限定モデルの抽選販売、コラボレーション、ストリートカルチャーとの結びつきなど、スニーカー・ストリート商材は、インフルエンサーとの相性が良い一方で、他のアパレルにはない難しさがあります。カルチャーへの理解が浅い発信は詳しいファンから見抜かれ、抽選告知の伝え方を誤ると不公平感や転売の助長につながりかねません。この記事では、スニーカー インフルエンサーの起用を検討している発注企業向けに、商材タイプ別の起用の型、カルチャー文脈を外さない発信者の選び方、投稿クリエイティブ、抽選販売の告知設計、転売・二次流通への配慮、契約と広告表記、成果指標までを2026年10月時点の実務目線で整理しました。

この記事の要点

  • スニーカー・ストリート商材のインフルエンサー活用は、商品の機能よりも「誰が、どんな文脈で履いているか」で価値が決まるため、カルチャーに根ざした発信者選びが成果を左右します。
  • 抽選販売の告知は、発売日から逆算して「予告→詳細→応募締切→結果発表後」の4段階で設計し、応募方法と注意事項を正確に伝えてもらうことが前提です。
  • 転売・二次流通への配慮として、提供品の扱いを契約で定め、相場や「プレ値」を煽る表現を避け、抽選の公平性を損なう投稿をしない運用が欠かせません。
  • 企業が依頼した投稿は景品表示法のステマ規制(2023年10月1日施行)の対象になるため、抽選告知を含むすべての投稿に#PRなどの表記が必要です。
  • KPIは「いいね数」ではなく、抽選の応募数、指名検索、定番モデルへの波及、保存数を段階的に見るのが実務的です。

スニーカー・ストリート商材のインフルエンサー活用とは

スニーカー・ストリート商材のインフルエンサー活用とは、スニーカーやストリートアパレル、関連するケア用品やセレクトショップを、カルチャーの担い手として信頼されている発信者に履いて・着てもらい、その背景や着こなしと一緒に発信してもらう施策のことです。スニーカーは機能や価格だけで選ばれる商材ではなく、モデルの歴史、コラボレーションの背景、音楽やスケート、ダンス、バスケットボールといったカルチャーとのつながりが購買の動機になります。そのため、誰が発信するかによって、同じ商品でも受け取られ方が大きく変わります。

一般的なアパレル施策との違い

アパレル全般のインフルエンサー施策では、体型やサイズ感、着回しのしやすさといった実用的な情報が成果を左右します。一方、スニーカー・ストリート商材では、実用情報に加えて「カルチャーへの理解があるか」「本物の愛好家として認められているか」が強く問われます。アパレル全般の事例や勝ち筋はアパレル・ファッションブランドのインフルエンサー活用事例と勝ち筋で整理しているため、本記事ではスニーカーとストリート文化に固有の論点である、カルチャー文脈の訴求、抽選販売の告知、二次流通への配慮に絞って解説します。

希少性と二次流通が前提になる市場

スニーカー市場の大きな特徴は、限定モデルやコラボレーションモデルが抽選販売で発売され、発売後にフリマアプリやスニーカー専門のマーケットプレイスで定価を上回る価格で取引されることがある点です。2026年10月時点でも、人気モデルの発売時には抽選への応募が集中し、SNS上では当落報告や相場の話題が飛び交います。ブランドにとって話題性は追い風ですが、転売目的の応募が増えると、本当に履きたいファンに届かないという不満が生まれ、ブランドへの信頼が損なわれるおそれもあります。インフルエンサー施策は、この話題性と公平性のバランスの中で設計する必要があります。

情報収集の中心がSNSに移っている

スニーカーの発売情報や着こなしの参考は、雑誌や店頭よりも、InstagramやYouTube、TikTok、Xで得る人が多くなっています。特にXは発売日や抽選開始の速報が拡散されやすく、Instagramは着こなしや足元の写真、YouTubeは開封やサイズ感の詳しいレビュー、TikTokは短い着画やコーディネート提案が中心です。若年層の情報行動の全体像はZ世代マーケティングの実務ガイドと消費行動・SNS活用の勝ち筋も参考になります。

商材タイプ別に見る起用の型

スニーカー・ストリート商材の起用の型は、「定番モデル」「限定・コラボモデル」「ストリートアパレル」「ケア用品・アクセサリー」「セレクトショップ・店舗」の5つに分けると整理しやすくなります。商材タイプによって、施策の目的、向いている投稿形式、二次流通への配慮の重さが大きく異なります。

