ち込んだ市場がコロナ前の水準まで戻りつつあることを示しています。2026年10月時点でも、低価格チェーン、セレクトショップ、D2Cブランド、ECが競い合う構図は続いており、指名で選ばれるための発信が各社の課題になっています。
眼鏡選びがSNSに移ってきた背景
眼鏡選びは、以前は店頭でスタッフに相談しながら決めるのが一般的でした。現在は、来店前にInstagramやYouTube、TikTokで「自分と似た顔の人が掛けた姿」を見て候補を絞り込む行動が広がっています。大手チェーンでも、店舗スタッフが着用写真を発信して公式サイトの商品ページに掲載する取り組みや、SNSでの発信力を採用で評価する取り組みが報じられており、着用写真を起点にした購買行動が業界全体で重視されていることが分かります。
アパレル施策との違い
眼鏡・コンタクトの施策は、アパレルと同じ「見た目で選ぶ商材」でありながら、度数・試着・医療機器という3つの点で異なります。服はサイズが合えば誰でも同じように着られますが、度付きの眼鏡は視力測定とレンズ加工が必要で、届くまでに数日から1週間以上かかることがあります。コンタクトレンズは眼科での検査と処方を前提とする医療機器で、広告表現にも厳しいルールがあります。ファッション全般の施策の勝ち筋はアパレル・ファッションブランドのインフルエンサー活用事例と勝ち筋で整理していますので、本記事ではアイウェア特有の論点に絞って解説します。
商材カテゴリ別に見る訴求の違い
アイウェアの訴求は、度付きメガネ、度なしのファッション眼鏡、サングラス、コンタクトレンズの4つに分けると整理しやすくなります。同じ「目元の商材」でも、見せるべき場面と注意すべきルールがカテゴリごとに大きく変わります。
度付きメガネと度なしのファッション眼鏡
度付きメガネは、フレームのデザインに加えて、視力測定の丁寧さ、レンズの選択肢、仕上がりまでの日数、アフターサービスといった「買うまでの体験」が訴求の中心になります。度なしの伊達眼鏡やブルーライトカット眼鏡は、コーディネートの一部として見せる投稿が向いており、アパレルに近い感覚で依頼できます。ただし、視力補正用の眼鏡は一般医療機器に分類されるため、「視力が良くなる」「目が疲れなくなる」といった効果の表現は避ける必要があります。
サングラスと調光レンズ
サングラスは、季節やシーンとの結び付きが強い商材です。春夏のレジャー、ドライブ、ゴルフやランニングなどのスポーツで実際に使っている様子を見せると、用途が具体的に伝わります。調光レンズや偏光レンズは、屋内と屋外で色が変わる様子や、水面の反射が抑えられる様子を動画で比較すると分かりやすくなります。紫外線カット率などの数値は、メーカーの公表値をそのまま使い、インフルエンサーに独自の言い換えをさせないことが大切です。
コンタクトレンズとカラーコンタクト
コンタクトレンズは、視力補正用か度なしかを問わず高度管理医療機器(クラスIII)であり、広告では承認された範囲を超える表現ができません。カラーコンタクトレンズは、メイクやファッションとの組み合わせで見せる投稿がSNSで人気ですが、「目ヂカラアップ」のような表現は業界の自主基準で不適切な事例として挙げられています。カテゴリごとの違いは次の表のとおりです。
| カテゴリ | 主な訴求ポイント | 相性の良い投稿形式 | 特に注意する点 |
|---|---|---|---|
| 度付きメガネ | 似合うデザイン、測定と仕上がりの体験、価格 | リール、YouTube、来店レポート | 見え方の保証、視力回復と受け取られる表現 |
| 度なし・伊達眼鏡 | コーディネート、印象の変化 | フィード投稿、着せ替え動画 | ブルーライトカットの健康効果の断定 |
| サングラス・調光レンズ | シーン別の使い方、色の変化 | リール、ショート動画 | 紫外線カット率などの数値の言い換え |
| コンタクトレンズ | 使用感、ライフスタイルとの相性 | ストーリーズ、フィード投稿 | 承認番号、医療機器である旨、効果や安全性の保証 |
