インフルエンサーに紹介投稿を依頼して反響はあったのに、自社SNSアカウントのフォロワーはほとんど増えなかった――そんな経験はないでしょうか。インフルエンサー施策の効果は、投稿が流れてしまえばそこで途切れがちです。投稿を見た人を自社アカウントで受け止め、自社アカウントからはインフルエンサーの投稿やUGCへ案内する「相互送客」の動線があれば、一度きりの露出を継続的な関係に変えられます。この記事では、外部起用と自社アカウントの役割の整理から、投稿から公式アカウントへの動線、逆方向の動線、コラボ投稿・メンション・タグ付けの使い分け、素材を再活用するときの権利と範囲、フォロワー循環を作る投稿設計、ブリーフと契約の項目、効果測定の見方までを、発注企業のSNS担当者がそのまま使える形で整理します。
この記事の要点
- 相互送客とは、インフルエンサーの投稿から自社SNSアカウントへ、自社アカウントからインフルエンサーの投稿やUGCへと、フォロワーが行き来する動線を意図して設計することです。
- インフルエンサーの投稿だけでは接点が一度きりで終わりやすく、自社アカウントに「次に見る理由」を用意しておくことで、施策の効果を継続的な関係に変えられます。
- コラボ投稿は自社アカウントへの露出を最大化する手段、メンションとタグ付けは送客の入口を作る手段として使い分けます。
- 自社アカウントで素材を再活用するときは、媒体・期間・改変・広告利用の範囲を契約で決め、PR表記を引き継ぎます。
- 効果は「投稿経由のフォロー数」「プロフィールへのアクセス」「自社アカウント上の再接触」の3段階で見ると、どこで動線が切れているかを判断できます。
外部起用と自社アカウントの関係整理
インフルエンサー施策と自社SNSアカウントは、「新しい人に知ってもらう場」と「知った人との関係を続ける場」という役割の違う2つの場です。インフルエンサーの投稿は、まだ自社を知らないフォロワー層に届く力が強い一方で、投稿が流れてしまえば接点はそこで途切れます。自社アカウントは既存のフォロワーにしか届きにくい一方で、継続的に情報を届け続けられる場所です。この2つをつなぐ動線を持たないまま施策を行うと、投稿のたびにゼロから認知を取り直すことになります。
相互送客の定義
相互送客とは、インフルエンサーの投稿から自社アカウントへ、また自社アカウントからインフルエンサーの投稿やUGC(ユーザーが作るコンテンツ)へと、利用者が行き来する経路を意図して設計し、双方のフォロワーを循環させる取り組みです。一方通行の「投稿から購入ページへ送る」導線とは異なり、自社アカウントでのフォローや再接触を中間の受け皿として位置付ける点が特徴です。購入ページへ直接送る導線の作り方はインフルエンサー施策をEC売上につなげる導線設計で解説していますので、本記事ではフォロワーの循環に絞って整理します。
外部起用と自社運用の役割分担
外部起用と自社運用の役割は、到達する相手、信頼の源泉、接点の長さの3点で比べると整理しやすくなります。インフルエンサーは本人への共感を通じて新しい層に届き、自社アカウントは継続的な情報提供を通じて関係を深めます。どちらか一方に予算を寄せるのではなく、インフルエンサーで集めた関心を自社アカウントで受け止める設計にすると、同じ投稿本数でも施策の効果が長く残ります。
| 観点 | インフルエンサーの投稿 | 自社SNSアカウント |
|---|---|---|
| 主に届く相手 | 自社をまだ知らない本人のフォロワー | 既に自社をフォローしている人 |
| 信頼の源泉 | 本人の人柄や過去の発信への共感 | ブランドの一貫した情報提供 |
| 接点の長さ | 投稿が流れるまでの短期間 | フォローが続く限り継続 |
| 得意な役割 | 認知の拡大・第三者視点の紹介 | 比較検討の材料提供・再接触・ファン化 |
| 相互送客での位置付け | 自社アカウントへの入口 | 関心の受け皿と次の投稿への案内役 |
自社アカウントの準備状況を先に確認します