定番モデルと限定・コラボモデル

定番モデルは、通年で販売され在庫も安定しているため、着こなしの幅やサイズ感、履き心地を繰り返し伝えて売上を積み上げる施策が向いています。インフルエンサーには、季節ごとのコーディネートや、何年も履き込んだ経年変化を見せてもらうと、長く参照される投稿になります。限定・コラボモデルは、発売前の期待感を高め、抽選への応募を集めることが目的になります。ただし数量が限られているため、投稿で関心を集めすぎると落選者の不満が大きくなる点に注意が必要です。限定モデルの施策は、同時に定番モデルやブランド全体への関心につなげる設計にしておくと、施策の価値が一過性で終わりません。

ストリートアパレル・ケア用品・店舗

Tシャツやフーディー、キャップなどのストリートアパレルは、スニーカーとの合わせ方を含めた全身のスタイリングで見せるのが基本です。スニーカーのクリーナーや防水スプレー、シューレース、収納ケースなどのケア用品・アクセサリーは、汚れたスニーカーがきれいになるビフォーアフターや、手順を見せる動画と相性が良好です。セレクトショップや店舗そのものを訴求する場合は、店頭での試し履き、スタッフとの会話、限定入荷の情報といった「この店で買う理由」を体験として見せてもらいます。

商材タイプ主な目的向いている投稿形式二次流通への配慮
定番モデル着こなし提案、売上の積み上げフィード投稿、リール、YouTubeレビュー低い(在庫が安定)
限定・コラボモデル期待感の醸成、抽選応募の獲得X、ストーリーズ、リール高い(煽り表現と提供品の扱いに注意)
ストリートアパレル全身スタイリングの提案フィード投稿、TikTok中程度(限定品のみ注意)
ケア用品・アクセサリー使い方の理解、まとめ買いショート動画、YouTube低い
セレクトショップ・店舗来店誘導、店舗のファン化リール、ストーリーズ中程度(店頭抽選の告知に注意)

目的から型を選ぶ考え方

施策を企画するときは、まず「新しい顧客に知ってもらいたいのか」「既存のファンに発売を確実に届けたいのか」「店舗に来てもらいたいのか」を決め、その目的に合う型を選びます。限定モデルの話題性だけを狙うと、施策が発売日の盛り上がりで終わりがちです。限定モデルで関心を集めつつ、同じシリーズの定番モデルやケア用品の投稿を並行して用意しておくと、落選した人や興味を持った人の受け皿をつくれます。

カルチャー文脈を外さないインフルエンサーの選び方

スニーカー・ストリート商材に向いているのは、フォロワー数の多さよりも、カルチャーへの理解と継続的な発信の実績がある発信者です。ストリートカルチャーのファンは、にわかの発信や的外れな文脈づけに敏感なため、選定を誤ると投稿そのものが批判の対象になることがあります。

発信スタイル別の4つの類型

スニーカー・ストリート系の発信者は、大きく4つの類型に分けられます。1つ目は、モデルの歴史や型番、コラボの背景まで詳しい「スニーカーヘッズ系」で、限定モデルや復刻モデルの訴求に説得力があります。2つ目は、全身のコーディネートを発信する「ストリートスタイル系」で、アパレルとの合わせ方を伝えるのに向いています。3つ目は、ダンサーやスケーター、バスケットボールプレイヤーなど「カルチャー実践者系」で、スニーカーが生まれた文脈と実際の使用場面を同時に伝えられます。4つ目は、日常の暮らしやファッション全般を発信する「ライフスタイル系」で、スニーカーに詳しくない層への入り口になります。男性向けの商材設計についてはメンズ商材のインフルエンサーマーケティング設計と選び方もあわせて参考にしてください。

類型主な発信内容向いている商材・目的確認したいポイント
スニーカーヘッズ系モデルの歴史、コレクション、開封レビュー限定・復刻モデル、抽選告知転売や相場煽りの投稿が多くないか
ストリートスタイル系全身コーディネート、着こなし提案ストリートアパレル、定番モデルブランドの世界観と服の系統が合うか
カルチャー実践者系ダンス、スケート、バスケ等の活動パフォーマンス系モデル、ブランドの世界観づくり活動の実績と、競合ブランドとの関係
ライフスタイル系日常の服装、暮らし全般定番モデル、ケア用品、新規層の獲得カルチャー文脈を誤用していないか