| カラーコンタクト | メイクとの組み合わせ、デザイン | フィード投稿、メイク動画 | 美容目的の強調、承認範囲を超えるビフォーアフター |
向いているインフルエンサー像とプラットフォーム
眼鏡・コンタクトの施策に向いているのは、普段から眼鏡やコンタクトを使い、顔周りのスタイリングを継続して発信しているインフルエンサーです。フォロワー数よりも、顔の造作や雰囲気がターゲットと近いか、日常的にアイウェアを使っているかが投稿の説得力を左右します。
発信スタイル別の4つの類型
アイウェアと相性の良い発信者は、大きく4つの類型に分けられます。1つ目は、毎日のコーディネートを発信する「ファッション系」で、フレームを服の一部として見せるのが得意です。2つ目は、メイクや髪型を発信する「ビューティー系」で、眼鏡に合うメイクやカラーコンタクトとの組み合わせに説得力があります。3つ目は、仕事や在宅勤務の様子を発信する「ワークスタイル系」で、長時間掛ける眼鏡やPC用レンズとの相性が良好です。4つ目は、眼鏡そのものを愛好して複数本を使い分ける「眼鏡愛好家系」で、フレームの素材や作りへの言及に専門性があります。
プラットフォームごとの役割
Instagramは着用写真で第一印象を伝える場、TikTokやリールは掛け比べや着せ替えを短く見せる場、YouTubeは測定から受け取りまでの体験や複数ブランドの比較を詳しく伝える場という役割分担が基本です。眼鏡は購入前に比較検討される商材のため、検索に残るYouTubeやブログの比重を少し高めにしておくと、投稿後も長く参照されます。
| プラットフォーム | 主な役割 | 向いている商材 | 評価で重視する指標 |
|---|---|---|---|
| 着用写真で第一印象をつくります | フレーム、サングラス、カラーコンタクト | 保存数、プロフィール遷移数 | |
| TikTok・リール | 掛け比べを短く見せます | フレーム、調光レンズ | 視聴完了率、コメントでの質問数 |
| YouTube | 購入体験と比較を詳しく伝えます | 度付きメガネ、レンズ、EC試着サービス | 視聴時間、概要欄リンクのクリック数 |
| X・ブログ | レビューを検索に残します | レンズ、PC用眼鏡、コンタクト | 指名検索数、記事経由の流入数 |
顔型と視力の条件で選ぶ
アイウェアの施策では、候補者の顔型、肌の色、髪型、普段の視力矯正の方法を必ず確認します。丸顔向けのフレームを売りたいのに面長の人ばかりを起用すると、読者は自分に似合うかを判断できません。度付きレンズの見え方を伝えたい場合は、実際に近視や乱視があり、普段から度付きの眼鏡を使っている人を選ぶ必要があります。複数の顔型の発信者を組み合わせると、読者がそれぞれ自分に近い投稿を見つけられるようになります。
似合うフレームの見せ方
似合うフレームを伝えるには、正面だけでなく横顔や斜めの角度、複数フレームの掛け比べを見せることが最も効果的です。読者が知りたいのは「このフレームが良いか」よりも「自分の顔に合うか」であり、その判断材料をどれだけ投稿に入れられるかが成果を分けます。
顔型・肌の色・髪型の情報を添える
投稿の中で、インフルエンサー自身の顔型や肌の色、髪型、普段の服装の傾向を簡単に添えてもらうと、読者が自分との共通点を見つけやすくなります。たとえば「丸顔でイエローベース、ショートヘア」といった一言があるだけで、似た条件の読者の保存や問い合わせが増えやすくなります。フレームのサイズ(レンズ幅、ブリッジ幅、テンプルの長さ)も併記してもらうと、EC購入時の参考になります。
掛け比べと着せ替え動画の構成
アイウェアと特に相性が良いのが、同じ人が複数のフレームを次々に掛け替える「掛け比べ動画」です。形(ウェリントン、ボストン、ラウンド、スクエアなど)、色、素材の違いが顔の印象をどう変えるかを、数秒ずつ見せていくと、短い動画でも情報量の多い投稿になります。最後に「自分が選んだ1本」とその理由を伝えてもらうと、読者が選ぶ際の基準も示せます。