相互送客を始める前に、自社アカウントが受け皿として機能する状態かを確認します。プロフィール文で何のアカウントかが一目で分かるか、直近の投稿が止まっていないか、ハイライトや固定投稿に初めて来た人向けの案内があるか、の3点が最低限の条件です。インフルエンサーの投稿から移動してきた人は、数秒でフォローするかどうかを判断します。投稿が数か月止まっているアカウントに送客しても、フォローにはつながりにくいと考えてください。
相互送客で得られる効果と限界
相互送客で得られる主な効果は、インフルエンサー施策の効果を一過性で終わらせず、自社アカウントのフォロワーとして蓄積できることです。投稿経由で自社アカウントをフォローした人は、次の新商品やキャンペーンの告知を広告費をかけずに届けられる相手になります。インフルエンサーへの依頼費用を、単発の露出ではなく「将来も接触できる相手を増やす投資」として説明しやすくなる点も、社内での予算確保に役立ちます。
期待できる3つの効果
1つ目は、自社アカウントのフォロワー増加です。インフルエンサーのフォロワーのうち自社の商材に関心がある層が、公式アカウントを見に来てフォローします。2つ目は、比較検討の材料を自社アカウントで補えることです。インフルエンサーの投稿は1本で伝えられる情報量に限りがありますが、自社アカウントに使い方や成分、他の利用者の声をまとめておけば、関心を持った人が自分で詳しく調べられます。3つ目は、インフルエンサーの投稿そのものの信頼感が高まることです。自社アカウントが紹介投稿を引用したり、コメントに丁寧に返信したりすると、企業とインフルエンサーの関係が開かれたものに見えます。
相互送客だけでは解決しない課題
相互送客には限界もあります。自社アカウント自体に見る価値がなければ、どれだけ動線を整えてもフォローは定着しません。また、インフルエンサーのフォロワー層と自社の顧客層がずれている場合、送客した人が自社アカウントに来ても関心を持たずに離れてしまいます。フォロワー数が増えても、懸賞目的や義理でのフォローばかりでは、その後の投稿への反応は上がりません。相互送客は「良いアカウント」と「合うインフルエンサー」がそろって初めて機能する仕組みだと理解しておきましょう。
相互送客が機能する前提条件
- 自社アカウントが定期的に更新され、初めて来た人に何のアカウントかが伝わる状態になっている
- 起用するインフルエンサーのフォロワー層が、自社の想定顧客と重なっている
- フォローしてもらった後に届ける投稿の計画(少なくとも1か月分)がある
- PR表記と権利の取り決めが済んでおり、自社アカウントで投稿を紹介できる状態になっている
フォロワー数より「残る人」を目標にします
相互送客の目標は、フォロワーの純増数だけでなく、送客後に自社アカウントに残り、反応を続けてくれる人の数に置くのが適切です。プレゼント企画と組み合わせると一時的にフォロワーは大きく増えますが、企画終了後にフォローを外す人も多く、純増数だけでは実態を見誤ります。プレゼント企画を組み合わせる場合の設計はインフルエンサーのプレゼントキャンペーン依頼と当選設計を参考にしてください。
相互送客の動線設計(投稿から公式アカウントへ)
インフルエンサーの投稿から自社アカウントへの動線は、「名前を出す」「移動させる」「フォローする理由を渡す」の3段階で設計します。どれか1つでも欠けると、投稿を見た人が自社に関心を持っても、自社アカウントまでたどり着かないか、たどり着いてもフォローせずに離れてしまいます。
動線を作る投稿内の設置箇所
投稿内で自社アカウントへの入口になる場所は、画像や動画内のタグ付け、キャプション内のメンション、ストーリーズのメンションスタンプ、コラボ投稿の共同投稿者表示、プロフィールのリンク欄などです。設置箇所が多いほど入口は増えますが、すべてを指定するとインフルエンサーの投稿が広告のように見え、反応が落ちることがあります。商材と投稿形式に合わせて、主な入口を1つか2つに絞って依頼するのが現実的です。
| 設置箇所 | 自社アカウントへの移動のしやすさ | 見落とされにくさ | 向いている投稿形式 |
|---|---|---|---|
| 画像・動画内のタグ付け | 高い(タップで移動) | 中(タグを表示しないと見えない) | フィード投稿・カルーセル |