選定で確認したい5つのポイント

候補者を選ぶときは、過去の投稿で次の5点を確認します。1つ目は、スニーカーやストリートの話題を一時的ではなく継続して発信しているかです。2つ目は、競合ブランドとの契約やアンバサダー活動がないかです。3つ目は、転売や相場の話題を煽る投稿、抽選の不正を示唆する投稿がないかです。4つ目は、コメント欄でフォロワーとどのような会話をしているかで、型番やサイズ感についての具体的な質問が多い発信者は信頼されている傾向があります。5つ目は、フォロワーの年齢層や地域が自社のターゲットと合っているかです。

文脈の誤用が招くリスク

ストリートカルチャーは、ヒップホップやスケートボード、グラフィティなど、特定のコミュニティの歴史に根ざしています。その背景を理解せずに表面的なイメージだけを借りた発信は、「文化の盗用」として批判されることがあります。依頼時にはブランドやモデルの背景資料を共有し、インフルエンサー自身の言葉で語ってもらうことが大切です。また、コミュニティ内で信頼されている発信者に企画段階から相談すると、文脈のずれを事前に防げます。

カルチャー文脈の訴求と投稿クリエイティブ

カルチャー文脈の訴求で最も効果的なのは、商品の説明ではなく、発信者自身とスニーカーとの関わりを語ってもらう構成です。ブランドが用意した決まり文句を読み上げる投稿は、ストリートの文脈では特に浮いて見えるため、伝えるべき事実と自由に表現してよい部分を分けて依頼します。

ストーリーで語ってもらう3つの切り口

カルチャー文脈を伝える切り口として、「モデルの歴史」「自分との関わり」「今の着こなし」の3つがあります。モデルの歴史では、発売された年代や当時のシーン、復刻の背景を紹介してもらいます。自分との関わりでは、初めて手に入れた一足の思い出や、活動の中でそのモデルを選んできた理由を語ってもらいます。今の着こなしでは、過去の文脈を踏まえたうえで、2026年の感覚でどう合わせるかを提案してもらいます。この3つを組み合わせると、詳しいファンにも新しく知った人にも届く投稿になります。

足元と素材感を見せる撮影のポイント

スニーカーの投稿では、全身のコーディネートに加えて、足元の寄りのカット、素材の質感、ソールやロゴの細部が伝わるカットを入れてもらうと、保存されやすくなります。限定モデルの場合は、箱や付属品、シューレースの替えなど、手に取った人しか分からない情報も関心を集めます。サイズ感については、普段履いているサイズとの比較や、足の形の特徴を添えてもらうと、購入を検討している人の不安を減らせます。

カルチャー文脈を伝える投稿の構成チェック

  • 発信者自身とスニーカー・ストリートカルチャーとの関わりが、本人の言葉で語られていますか。
  • モデルの歴史や発売の背景について、事実関係が正確に伝わっていますか。
  • 全身の着こなしと、足元・素材・細部のカットの両方が入っていますか。
  • 普段のサイズとの比較など、購入を判断できる実用情報が添えられていますか。
  • 相場や「プレ値」など、転売を連想させる表現が入っていませんか。

ロケーションとグラフィック素材の扱い

ストリートらしい雰囲気を出すために、街なかや壁画の前で撮影したいという要望はよくあります。しかし、他人が制作した壁画やグラフィティ、ロゴが大きく写り込む場合は、著作権や商標の観点から問題になることがあります。また、公道や私有地での撮影は、管理者の許可や通行の妨げにならない配慮が必要です。撮影場所の選び方や写り込みの確認は依頼時に伝え、投稿前の確認でも見落とさないようにします。権利の扱いはインフルエンサー投稿の肖像権・著作権対応と二次利用の範囲で詳しく解説しています。

抽選販売の告知設計

抽選販売の告知は、発売日から逆算して「予告」「詳細発表」「応募締切前のリマインド」「結果発表後のフォロー」の4段階で設計するのが基本です。インフルエンサーには、話題を広げる役割と同時に、応募方法や注意事項を正確に伝える役割を担ってもらいます。