シーン別のスタイリング提案
仕事用、休日用、オンライン会議用など、シーンごとに掛ける眼鏡を変える提案は、2本目、3本目の購入につながりやすい訴求です。服装やメイクとの組み合わせも一緒に見せると、眼鏡をファッションアイテムとして楽しむ発想が伝わります。投稿写真をブランドの商品ページやSNS広告に二次利用する場合は、利用範囲と期間を事前に取り決めておきます。権利の整理はインフルエンサー投稿の肖像権・著作権対応と二次利用の範囲で詳しく解説しています。
度数と装用感の伝え方
度数と装用感は個人差が大きいため、「本人の度数・生活環境ではこう感じた」という体験の範囲で伝えてもらうのが原則です。読者に同じ見え方を約束するような表現は避け、その代わりに判断に役立つ具体的な情報を丁寧に示してもらいます。
度付きレンズで伝えるべき情報
度付きの眼鏡で読者が気にするのは、レンズの厚み、フレームとのバランス、仕上がりまでの日数、追加料金の有無です。強度の近視の人がレンズの薄型加工を選んだ場合の見た目の違いや、乱視の度数を入れた場合の追加料金など、実際の購入で迷いやすい点を本人の体験として紹介してもらうと実用的な投稿になります。度数そのものの数値を公開するかどうかは個人情報に関わるため、インフルエンサー本人の判断に任せ、企業側から強制しないようにします。
装用感とかけ心地の伝え方
眼鏡のかけ心地は、重さ、鼻あての当たり方、耳への負担、ずれにくさなどで決まります。投稿では「1日掛けて仕事をした感想」「マスクをしたときの曇りやすさ」など、生活の場面に結び付けて伝えてもらうと読者に伝わりやすくなります。コンタクトレンズの使用感を紹介する場合は、装用時間に個人差があることを添え、乾きにくさや快適さを効果や安全性の保証と受け取られる言い方にしないよう注意が必要です。
遠近両用・累進レンズの見せ方
40代以降をターゲットにした遠近両用や中近両用の累進レンズは、慣れるまでの期間や見え方の変化を、時間をかけて伝える必要がある商材です。1回の投稿で完結させず、作った直後、1週間後、1か月後と分けて記録してもらうと、「慣れるまでの不安」に答える内容になります。ミドル・シニア層への届け方はシニア・ミドル層のSNSマーケティングとインフルエンサー起用も参考になります。
店舗とECの導線設計
眼鏡・コンタクトの施策では、投稿を見た人が「店舗で測定する」「ECで買う」「自宅で試着する」のどれを選んでも迷わないように、導線を最初から設計しておくことが重要です。度付きの眼鏡は視力測定が必要なため、ECだけで完結しない購買行動を前提に考えます。
来店型と完結型のEC導線
眼鏡の購入導線は、大きく3つに分けられます。1つ目は、投稿で気になったフレームを店舗で試着し、視力を測定して購入する「来店型」です。2つ目は、度数が分かっている人がECで度付きレンズを選んで注文する「EC完結型」です。3つ目は、ECで店舗受取や来店予約をしてから店舗で仕上げる「EC起点の来店型」です。投稿の目的に合わせて、リンク先を来店予約ページにするか、商品ページにするかを決めておきます。
| 導線のタイプ | 向いている読者 | 投稿で案内するリンク先 | 主な計測方法 |
|---|---|---|---|
| 来店型 | 初めて眼鏡を作る人、度数が変わった人 | 店舗検索・来店予約ページ | 予約数、店頭でのクーポン利用数 |
| EC完結型 | 度数を把握している人、度なしを買う人 | 商品詳細ページ | UTM付き流入数、EC購入数 |
| EC起点の来店型 | 試着してから決めたい人 | 店舗受取・取り置きページ | 店舗受取の注文数、来店率 |
| 自宅試着・バーチャル試着 | 近くに店舗がない人、比較したい人 | 試着サービスの申込ページ | 申込数、試着後の購入率 |
| コンタクトの定期購入 | 処方を受けて継続して使う人 | 販売ページ・定期購入の案内 | 初回購入数、継続率 |
試着サービスとバーチャル試着の活用