| キャプション内のメンション | 高い(タップで移動) | 中(「続きを読む」の中に隠れやすい) | フィード投稿・リール |
| ストーリーズのメンションスタンプ | 高い | 高い(画面に大きく表示) | ストーリーズ |
| コラボ投稿の共同投稿者表示 | 高い | 高い(投稿者名の欄に並ぶ) | フィード投稿・リール |
| 動画内での口頭紹介 | 低い(検索が必要) | 高い(音声で伝わる) | ショート動画・ライブ配信 |
フォローする理由を投稿内で渡します
自社アカウントに移動してもらっても、フォローする理由がなければ離脱します。効果的なのは、インフルエンサーの投稿内で「公式アカウントでは〇〇が見られる」と具体的な価値を一言添えてもらうことです。たとえば、使い方の動画をまとめている、季節ごとの限定情報を先に出している、他の利用者の使用例を紹介している、といった内容です。「公式アカウントもフォローしてね」という依頼文だけでは、理由が伝わらず反応は限定的になります。
移動先の自社アカウントで最初に見せるもの
送客した人が最初に目にするのは、プロフィール文、ハイライト、固定投稿、直近の数投稿です。施策期間中は、固定投稿にインフルエンサーの紹介と連動した内容(商品の詳しい説明や使い方など)を置き、ハイライトに「はじめての方へ」のような案内をまとめておきます。インフルエンサーの投稿で興味を持った人が、移動先で同じ商品の続きの情報に出会えるようにすると、フォローまでの距離が縮まります。
公式アカウントからインフルエンサー投稿・UGCへの動線
自社アカウントからインフルエンサーの投稿やUGCへ送る逆方向の動線は、自社のフォロワーに第三者の声を届け、購入前の不安を減らすために設計します。企業の発信だけでは「宣伝」として受け取られやすい情報も、実際に使った人の投稿として紹介すれば説得力が増します。この逆方向の動線があることで、インフルエンサー側にも自社アカウントのフォロワーが流れ、双方向の関係が成立します。
インフルエンサー投稿を自社アカウントで紹介する方法
紹介の方法は、ストーリーズでのシェア、フィードでの再投稿(リポスト)、ハイライトへの保存、紹介まとめ投稿の作成などがあります。ストーリーズでのシェアは手軽で、元の投稿へのリンクが付くため、インフルエンサー側への送客にもなります。ハイライトに「使ってくれた方の声」のようにまとめておけば、施策期間が終わった後も新しく来た人に見てもらえます。元の投稿を画像として保存して再投稿する場合は、二次利用の許諾が必要になる点に注意してください。
UGCを集めて紹介する仕組み
インフルエンサーの投稿をきっかけに一般の購入者が投稿したUGCも、自社アカウントで紹介できる重要な素材です。専用ハッシュタグを決め、インフルエンサーの投稿内でも使ってもらうと、UGCを探しやすくなります。紹介する際は投稿者に事前に許可を取り、紹介した旨をコメントやメッセージで伝えると、投稿者との関係づくりにもつながります。ハッシュタグの決め方はインフルエンサー施策の専用ハッシュタグ設計と運用ルール、UGC全体の活用法はUGCマーケティングの活用法と二次利用の進め方で詳しく解説しています。
コメント欄での関わり方
自社アカウントからインフルエンサーの投稿にコメントすることも、逆方向の動線になります。投稿へのお礼や、フォロワーからの質問への補足を公式アカウントとしてコメントすると、コメント欄を見た人が自社アカウントに気付きます。ただし、宣伝色の強いコメントや、同じ文面のコメントを複数の投稿に残すと、インフルエンサーのフォロワーから不自然に見られます。コメントは1投稿に1件、内容に即した一言にとどめましょう。
コラボ投稿・メンション・タグ付けの使い分け
コラボ投稿は自社アカウントへの露出を最大化したいとき、メンションとタグ付けは送客の入口を確保したいときに使うのが基本の使い分けです。3つは似ていますが、表示される場所、自社アカウントに残るかどうか、投稿の主導権がどちらにあるかが異なります。目的と商材に合わせて選び、依頼書に明記しておくことで、投稿後の「思っていた形と違う」を防げます。