販売方式ごとの告知の違い

スニーカーの発売方式には、抽選販売、先着販売、受注生産(予約販売)などがあり、方式によって告知で伝えるべき情報が異なります。抽選販売では応募期間と方法、当選後の購入手続き、先着販売では販売開始時刻とアクセス集中への注意、受注生産では受付期間とお届け時期が中心になります。方式ごとの違いを整理すると、次の表のとおりです。

販売方式告知で必ず伝える情報インフルエンサーの役割注意したい点
抽選販売応募期間、応募方法、当選発表日、購入期限期待感の醸成と応募方法の正確な案内当選を約束・示唆する表現をしない
先着販売販売開始日時、販売チャネル、購入数の制限発売日時の周知とリマインドアクセス集中で買えない人への配慮
受注生産・予約販売受付期間、お届け時期、キャンセル条件受付期間中の継続的な訴求お届け時期の誤認を防ぐ
店頭販売(整理券・店頭抽選)実施店舗、受付時間、本人確認の有無店舗と地域の周知徹夜の行列や近隣への迷惑を招かない

発売日から逆算する告知スケジュール

抽選販売の場合、一般的な目安として、発売の3〜4週間前にビジュアルを先出しする予告投稿、2週間前に応募方法と期間を伝える詳細投稿、応募締切の前日から当日にリマインドのストーリーズ、当選発表後に着用レビューや定番モデルの紹介という流れになります。インフルエンサーへの依頼と商品の提供は、予告投稿のさらに2〜4週間前には済ませておく必要があります。情報解禁日より前に投稿されてしまうと、抽選の公平性やブランドの発表計画に影響するため、解禁日時は契約書と依頼書の両方に明記します。発売前後の全体設計は新商品プロモーションのインフルエンサー設計と発売前後90日の進め方も参考になります。

応募方法を正確に伝えてもらう

抽選告知で最も避けたいのは、応募方法の誤った案内です。応募できるアプリやサイト、会員登録の要否、応募できる期間、当選後の支払い期限などを、ブランドが用意した公式の告知ページへのリンクと一緒に伝えてもらいます。インフルエンサーの投稿に独自の解釈や「当たりやすくなるコツ」のような情報が入ると、誤解や不公平感の原因になります。投稿文の事実部分はブランド側で確認し、投稿前のチェックで公式情報と食い違いがないかを照合してください。

落選者へのフォローも設計に含める

抽選販売では、応募者の多くが落選します。落選者が不満を抱えたまま離れてしまうと、次の発売への関心も下がります。結果発表後に、同じシリーズの定番モデルや次回の発売予定、店舗での試し履きの機会などを紹介する投稿を用意しておくと、落選者の関心をつなぎとめられます。インフルエンサーに「当たった・外れた」で終わらない着こなし提案をしてもらうことで、施策全体の印象が良くなります。

転売・二次流通への配慮

スニーカー・ストリート商材の施策では、転売を助長しない運用と、二次流通の存在を前提にした表現の配慮が欠かせません。ブランドの意図にかかわらず、施策が転売を後押ししているように見えると、本来のファンからの信頼を失います。

提供品の扱いを契約で決めておく

インフルエンサーに限定モデルを提供する場合、その商品をフリマアプリやマーケットプレイスで販売されると、施策そのものが批判の対象になります。提供時には、提供品を第三者に販売・譲渡しないこと、施策終了後の扱い(所有を認めるのか、返却してもらうのか)を契約書に明記しておきます。報酬の代わりに商品を提供する場合も、同様の取り決めが必要です。提供品の扱いについて合意がないまま施策を進めると、後から問題が発覚したときに対応が難しくなります。

相場や「プレ値」を煽る表現を避ける

投稿で「発売後すぐに〇万円になる」「プレ値確定」「転売すれば元が取れる」といった表現が使われると、転売目的の応募を呼び込み、本当に履きたい人が手に入れにくくなります。依頼時には、二次流通の価格や資産価値には触れず、履く楽しさや着こなしを中心に語ってもらうよう明確に伝えます。また、複数のアカウントでの応募や、自動購入ツールの利用を示唆する投稿は、抽選の公平性を損なうため厳禁です。

転売・二次流通への配慮として依頼時に伝える事項

  • 提供品を第三者に販売・譲渡しないことと、施策終了後の扱いを契約書に明記します。
  • 二次流通の相場や「プレ値」「資産価値」には触れないよう依頼します。
  • 複数アカウントでの応募や自動購入ツールを示唆する表現を禁止します。
  • 当選を約束・示唆する表現や、関係者だから買えるといった表現を禁止します。
  • 公式の応募ページ以外への誘導(非公式の代行サービスなど)をしないよう依頼します。