近くに店舗がない読者に向けては、複数のフレームを自宅に届けて試せる試着サービスや、スマートフォンのカメラで掛けた姿を確認できるバーチャル試着が有効です。インフルエンサーに試着サービスを実際に使ってもらい、届いた箱を開けて掛け比べ、返送までの流れを見せてもらうと、サービスの手軽さが伝わります。EC全体の導線の考え方はインフルエンサー施策をEC売上につなげる導線設計で解説しています。
クーポンとUTMで店舗とECの成果を分ける
店舗とECの両方で売れる商材では、成果がどちらで生まれたかを分けて計測する仕組みが欠かせません。ECにはUTMパラメータ付きのリンクを、店舗にはインフルエンサーごとのクーポンコードや「投稿画面の提示で特典」といった仕組みを用意すると、来店につながった効果も把握できます。設定方法はインフルエンサー施策のUTMパラメータ設定と流入計測の手順とインフルエンサー施策のクーポンコード設計と利用数の測り方を参考にしてください。
コンタクトレンズの広告規制と薬機法
コンタクトレンズのインフルエンサー施策は、薬機法上の広告として扱われる前提で設計する必要があります。コンタクトレンズは視力補正用か度なしのカラーコンタクトかを問わず高度管理医療機器であり、企業が依頼した投稿は、医薬品等適正広告基準や業界の広告自主基準に沿った表現でなければなりません。
高度管理医療機器としての位置付け
コンタクトレンズは、医療機器の中でも不具合が生じた場合に人体へのリスクが比較的高い「高度管理医療機器(クラスIII)」に分類されています。度なしのカラーコンタクトレンズも、2009年11月から薬事法(現在の薬機法)の規制対象となりました。販売には高度管理医療機器等販売業の許可が必要で、広告についても、承認を受けた性能や使用目的の範囲を超える表現は認められません。また、薬機法第66条の誇大広告の禁止は「何人も」を対象としているため、依頼した企業だけでなく、投稿したインフルエンサー本人も規制の対象になり得ます。2021年8月からは、虚偽・誇大広告に対する課徴金制度も始まっています。全般的な考え方は薬機法とインフルエンサー起用の基本と商材別NG表現・確認フローで整理しています。
広告自主基準で求められる表記
一般社団法人日本コンタクトレンズ協会が定める「コンタクトレンズの広告自主基準」(2021年5月13日改定)は、ウェブサイトやSNSを含むすべての媒体の広告に適用されます。同基準では、視覚的に表記できる媒体では製品の承認番号を明記すること、動画では「高度管理医療機器」であることと眼科医の指示に従って正しく使うことを静止した明確な文字で1秒以上表示すること、装用時間を表現する場合は個人差がある旨を付記することなどが定められています。「処方箋不要」「検査不要」のように医療機関の受診が不要だと誤認させる表現も不適切とされています。この自主基準は協会加盟各社を対象としたものですが、非加盟の事業者にも遵守が推奨されており、インフルエンサー施策の表記ルールを決める際の実務的な目安になります。
使用感の紹介と避けるべき表現
医薬品等適正広告基準では、使用者の体験談を用いて効能効果や安全性を保証するような広告は認められておらず、体験談として扱えるのは使用感などに限られます。インフルエンサーの投稿でも、「目に優しいから安心」「乾かないから一日中平気」のような安全性や効果の保証と受け取られる表現は避け、「本人が着けたときの感触」の範囲にとどめてもらいます。広告自主基準では、医療関係者や美容師などが推薦している旨の広告も禁止されているため、眼科医や美容師の肩書を持つインフルエンサーに特定製品を推薦してもらう企画は避けるのが無難です。カラーコンタクトでは、装用前後の写真で承認範囲を超える効果を想起させる表現や、「目ヂカラアップ」「目の色が変わる」といった表現が不適切な事例として挙げられています。
コンタクトレンズの投稿前に確認する事項
- 販売名は承認を受けた名称を使い、承認番号を投稿内またはリンク先で明記していますか。
