インフルエンサーの費用に補助金を使えるのかを調べている、企業のマーケティング担当者や経営者に向けた記事です。結論から言うと、「インフルエンサー 補助金」で出てくる制度の多くは、報酬が対象になるとは書いていません。この記事では、小規模事業者持続化補助金などの公募要領を読み、報酬、広告費、ギフティングの費用がそれぞれどう扱われるかを整理します。申請の時期、資金繰り、社内稟議での書き方まで、2026年11月4日時点の一次情報で説明します。

この記事の要点

  • 「インフルエンサー補助金」という名前の国の制度は確認できませんでした。使えるかどうかは、各制度の対象経費で決まります(2026年11月4日時点)。
  • 小規模事業者持続化補助金の第20回公募要領は、SNS広告や運用代行費を広報費の例に挙げていますが、インフルエンサーへの報酬は明記していません。発注前に商工会・商工会議所へ確認してください。
  • 謝金と成功報酬型の費用は、同じ公募要領で対象外です。
  • デジタル化・AI導入補助金の対象は登録ITツールの導入費で、インフルエンサーへの報酬には使えません。
  • 補助金は審査があり、後払いです。交付決定前に発注した費用は対象外なので、急ぎの施策には向きません。

インフルエンサー施策に使える補助金の結論

インフルエンサー施策に使える補助金は、施策の名前ではなく、費用が各制度の対象経費に当てはまるかで決まります。インフルエンサー補助金とは、特定の制度名ではなく、インフルエンサー施策の費用の一部に充てられる可能性がある国や自治体の補助制度を指す呼び方です。国の主要な制度の公募要領を確認した範囲では、インフルエンサーへの報酬を対象と明記したものは見つかりませんでした(2026年11月4日時点)。一方で、自治体には起用費を対象と明記した例があります。

制度を見るときの順番

最初に見るのは金額ではなく、自社が申請できるかどうかです。次に、広告費や委託費が対象経費に入っているかを公募要領で確かめます。最後に、受付期間と事業の実施期間が施策の時期に合うかを見ます。上限額の大きい制度から探すと、要件を満たせない制度の確認に時間を使うことになります。

解説記事の情報は古くなりやすい点にも注意してください。持続化補助金のウェブサイト関連費と広報費の扱いは第20回で変わっており、以前の公募回を前提にした記事とは条件が異なります。制度名も、IT導入補助金は現在デジタル化・AI導入補助金に変わっています。

補助金と助成金の違い

補助金は、公募の期間内に申請し、審査で採択された事業者だけが受け取れる制度です。持続化補助金の公募要領も、審査があり不採択になる場合があると明記しています。助成金は、厚生労働省の雇用関係の制度に代表され、要件を満たす取り組みに対して支給される仕組みが中心です。本記事では、施策費に関わる制度を主に扱い、助成金は研修費に関わる部分だけを説明します。

使う側の制度と受け取る側の制度

検索で上位に出る制度には、企業が使う制度と、インフルエンサーや媒体が受け取る制度が混ざっています。たとえば山梨県南アルプス市のマスメディア・SNS発信促進補助金は、市内で撮影して魅力を発信するインフルエンサーや制作会社が受け取る制度です。フォロワーなどが1万人以上のインフルエンサーやテレビ・雑誌などの制作会社が対象で、最大50万円、補助件数は2件です(令和8年度の募集は終了)。商品をPRしたい企業が、自社の施策費のために申請する制度ではありません。

補助金の制度別比較

インフルエンサー施策に関係する主な国の制度は、持続化補助金、新事業進出・ものづくり補助金、デジタル化・AI導入補助金の3つです。ただし、施策費に近いのは前の2つで、デジタル化・AI導入補助金はツールの導入費が対象です。受付状況は中小機構の補助金スケジュール(2026年11月2日更新)を基にしています。