二次流通に関する法的な位置づけ

2026年10月時点で、個人がスニーカーを転売すること自体を一般的に禁止する法律はありません。チケット不正転売禁止法(2019年6月14日施行)が対象とするのは興行入場券であり、スニーカーは対象外です。一方で、中古品の売買を業として行う場合は古物営業法に基づく許可が必要になるなど、取引の形態によっては規制がかかります(所管は警察庁・各都道府県公安委員会)。ブランドとしては、利用規約で転売目的の購入を禁止し、本人確認や購入数の制限を設けるといった自主的な対策をとるのが一般的です。法的な判断が必要な場面では、個別に弁護士などの専門家に相談してください。中古品・リユース市場との向き合い方は中古品のPRにインフルエンサーを起用する設計と信頼の作り方でも扱っています。

契約・広告表記・権利の注意点

スニーカー・ストリート商材の施策でも、企業が依頼した投稿には広告であることの明示が必須であり、加えて解禁日、提供品、写り込みに関する取り決めを契約で整理しておく必要があります。話題性の高い商材ほど、ルール違反が見つかったときの影響も大きくなります。

ステマ規制と#PR表記

消費者庁が所管する景品表示法の指定告示(いわゆるステマ規制)が2023年10月1日に施行され、企業が投稿内容に関与している場合は、広告であることが分かるように表示する必要があります。限定モデルを無償で提供しただけの場合や、抽選告知を依頼した場合も、企業の関与があれば対象になります。ストーリーズでのリマインド、Xでの速報投稿など、短い投稿や複数回の投稿でも毎回表記が必要です。表記の具体的なルールはステマ規制とは?景表法対応と#PR表記の実務ガイドで解説しています。

解禁日と守秘義務の取り決め

限定モデルやコラボモデルは、発表日時までデザインや発売情報が秘密にされていることが多く、事前に情報が漏れると発表計画全体に影響します。インフルエンサーに商品を先行して提供する場合は、情報解禁日時、解禁前に撮影データを第三者と共有しないこと、解禁前に私物として着用して外出しないことなどを、守秘義務として契約書に明記します。違反した場合の対応もあらかじめ決めておくと、トラブル時の判断が早くなります。

コラボ相手の権利と二次利用の範囲

コラボレーションモデルでは、デザインやロゴに、コラボ相手のアーティストやブランドの権利が含まれていることがあります。インフルエンサーの投稿を広告やECサイトで二次利用する場合は、自社だけでなくコラボ相手の承諾が必要になるケースもあるため、利用範囲と期間を事前に確認します。二次利用の進め方はUGCマーケティングの活用法と二次利用の進め方を参考にしてください。

成果指標とKPIの置き方

スニーカー・ストリート商材の施策では、抽選の応募数と指名検索を中心に置き、定番モデルへの波及や保存数まで段階的に見るのが効果的です。限定モデルは数量が限られているため、販売数だけで評価すると施策の価値を正しく測れません。

商材タイプ別の主な指標

限定モデルの施策では、抽選の応募数や公式ページへの流入数、モデル名での指名検索の伸びが成果の目安になります。定番モデルの施策では、保存数や着こなしに関するコメント数、EC売上を見ます。店舗訴求の施策では、来店数やクーポンの利用数が中心になります。投稿ごとの流入を計測するには、リンクにUTMパラメータを付けたり、投稿者ごとにクーポンコードを分けたりする方法が手軽です。コードの設計方法はインフルエンサー施策のクーポンコード設計と利用数の測り方で解説しています。

施策の種類主な指標確認するタイミング判断のポイント
限定モデルの抽選告知応募数、公式ページ流入数、指名検索応募締切時前回の同種モデルの発売時と比較します
定番モデルの着こなし提案保存数、コメント数、EC売上投稿から14日後保存率とサイズに関する質問の多さを見ます
落選者フォロー投稿関連モデルの閲覧数、次回発売の通知登録数結果発表から30日後落選者の関心が次につながったかを確認します
店舗訴求来店数、クーポン利用数、店頭販売数キャンペーン終了後投稿のない店舗や前年同期と比較します
ブランド全体指名検索、フォロワー増加、ブランド好意度シーズン終了後施策前後の調査や検索数の推移で評価します