- 高度管理医療機器であることと、眼科医の検査・処方に従って使う旨を表示していますか(動画では静止文字で1秒以上)。
- 装用時間に触れる場合、個人差がある旨を添えていますか。
- 「安全」「目に優しい」「処方箋なしで買える」など、効果・安全性の保証や受診不要と受け取られる表現が入っていませんか。
- 医師・美容師などの推薦と受け取られる構成や、承認範囲を超えるビフォーアフターになっていませんか。
- 広告であることを示す#PRなどの表記が、投稿の冒頭で分かる位置に入っていますか。
眼鏡の表現リスクとステマ規制
眼鏡の投稿で注意すべきなのは、視力や目の健康への効果を断定する表現と、ステマ規制に対応した広告表記の2点です。コンタクトレンズほど厳しい規制はありませんが、医療機器や健康に関わる表現には一定のルールがあります。
視力補正用眼鏡と効果の表現
視力補正用の眼鏡やレンズは、薬機法上の一般医療機器(クラスI)に分類されます。一般医療機器は販売の許可や届出が不要ですが、広告では誇大な表現が禁止されているため、「掛けるだけで視力が回復する」「近視の進行が止まる」のような、承認・認証を受けていない効果を思わせる表現は使えません。度なしのファッション眼鏡であっても、医療機器のような効果をうたうと、未承認の医療機器の広告と受け取られるおそれがあります。投稿前の表現チェックの進め方はインフルエンサー投稿の校正チェック項目とNG表現の直し方が参考になります。
ブルーライトカット眼鏡の扱い
ブルーライトカット眼鏡は人気の高い商材ですが、健康効果の表現には特に注意が必要です。日本眼科学会など6団体は2021年4月に、小児にブルーライトカット眼鏡の装用を推奨する根拠はないとする意見を公表しています。投稿では、「目の疲れが取れる」「睡眠の質が上がる」といった効果の断定は避け、レンズの色味やカット率などメーカーが公表している仕様と、本人が使ってみた感想の範囲で紹介してもらうのが安全です。
ステマ規制と#PR表記
2023年10月1日に施行された景品表示法の指定告示(いわゆるステマ規制)により、企業が依頼した投稿は広告であることが分かるように表示する必要があります。フレームを無償で提供しただけの場合でも、企業が投稿内容に関与していれば対象になります。眼鏡の施策では、店舗での測定や加工を無料で提供するケースも多いため、提供の内容にかかわらず#PRなどの表記を入れてもらうよう依頼時に明確に伝えてください。表記の詳しいルールはステマ規制とは?景表法対応と#PR表記の実務ガイドで解説しています。
成果指標とKPIの置き方
眼鏡・コンタクトの施策では、保存数とプロフィール遷移数を入り口の指標に置き、来店予約数・店舗受取数・EC購入数までを投稿ごとに分けて追うのが効果的です。比較検討の期間が長い商材のため、投稿直後の数字だけで判断しないことが大切です。
投稿段階ごとの指標
着用写真や掛け比べ動画では、保存数とコメントでの質問数が、読者が「自分も試したい」と感じたかの目安になります。特に「このフレームの型番は」「丸顔でも合いますか」といった質問は、購入を具体的に検討している人のサインです。来店レポートや購入体験の投稿では、来店予約やECへの流入、ブランド名や型番での指名検索が増えたかを確認します。
| 段階 | 主な指標 | 確認するタイミング | 判断のポイント |
|---|---|---|---|
| 認知・興味 | リーチ数、保存数、視聴完了率 | 投稿から7日後 | 保存率が高いほど比較検討の候補に入っています |
| 比較検討 | コメントでの質問数、プロフィール遷移数 | 投稿から7日後 | 型番や似合うかの質問が多いほど関心が深いです |
| 来店・試着 | 来店予約数、試着サービスの申込数 | 投稿から14〜30日後 | 予約から来店までの期間も合わせて確認します |
| 購入 | EC購入数、店舗でのクーポン利用数、店舗受取数 | 投稿から30日後 | 店舗とECを合算して評価します |