制度補助率上限受付状況(2026年11月4日時点)広告・PR費の扱いインフルエンサーの明記
小規模事業者持続化補助金(通常枠 第20回)2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4)50万円(特例で最大250万円)2026年11月5日〜12月15日17時広報費に計上。申請額の上限30万円(税込)で、広報費だけの申請は不可なし
小規模事業者持続化補助金(創業型 第4回)2/3200万円(特例で250万円)2026年11月5日〜12月15日17時創業後1年以内などの要件あり。広報費に計上し、広報費だけの申請は不可なし
新事業進出・ものづくり補助金(第2回)枠と規模により1/2〜2/3枠と従業員数により最大9,000万円(賃上げ特例時)2026年11月30日15時〜12月25日15時広告宣伝・販売促進費に計上。補助事業の製品・サービスに限るなし
デジタル化・AI導入補助金(通常枠 第7次)原則1/25万円〜450万円2026年12月1日締切登録要領で、広告宣伝に類するツールは登録対象外なし

比較表の読み方

上限額は、施策費にそのまま使える金額ではありません。持続化補助金で上限が250万円になっても、広報費として申請できる額は30万円(税込)のままです。事務局のよくある質問も、賃金引上げ特例で上限が上がっても広報費の上限は上がらないと説明しています。新事業進出・ものづくり補助金も、広告宣伝費には別の上限があります。

受付中の制度で間に合うか

今から申請する場合、持続化補助金の通常枠は、商工会・商工会議所に事業支援計画書を依頼する締切が2026年12月4日です。申請の締切である12月15日より前に期限が来るため、実質の準備期間はさらに短くなります。申請には電子申請とGビズIDプライムのアカウントが必要なので、未取得の会社は先に手続きを始めてください。

SNS運用の研修に使える助成金

SNS運用そのものの費用ではなく、担当者の研修費であれば助成金が選択肢になります。厚生労働省の人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースは、事業展開などで新たな分野に必要な知識を学ぶ訓練を対象に、訓練経費と訓練期間中の賃金の一部を助成します。令和8年度の案内(簡略版)では、経費助成は実費相当額の75%(中小企業以外は60%)です(令和8年4月8日時点)。令和8年8月3日に改定資料が出ているため、対象の可否は最新の詳細版と管轄の労働局で確認してください。インフルエンサーへの報酬に使う制度ではありません。

小規模事業者持続化補助金の使い方

持続化補助金は、インフルエンサー施策に関係する国の制度のなかで、小さな会社が最初に確認すべき制度です。ただし、公募要領の本文、参考資料、よくある質問のいずれにも「インフルエンサー」という語はありません(第20回公募要領 第8版、2026年7月21日版で語句検索)。対象かどうかは、費用の内容を経費区分に当てはめて判断することになります。

対象になる会社

対象は小規模事業者です。常時使用する従業員の数が、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下と定められています。会社と個人事業主は対象になりえますが、一般社団法人、医療法人、学校法人などは対象外です。従業員が6人以上のサービス業の会社は通常枠を使えないため、新事業進出・ものづくり補助金か自治体の制度を確認します。

広報費のルール

第20回の広報費は、パンフレットやインターネット広告、SNS広告などの作成と広報媒体の活用にかかる費用です。守るべき条件は次のとおりです。

  • 申請額の上限は30万円(税込)です。
  • 広報費だけでは申請できません。ほかの経費と一緒に申請します。
  • 補助事業計画の商品・サービスの広報が対象で、単なる会社のPRは対象外です。
  • 補助事業期間外の広告の掲載は対象外です。
  • 自社サイトやECサイトで使う動画や写真の制作費は、ウェブサイト関連費に計上します。