3つの手法の違い
Instagramのコラボ投稿は、1つの投稿を複数のアカウントが共同投稿者として公開する機能で、投稿が双方のプロフィールに表示され、いいねやコメントも共有されます。メンションはキャプションやストーリーズで「@アカウント名」を記載する方法、タグ付けは画像や動画の中に相手のアカウントを表示する方法で、どちらも投稿自体はインフルエンサーのアカウントにのみ残ります。なお、機能の仕様や共同投稿者の上限数はプラットフォーム側で変更されることがあるため、2026年10月時点の内容として、実施前に各SNSの公式ヘルプで確認してください。
| 手法 | 自社アカウントへの表示 | 送客の強さ | 主な注意点 | 向いている目的 |
|---|---|---|---|---|
| コラボ投稿 | 自社のプロフィールにも投稿が並ぶ | 強い(双方のフォロワーに表示) | 承認の手順が必要・自社アカウントの世界観と合うかを確認 | 自社アカウントのフォロワー増・新商品の告知 |
| メンション(キャプション) | 表示されない(通知のみ) | 中 | 「続きを読む」の中に隠れない位置に書いてもらう | 認知拡大と並行して入口を作る |
| メンション(ストーリーズ) | 自社がシェアすれば表示 | 中〜強い(24時間限定) | 期限後は見られないためハイライト保存を依頼 | 短期のキャンペーン告知 |
| タグ付け(画像・動画内) | 自社の「タグ付けされた投稿」欄に表示 | 中 | タグ付け投稿の表示設定を自社側で確認 | 商品紹介の積み上げ・指名検索の受け皿 |
コラボ投稿を選ぶときの判断基準
コラボ投稿は自社アカウントのフィードにもそのまま並ぶため、投稿の内容が自社アカウントの世界観に合っているかを事前に確認する必要があります。インフルエンサーらしさを優先した投稿が自社のフィードで浮いてしまうこともあるため、撮影の方向性や色味を事前にすり合わせておくと安心です。また、コラボ投稿の申請を自社アカウントで承認する手順が必要なため、承認者と承認のタイミングを社内で決めておきます。承認が遅れると、公開直後の反応が集まりやすい時間帯を逃してしまいます。
PR表記はどの手法でも必須です
どの手法を選んでも、企業が依頼した投稿である以上、PR表記が必要です。2023年10月1日に施行された景品表示法の指定告示(いわゆるステマ規制)では、広告であることが一般の消費者に分かりにくい表示が不当表示とされ、責任は広告主である企業が負います。コラボ投稿で自社アカウントが共同投稿者になっていても、それだけで広告であることが十分に伝わるとは限らないため、「#PR」などの表記やプラットフォームのタイアップ投稿ラベルを併用してください。表記の位置や方法はステマ規制とは?景表法対応と#PR表記の実務ガイドで確認できます。
自社アカウントで再活用する素材の権利と範囲
インフルエンサーの投稿素材を自社アカウントで再活用するには、利用する媒体・期間・改変の可否・広告利用の有無を事前に契約で決めておく必要があります。ストーリーズでの単純なシェアのように元の投稿を引用する形であれば問題になりにくい一方、画像や動画をダウンロードして自社の投稿として公開する場合は、著作権や肖像権の許諾が必要です。施策の後になって許諾を取ろうとすると、追加費用の交渉や断られるリスクが生じます。
再活用の形ごとに必要な許諾
自社アカウントでの再活用は、元の投稿へのリンクが残るかどうかで、必要な許諾の重さが変わります。元の投稿を引用する形は投稿者の名前と投稿が一緒に表示されるため、本人の同意の範囲が分かりやすく、トラブルになりにくい方法です。素材を取り出して編集し、自社の投稿や広告として使う場合は、改変の範囲や利用期間を明確にしておかなければなりません。
| 再活用の形 | 必要な取り決め(想定例) | PR表記の扱い | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ストーリーズでのシェア | 事前の了承(契約で包括的に定めておく) | 元投稿の表記が表示される | 24時間で消えるためハイライト保存の可否も確認 |