| 継続 | 2本目の購入、コンタクトの継続購入率 | 半年〜1年後 | 買い替えや継続につながったかを確認します |
店舗での成果の把握
眼鏡は店舗で購入されることが多いため、EC以外の成果を把握する仕組みが必要です。インフルエンサーごとのクーポンコードに加え、来店時のアンケートで「どこで知ったか」を尋ねたり、投稿で紹介したフレームの店舗での販売数を投稿前後で比べたりすると、店舗への効果を推計できます。地域の店舗に絞った施策であれば、投稿した地域と投稿していない地域の比較も有効です。地域店舗の集客設計はローカルインフルエンサーで地方の店舗集客を設計する方法でも整理しています。
買い替えと継続の評価
眼鏡は数年ごとの買い替えや、シーン別の2本目の購入が見込める商材です。コンタクトレンズは、処方を受けて継続して使う人が多く、初回購入後の継続率が事業の収益を大きく左右します。施策の評価は投稿直後の売上で締めず、半年から1年後の買い替えや継続購入まで追いかけると、インフルエンサー施策がもたらす顧客生涯価値を正しく測れます。
よくある失敗と発注前チェックリスト
眼鏡・コンタクトの施策でよくある失敗は、顔型の偏った起用、導線の未設計、医療機器の表現チェック漏れの3つです。いずれも依頼前の設計で防げるため、発注前にチェックリストで確認しておくことをおすすめします。
顔型の偏りと導線の未設計
もっとも多い失敗は、フォロワー数や雰囲気だけで候補を選び、同じような顔型の発信者ばかりを起用してしまうことです。これでは、異なる顔型の読者が「自分には似合わないかもしれない」と感じて離れてしまいます。また、投稿のリンク先をECのトップページにしたまま、来店予約や店舗受取の案内を用意していないケースも少なくありません。度付きの眼鏡は測定が必要なため、店舗で買いたい人の受け皿を必ず用意しておきます。
表現チェックの漏れと想定ケースでの考え方
コンタクトレンズの施策では、承認番号や医療機器である旨の表記が抜けたまま投稿されてしまう失敗がよく起こります。たとえば、新しいカラーコンタクトを複数のインフルエンサーに依頼する想定ケースでは、投稿文の下書きと動画の両方を事前に確認し、必須表記のテンプレートを依頼書に添えておくと、表記漏れを防ぎやすくなります。眼鏡の施策でも、ブルーライトカットや遠近両用の効果を断定する表現が入りやすいため、投稿前の確認工程を必ず設けます。
眼鏡・コンタクト施策の発注前チェックリスト
- ターゲットの顔型・年代・視力矯正の方法に合わせて、候補者の顔型や普段の使用状況を確認しましたか。
- 掛け比べ・横顔・シーン別など、似合うかを判断できる撮影カットを指定しましたか。
- 度数や装用感は「本人の体験の範囲」で伝えること、度数の公開は本人の判断に任せることを伝えましたか。
- 来店予約・EC購入・店舗受取・試着サービスのどこへ誘導するかを決め、リンクとクーポンを用意しましたか。
- コンタクトレンズの場合、承認番号・医療機器である旨・眼科医の指示に従う旨の表記テンプレートを渡しましたか。
- 視力回復や健康効果を断定する表現がないか、投稿前に確認する工程を設けましたか。
- すべての投稿に#PRなどの広告表記を入れるよう依頼し、二次利用の範囲と期間を取り決めましたか。
Bloomでアイウェアに合う発信者を探す場合
Bloomでは、審査を通過したインフルエンサー30,000人の中から、ジャンルやフォロワー層、活動地域を見ながら候補を探せます。アイウェアの施策では、ファッション系・ビューティー系・ワークスタイル系といった発信スタイルに加えて、顔型や普段から眼鏡・コンタクトを使っているかを投稿から確認して選ぶことが成果の分かれ目になります。案件を公開して応募を募る形にすれば、実際に眼鏡を愛用していて商材に関心のある発信者から手を挙げてもらえるため、店舗の地域に合わせた来店型の施策でも熱量の高い投稿を集めやすくなります。
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