インフルエンサー費用の読み方

公募要領の規定を費用ごとに当てはめると、次のように読めます。これは本メディアの読み方で、事務局の判断ではありません。実際の可否は発注前に確認してください。

費用公募要領の記載読み方
投稿を広告として配信する費用広報費の例にSNS広告とインターネット広告がある対象の例に近い。事業期間内の掲載が必要
PR投稿の依頼費(固定額)明記なし判断が分かれるため事前に確認する
謝礼名目の支払い謝金は対象外。委託・外注費の項でも市場調査の謝礼を対象外の例に挙げる名目が謝礼のままでは難しい
成果報酬売上や販売数、契約数に応じて課金する費用と成功報酬型の費用は対象外対象外
ギフティングで送る自社商品販売用と同じ商品を試供品にする場合は対象外対象になりにくい
金券・商品券の提供対象外の例に挙げる対象外
SNS広告用の動画制作SNS広告だけで使うなら広報費。自社サイトなどにも使うならウェブサイト関連費使う場所で経費区分が変わる

参考記事:成果報酬型インフルエンサー施策の仕組みと料率相場・設計の実務

確認先は、地域の商工会または商工会議所です。「固定額で投稿を依頼する費用」「投稿を広告配信する費用」のように内容を分け、契約の形と金額を示して相談すると判断を得やすくなります。商工会地区と商工会議所地区では事務局のサイトが分かれています(商工会地区、商工会議所地区)。

デジタル化・AI導入補助金の対象

デジタル化・AI導入補助金は、インフルエンサーへの報酬や広告費には使えない制度です。対象は登録されたITツールの導入費用であり、施策の実行費用ではありません。この制度を販促に使える補助金として紹介する解説記事もありますが、使えるのはツールの費用に限られます。

対象はツールの導入費

通常枠の公募要領によると、補助対象経費は、IT導入支援事業者が提供し、事務局にあらかじめ登録されたITツールの導入費用です。申請はIT導入支援事業者と組んで行います。登録されているかどうかは、公式の検索ページでツール名から確かめられます。交付決定前に契約や発注をしたツールは対象外です。

広告宣伝とマッチングサービスの扱い

ITツール登録要領は、広告宣伝に類するものや広告宣伝費用を含むものを登録の対象外としています。また、サービス業の人材マッチング機能の注意点として、データベース提供や役務をウェブ上で組み合わせて提供する、いわゆるマッチングサービスの利用料を対象外としています。そのため、SNS分析ツールなどが登録されている場合でも、インフルエンサーの報酬や広告の配信費まで補助されるわけではありません。

Bloomを含むサービスの確かめ方

本メディアを運営するBloomは、デジタル化・AI導入補助金の登録ITツールではありません。Bloomを含め、インフルエンサー関連のサービスが「補助金で導入できる」と案内された場合は、公式の検索ページで登録の有無を確認してください。登録がなければ、この補助金の対象にはなりません。

新事業進出・ものづくり補助金の広告宣伝費

新事業進出・ものづくり補助金は、新しい製品・サービスの事業に付随する広告宣伝であれば対象になる制度です。既存商品の販促にインフルエンサーを起用するだけの計画には使えません。第2回公募要領は、広告の作成と媒体掲載、ブランディング・プロモーションにかかる費用を広告宣伝・販売促進費に挙げていますが、インフルエンサーの語はありません(語句検索)。

使える条件

革新的新製品・サービス枠では、新製品・新サービスの開発を伴わない事業は対象外です。公式サイトによると、機械装置・システム構築費が必須の経費で、新事業進出枠とグローバル枠は機械装置・システム構築費か建物費のどちらかが必須です。広告費だけの申請はできず、設備投資を含む事業計画が前提になります。補助下限額も、革新的新製品・サービス枠で100万円、ほかの2枠で750万円です。

広告宣伝費の条件も細かく定められています。金額に関わらず複数者の見積もりと価格の妥当性が分かる資料が必要で、交付決定後の発注・契約が前提です。補助事業以外の自社製品の広告や会社全体のPR広告は対象外です。ネット広告も、掲載した時期や内容が分かる資料を実績報告で提出します。

広告宣伝費の上限の計算

広告宣伝・販売促進費の上限は、事業計画期間の補助事業の売上見込み額の合計を事業計画の年数で割り、その5%を掛けた額です。たとえば、売上見込みの合計が1億円(税抜)、事業計画が5年であれば、1億円÷5年×5%で100万円が上限です(仮の数字です)。売上見込みの根拠が弱いと、広告費の枠も説明しづらくなります。