| リポスト機能での再投稿 | 事前の了承 | 元投稿の表記が表示される | 投稿者名が明示されることを確認 |
| 素材を保存して自社投稿として公開 | 二次利用の許諾(媒体・期間・クレジット表記) | 自社投稿にも依頼投稿である旨を明記 | 投稿者のクレジットを入れる位置を決める |
| 素材を編集して自社投稿に使用 | 二次利用と改変の許諾 | 同上 | 切り取り方で発言の意図が変わらないか確認 |
| 自社アカウントからの広告配信 | 広告利用の許諾(配信期間・費用の扱い) | 広告として配信される | 追加報酬が必要になることが多い |
契約に入れておく4つの項目
契約や依頼書には、利用する媒体(自社のInstagram、TikTok、X、公式サイトなど)、利用期間(公開から6か月、1年など)、改変の範囲(トリミング、テロップの追加、尺の短縮など)、広告利用の可否と費用の扱いの4項目を最低限記載します。利用期間が終わった後に自社アカウントの過去投稿をどう扱うか(削除するのか、そのまま残してよいのか)も、あらかじめ決めておくと後で揉めません。権利の考え方の詳細はインフルエンサー投稿の肖像権・著作権対応と二次利用の範囲で解説しています。
映り込みと音源の確認
素材に第三者の顔や他社の商品、楽曲が含まれている場合は、インフルエンサー本人の許諾だけでは足りないことがあります。特にショート動画で使われている音源は、インフルエンサーのアカウントでは使えても、企業アカウントでは利用できる音源が制限される場合があります。素材を自社アカウントに載せる前に、映り込みと音源を確認する工程を入れておきましょう。インフルエンサーの投稿を広告として配信する場合の手順はホワイトリスト広告の仕組みと始め方を実務フローで解説が参考になります。
フォロワー循環を作る投稿設計
フォロワーの循環は、インフルエンサーの投稿と自社アカウントの投稿を同じ時間軸で計画し、「予告→紹介→受け皿→再接触」の順番で配置することで生まれます。投稿を個別に作るのではなく、1つの施策の中で両方のアカウントが果たす役割を決めておくと、送客された人が自社アカウントで次の情報に出会えるようになります。
施策期間の投稿スケジュールの組み方
基本の流れは、自社アカウントでの予告、インフルエンサーによる紹介投稿、自社アカウントでの紹介投稿のシェアと詳しい情報の発信、一定期間後の再接触の投稿、という4段階です。インフルエンサーの投稿日に合わせて自社アカウントの固定投稿やハイライトを更新し、投稿から数日のうちに自社アカウントで関連する投稿を出しておくと、移動してきた人がすぐに新しい情報を目にできます。投稿のタイミングの考え方はPR投稿のタイミング設計と投稿日を分散させる考え方も参考になります。
| 段階 | 時期の目安(想定例) | インフルエンサー側 | 自社アカウント側 |
|---|---|---|---|
| 予告 | 紹介投稿の3〜7日前 | なし(または「近日紹介予定」のストーリーズ) | 新商品・企画の予告投稿、固定投稿の更新 |
| 紹介 | 投稿日 | 紹介投稿(コラボ投稿・メンション・タグ付け) | コラボ投稿の承認、ストーリーズでのシェア |
| 受け皿 | 投稿から1〜3日 | コメントへの返信、ストーリーズでの補足 | 使い方・詳細情報の投稿、ハイライトへの保存 |
| 再接触 | 投稿から2〜4週間 | 使用後の感想投稿(契約に含める場合) | UGCの紹介、関連商品や次の企画の告知 |
複数のインフルエンサーで循環を回す方法
複数のインフルエンサーを起用する場合は、投稿日を少しずつずらすと、自社アカウントへの流入が一度に集中せず、受け皿の投稿を順番に更新しやすくなります。また、自社アカウントで「〇〇さんの紹介投稿」を順に取り上げると、あるインフルエンサーのフォロワーとして来た人が、別のインフルエンサーの投稿に移動するという横の循環も生まれます。異なるフォロワー層を持つ人を組み合わせるほど、自社アカウントを中心にした循環が広がります。