応募数の「質」も確認する

抽選の応募数は多いほど良いように見えますが、転売目的の応募が多ければ、本当に届けたいファンの当選確率が下がります。応募者の会員情報や購入履歴を見て、新規の応募者がどれくらいいたか、過去に購入実績のある人がどれくらいいたかを確認すると、施策の質を評価できます。インフルエンサーごとに応募経路を分けて計測しておくと、転売目的の応募を呼び込みにくい発信者を見極めることにも役立ちます。

コメントと反応から文脈の受け止め方を読む

数値だけでなく、コメント欄の反応も重要な評価材料です。「このモデルの歴史を初めて知った」「この合わせ方を真似したい」といったコメントが多ければ、カルチャー文脈の訴求が伝わっています。逆に、相場や転売に関するコメントが目立つ場合は、投稿の見せ方や起用した発信者の選び方を見直す必要があります。批判的な反応が広がりそうな場合の初動はインフルエンサー施策の炎上対策と発生時の初動対応を参考に、事前に対応手順を決めておきます。

よくある失敗と発注前チェックリスト

スニーカー・ストリート商材の施策でよくある失敗は、カルチャー文脈のずれ、抽選告知の情報の誤り、転売を連想させる表現の3つです。いずれも依頼前の準備と投稿前の確認で防げるため、発注前にチェックリストで確認しておくことをおすすめします。

文脈のずれと告知情報の誤り

よくある失敗の1つ目は、フォロワー数だけで発信者を選び、スニーカーやストリートカルチャーへの理解が浅い投稿になってしまうケースです。詳しいファンから「分かっていない」と受け止められると、商品の評価まで下がることがあります。2つ目は、抽選の応募期間や方法を誤って案内してしまうケースで、問い合わせの増加や不公平感につながります。どちらも、背景資料と公式情報を依頼時に共有し、投稿前に事実関係を確認することで防げます。

転売を連想させる表現と提供品の流出

3つ目の失敗は、投稿で相場や「プレ値」に触れてしまったり、提供した限定モデルがフリマアプリに出品されたりするケースです。こうした事態は、ブランドが転売を容認しているという印象を与え、本来のファンの離反を招きます。依頼書と契約書で禁止事項を明確にし、施策終了後も一定期間は出品の有無を確認する体制を整えておくと安心です。限定品や予約販売を扱う近い商材の考え方はフィギュア・ホビー商材のインフルエンサー活用と予約販売の設計でも整理しています。

スニーカー・ストリート商材の発注前チェックリスト

  • 施策の目的(新規獲得・抽選応募・来店)と、商材タイプに合う起用の型を決めましたか。
  • 候補者のカルチャーへの理解、継続的な発信、競合ブランドとの関係を確認しましたか。
  • 発売日から逆算して、依頼・提供・解禁・告知・フォローの日程を決めましたか。
  • 応募方法や期間を公式ページへのリンクと一緒に正確に伝えるよう依頼しましたか。
  • 提供品の転売・譲渡の禁止と、施策終了後の扱いを契約書に明記しましたか。
  • 相場や「プレ値」、複数アカウントでの応募を示唆する表現を禁止しましたか。
  • すべての投稿に#PRなどの広告表記を入れるよう依頼しましたか。
  • 応募数・指名検索・保存数・定番モデルへの波及まで、指標と確認時期を決めましたか。

Bloomでスニーカー・ストリート系の発信者を探す場合

Bloomでは、審査を通過したインフルエンサー30,000人の中から、ジャンルやフォロワー層、過去の投稿内容を見ながら候補を探せます。スニーカー・ストリート商材の施策では、スニーカーヘッズ系・ストリートスタイル系・カルチャー実践者系・ライフスタイル系といった発信スタイルと、施策の目的を組み合わせて選ぶことが成果の分かれ目になります。案件を公開して応募を募る形にすれば、スニーカーやストリートカルチャーを本当に好きな発信者から手を挙げてもらえるため、文脈を理解した熱量の高い投稿を集めやすくなります。料金は初期費用0円・月額3万円(税別)からです。

本メディアは、審査制インフルエンサー30,000人のマッチングプラットフォーム『Bloom』(株式会社ハーマンドット)が運営しています。