自治体の補助金の探し方

インフルエンサーの費用を対象と明記した制度を探すなら、国より自治体を確認するのが近道です。本メディアが確認できた明記の例は目黒区です。ただし、地域と創業年数などの条件が狭く、上限も小さいため、自社の所在地で使えるかを最初に確かめます。

インフルエンサー起用費を明記した例

目黒区のSNS広告宣伝活動費補助金(2026年5月28日更新)は、対象経費にインフルエンサー起用費を挙げ、契約書などの提出を求めています。区内に本店があり、法人は登記から5年未満、個人は開業届から5年未満であることなどが条件です。一方で、SNSの投稿や管理を委託する運用代行費は対象外です。持続化補助金では運用代行費が広報費の例に入っているため、同じ費用でも制度によって扱いが逆になります。

主な自治体制度の比較

制度補助率上限対象の特徴受付(2026年11月4日時点)
目黒区 SNS広告宣伝活動費補助金8/1010万円インフルエンサー起用費を明記。区内の創業5年未満令和8年12月28日まで(消印有効)。先着25社程度
八王子市 創業者販路拡大支援補助金3/4以内10万円インターネット広告とSNSに係る経費。市内の創業者で小規模企業令和9年1月31日まで(予算終了で締切)
東京都中小企業振興公社 市場開拓助成事業1/2以内300万円広告掲載費と動画制作費。展示会等参加費の申請が必須令和8年度は終了
東京都 創業助成事業2/3400万円(下限100万円)広告費を含む。都内の創業者向け令和8年度の第1回・第2回は終了

八王子市、東京都の2制度のページと資料には、インフルエンサーの語はありませんでした。広告費に入るかは、それぞれの窓口に確認が必要です。

地域の制度の探し方

中小機構のJ-Net21 支援情報ヘッドラインで、地域と「補助金・助成金・融資」を選び、「SNS」「広告」「販路」で検索します。国の制度の電子申請はJグランツで行うものが多いので、あわせて確認します。候補が見つかったら、要綱の対象経費に広告費や委託費があるかを読み、窓口に次の3点を聞きます。

  • インフルエンサーへの投稿依頼費は対象経費に入りますか。
  • 個人への支払いの場合、どの書類が必要ですか。
  • 支払いと投稿は、いつまでに完了している必要がありますか。

補助金に頼らない費用設計とBloom

インフルエンサー施策の最初の検証は、補助金が取れなくても実行できる金額で設計するのが安全です。補助金は採択されるまで金額が確定せず、後払いでもあるため、施策の予算の前提にすると、不採択のときに計画ごと止まります。補助金は、効果を確認した施策を広げるときの選択肢として考えると判断しやすくなります。

補助金を使うか判断する基準

補助金を検討してよい条件

  • 不採択でも、同じ施策を自己資金で実行するか、中止するかを決めてあります。
  • 施策の開始が交付決定の後でも、商品の発売や季節に間に合います。
  • 補助金が入るまでの全額を、会社で立て替えられます。
  • 申請と実績報告の作業を担当する人がいます。

どれかが欠ける場合は、補助金を前提にせず、少額で小さく試すほうが現実的です。費用の組み立て方は料金体系ごとの比較から確認できます。

参考記事:インフルエンサーマーケティングの料金体系を比較|キャスティング手数料と総額の試算

Bloomでできること

Bloomは、審査済み30,000人のインフルエンサーに自社で依頼できるマッチングプラットフォームです。料金は月額30,000円(税別)からで、採用数は無制限です。商品提供なら月額だけで何人でも起用できます。インフルエンサーに現金の報酬を支払う案件は、月額料金とは別にプラットフォーム手数料がかかります(商品提供のみのギフティング案件は対象外)。