施策後も関係を続ける投稿
施策期間が終わった後も、インフルエンサーとの関係が続いていることを自社アカウントで見せると、フォロワーの信頼につながります。継続して商品を使ってもらっている様子の紹介、新商品の先行体験、インフルエンサーと自社担当者の対談などが例です。長期的な起用の進め方はインフルエンサーの継続起用と長期契約の設計・運用ガイドで、ファンが集まる場の作り方はインフルエンサー施策でファンコミュニティを育てる進め方で詳しく解説しています。
依頼時のブリーフと契約に入れる項目
相互送客を確実に実行するには、送客に関わる指定をすべてブリーフ(依頼書)と契約に書き込むことが必要です。「公式アカウントもタグ付けしてください」と口頭で伝えるだけでは、タグを付ける場所や表記の形がインフルエンサーによってばらばらになり、計測もしにくくなります。依頼の段階で具体的に決めておくほど、投稿後の修正依頼が減り、インフルエンサー側の負担も軽くなります。
ブリーフに書く送客関連の項目
ブリーフには、使う手法(コラボ投稿・メンション・タグ付けのどれか)、メンションの位置(キャプションの冒頭何行目以内か)、紹介してほしい自社アカウントの価値(フォローすると何が見られるか)、使用するハッシュタグ、ストーリーズのハイライト保存の可否を記載します。一方で、言い回しや構成まで細かく指定すると、インフルエンサーらしさが失われて反応が落ちます。送客の要素は「必須」、表現は「任意」と分けて書くと、自由度と確実性のバランスが取れます。
送客関連ブリーフのチェックリスト
- 使用する手法(コラボ投稿/メンション/タグ付け)と、その組み合わせ
- 自社アカウント名の正確な表記と、メンションを入れる位置
- フォローする理由として伝えてほしい自社アカウントの価値(1つに絞る)
- 専用ハッシュタグとPR表記の位置
- ストーリーズのハイライト保存と、自社アカウントでのシェアの可否
- コラボ投稿の場合は、申請のタイミングと自社側の承認者
契約で決めておく項目
契約では、自社アカウントでの紹介や再投稿の可否、二次利用の範囲と期間、コラボ投稿を削除・アーカイブする場合のルール、投稿の掲載期間を定めます。コラボ投稿は双方のアカウントに表示されるため、どちらか一方が削除すると相手のアカウントからも消える場合があります。施策終了後もしばらく自社アカウントに残したい場合は、掲載期間を契約に入れておく必要があります。契約書全体の作り方はインフルエンサー契約書の作り方と必須チェック項目で解説しています。
インフルエンサー側の利点も伝えます
相互送客はインフルエンサー側にとっても、自社アカウント経由で新しいフォロワーと出会える機会です。自社アカウントで紹介投稿をシェアすること、ハイライトに残すこと、施策後も紹介を続けることを事前に伝えると、送客の指定を前向きに受け止めてもらいやすくなります。企業側だけが得をする依頼ではなく、双方のアカウントが育つ取り組みであることを説明しましょう。
効果測定の見方
相互送客の効果は、「投稿経由で自社アカウントに来た人の数」「そのうちフォローした人の数」「フォロー後に自社アカウントで反応を続けている人の数」の3段階で測ります。最終的な売上だけを見ると、どこで動線が切れているかが分かりません。段階ごとに数字を並べることで、改善すべき箇所が投稿の中なのか、自社アカウントの受け皿なのかを判断できます。
段階ごとの主な指標
Instagramでは、自社アカウントのインサイトでプロフィールへのアクセス数やフォロワーの増減を確認でき、コラボ投稿であれば投稿ごとのフォロー数も確認できる場合があります(2026年10月時点の仕様に基づく一般的な説明で、表示項目はプラットフォームの更新で変わることがあります)。インフルエンサーの投稿のインサイトは本人のアカウントでしか見られないため、投稿から一定期間後にスクリーンショットで共有してもらう約束をしておきます。
| 段階 | 主な指標 | 確認する場所 | 数字が低いときに疑う原因 |
|---|---|---|---|