運用の面では、AIで進行を自動化する機能、AIがPDCAまで回す機能、ASPを丸ごと内蔵した成果計測の3つを備えています。担当者が少なく、補助金の事務作業まで手が回らない会社でも、検証を始めやすい形です。なお、Bloomの月額料金やインフルエンサーへの報酬が、いずれかの補助金の対象になると案内するものではありません。

Bloomが合わない企業

次のような会社には、Bloomは合いません。候補探しから投稿の確認まで丸ごと外部に任せたい会社は、代行やキャスティング会社のほうが向いています。単発で1案件だけ実施したい会社や、データベースの分析機能だけを使いたい会社にも、月額型のプラットフォームは合いにくいです。補助金の対象になるサービスに限定して探している場合も、Bloomは候補になりません。

申請から受け取りまでの流れと資金繰り

補助金は施策が終わった後に入金されるため、発注時点では全額を自社で支払います。持続化補助金の公募要領も、自己負担が必要で補助金は後払いだと明記しています。申請から入金まで1年以上かかることもあるので、日程と資金繰りを先に確かめます。

第20回持続化補助金の流れ

段階日程やること
準備早めにGビズIDプライムの取得と経営計画・補助事業計画の作成
事業支援計画書2026年12月4日が受付締切商工会・商工会議所に様式4の発行を依頼
申請2026年12月15日17時が締切電子申請で提出(郵送は不可)
採択発表2027年3月頃の予定結果の確認
見積書等の提出2028年2月29日が期限価格の妥当性が分かる見積書を提出
交付決定採択後、概ね1〜2か月が目安この日以降に発注できる
事業の実施2028年3月31日まで発注、投稿、支払いを完了
実績報告2028年4月10日まで経理書類と証拠資料を提出
入金額の確定と請求の後補助金の受け取り

発注できる時期

交付決定の前に発注、契約、支払いをした費用は対象外です。採択発表が予定どおり2027年3月頃で、交付決定まで1〜2か月かかるとすると、発注できるのは早くて2027年4〜5月頃です(予定からの目安です)。2026年内や2027年初めの施策には使えません。すでにインフルエンサーと契約した施策を、後から補助金の対象にすることもできません。

発注総額が1件あたり50万円(税込)を超える場合は、2者以上の見積もりも必要です。インフルエンサー本人の投稿は同等品の見積もりが取りにくいため、随意契約の理由書が必要になるかどうかも、発注前に確認します。

費用と入金の計算例

次の例はすべて仮の数字で、消費税の扱いは除いて単純化しています。持続化補助金の通常枠で、広報費45万円と機械装置等費30万円を計上した場合です。

項目金額計算
支払い総額(立て替える額)75万円45万円+30万円
広報費の補助額30万円45万円×2/3(広報費の上限と同額)
機械装置等費の補助額20万円30万円×2/3
補助金の額50万円通常の上限50万円の範囲内
最終的な自己負担25万円75万円−50万円

広報費をいくら増やしても、この制度で受け取れる広報費の補助額は30万円までです。目黒区の制度であれば、対象経費12.5万円の8/10で上限の10万円に届きます(これも仮の数字です)。金額の大きさより、会社が先に支払う額と入金までの期間を基準に判断してください。補助金を受け取ったときの税務の扱いは、顧問税理士に確認します。

参考記事:インフルエンサー報酬の会計処理と経費計上の実務ポイント

証憑と投稿の管理

補助金で最も見落としやすいのは、投稿が終わった後に提出する証拠資料です。支払いの事実があっても、書類や画面の記録が揃わなければ対象外になります。インフルエンサーへの依頼は個人とのやり取りが多く、書類が残りにくいので、発注前に準備します。

契約と支払いの書類

持続化補助金の公募要領は、インターネット広告の取引でも、仕様提示、見積、発注、納品、検収、請求、支払いの流れで書類を残すことを求めています。支払いは銀行振込が原則で、1取引10万円(税抜)を超える現金払いは認められません。社内の役員や親族、関係会社への発注も対象外です。開業していない個人からの購入を対象外とする規定もあるため、個人のインフルエンサーに直接発注する場合の扱いは事前に確認します。

  • 内容と金額を明記した契約書(目黒区では起用費に契約書等が必要です)
  • 内訳の分かる見積書と請求書
  • 振込の記録
  • 投稿内容の確認記録(検収の記録)

参考記事:インフルエンサー契約書の作り方と必須チェック項目

投稿の保存

発注日が分かる取引画面や、広告が確認できるインターネット画面を提出できない場合は対象外になると、公募要領は定めています。投稿はストーリーズのように消えるものや、後から削除されるものがあります。公開の当日に、URL、投稿日、アカウント名、投稿内容が分かる形で画面を保存してください。実績報告まで期間が空くので、案件ごとのフォルダにまとめておくと確認が楽になります。詳しい保存の項目は記録保存と監査対応の記事で説明しています。

広告であることの表示

補助金の有無に関わらず、企業が依頼した投稿には広告であることの表示が必要です。ステルスマーケティングは景品表示法の不当表示として規制されています。発注書に「#PR」などの表示を条件として入れ、投稿の確認時に表示の有無を見ます。個人に業務を委託する場合は、フリーランス法の発注者義務も確認してください。

参考記事:ステマ規制とは?景表法対応と#PR表記の実務ガイド

「実質無料」の勧誘と稟議での書き方

「補助金で実質無料」という勧誘には応じないでください。持続化補助金とデジタル化・AI導入補助金の公募要領は、どちらも自己負担を減額または無償にする販売方法やキャッシュバックを、補助金の目的に反する行為としています。補助金は自己負担が残る制度で、不正受給には交付決定の取消や返還だけでなく、罰則もあります。

注意する言葉

こんな案内は要注意です

  • 「補助金で実質無料」「費用はあとから全額戻ります」と説明される。
  • キャッシュバックやポイントで自己負担を減らせると言われる。
  • 申請書を全部代わりに作ると言われ、GビズIDのパスワードを求められる。
  • 「今すぐ契約すれば補助金が出る」と急がされる。交付決定前の契約は対象外です。

創業手帳の報道によると、デジタル化・AI導入補助金では2026年9月10日に、IT導入支援事業者3社の登録取消が公表されました(創業手帳の記事)。持続化補助金の公募要領も、高額なアドバイス料金を請求する業者への注意を呼びかけています。第三者の支援を受けた場合は、相手と金額を申請書に記載する必要があり、記載がなければ不採択や交付決定の取消になります。

業者に確認する質問

補助金を理由に提案を受けたときは、次の4点を聞きます。答えが曖昧であれば、公式サイトと窓口で確かめるまで契約しないでください。

  • どの制度の第何回の公募で、公募要領のどの経費区分に当たりますか。
  • 不採択の場合、契約と費用はどうなりますか。
  • 発注は交付決定の後になる前提で、日程を組んでいますか。
  • 自己負担と立て替える額はいくらですか。

稟議に書くこと

社内で施策を通すときは、補助金を収入の前提にせず、別の行として書きます。稟議書には、制度名と公募回、対象と考える費用の範囲、窓口に確認した内容と日付、立て替える額と入金の予定時期、不採択のときの案を入れます。実施の可否は、補助金がない場合の費用対効果で判断できる形にしておくと、不採択でも計画を止めずに済みます。依頼する費用の目安は料金相場の記事、予算全体の組み方は年間予算計画の記事で確認できます。

参考記事:インフルエンサーマーケティングの稟議を通す提案資料の作り方

参考記事:インフルエンサー起用の料金相場【2026年完全ガイド】

補助金の条件は公募回ごとに変わります。本記事の内容は2026年11月4日時点の情報で、申請の前には必ず最新の公募要領を確認してください。少額で検証する場合の費用はBloomの料金でも確認できます。

本メディアは、審査制インフルエンサー30,000人のマッチングプラットフォーム『Bloom』(株式会社ハーマンドット)が運営しています。