| 1. 送客 | 自社プロフィールへのアクセス数、メンション・タグからのタップ数 | 自社アカウントのインサイト、インフルエンサーから共有されたインサイト | 入口が目立たない、フォロワー層のずれ |
| 2. フォロー | 施策期間のフォロワー純増数、コラボ投稿経由のフォロー数 | 自社アカウントのインサイト | プロフィールや固定投稿で価値が伝わらない |
| 3. 定着 | 新規フォロワーの1か月後の残存、保存・コメント・ストーリーズ閲覧数 | 自社アカウントのインサイト(期間比較) | 送客後の投稿計画がない、懸賞目的のフォロー |
| 4. 逆方向の送客 | 自社アカウントでシェアした投稿からのタップ数 | 自社ストーリーズのインサイト | シェアの頻度・紹介文が弱い |
| 5. 成果 | 指名検索の増加、公式サイトへの流入、購入 | 検索ツール、アクセス解析 | 購入ページへの導線が弱い |
施策前後の比較の仕方
フォロワー数の変化は、施策がなくても日々増減するため、施策前の同じ長さの期間と比べて評価します。たとえば施策前4週間の平均的な純増数を基準にし、施策期間の純増数がどれだけ上回ったかを見ます。複数のインフルエンサーを起用した場合は、投稿日ごとのフォロワー増加を並べると、誰の投稿が送客に効いたかの目安になります。公式サイトへの流入まで追う場合は、投稿ごとに異なるUTMパラメータを付けたリンクを使うと、経路を区別できます。設定方法はインフルエンサー施策のUTMパラメータ設定と流入計測の手順を参照してください。
数字を次の施策に反映します
測定結果は、次の起用先の選定と自社アカウントの改善の両方に使います。送客の数字が良かったインフルエンサーは継続起用の候補になり、フォローまで進まなかった場合は自社アカウントのプロフィールや固定投稿を見直します。定着の数字が低い場合は、送客後の投稿計画が足りていないサインです。施策ごとに同じ形式の表で記録しておくと、半年ほどで自社に合う手法とインフルエンサーの傾向が見えてきます。
よくある失敗と対策
相互送客で多い失敗は、自社アカウントの準備不足、送客の指定のあいまいさ、施策後の放置の3つです。いずれもインフルエンサーの投稿の質とは関係なく、企業側の準備で防げるものです。以下に、想定例として典型的な失敗と対策をまとめます。
受け皿が整っていない
想定例として、A社がインフルエンサー5名に新商品の紹介を依頼したものの、自社アカウントは2か月前の投稿が最後で、プロフィールにも新商品の情報がなかったケースを考えます。投稿からプロフィールへのアクセスは増えても、フォローにはほとんどつながりません。対策は、施策開始の2週間前までに自社アカウントの投稿を再開し、固定投稿とハイライトを施策に合わせて更新しておくことです。
メンションが見つけにくい
メンションがキャプションの末尾に、多数のハッシュタグと一緒に並んでいると、ほとんどの人は気付きません。対策は、ブリーフでメンションの位置を「キャプションの冒頭3行以内」のように具体的に指定することです。ストーリーズであればメンションスタンプを使ってもらい、画面内で見やすい大きさにしてもらうよう依頼します。
施策後に自社アカウントが止まる
施策期間中は自社アカウントも積極的に投稿していたのに、施策が終わった途端に更新が止まり、せっかく増えたフォロワーが離れていくケースもよくあります。対策は、施策の企画段階で施策後1か月分の投稿計画まで作っておくことです。UGCの紹介や使い方の解説など、インフルエンサーの投稿をきっかけに作れる素材を事前にリストにしておくと、更新が途切れにくくなります。
Bloomのプラットフォーム視点での補足
- 相互送客の成否は、自社の想定顧客とフォロワー層が重なるインフルエンサーを選べるかで大きく変わります。
- 候補を比較する段階で、ジャンルやフォロワー層に加えて、コラボ投稿やメンションへの対応可否を案件の条件として示しておくと、応募後のすり合わせが減ります。
- 投稿後の数字を案件ごとに記録しておくと、次回の起用先選定と自社アカウント改善の両方に使えます。
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