家事代行やハウスクリーニングは、多くの人が存在を知っていながら実際に頼んだことがない、いわば「最初の1回」の壁が高いサービスです。形がなく、他人を自宅に招く不安もあるため、商品を届けて紹介してもらう通常のインフルエンサー施策の型では成果につながりにくい面があります。この記事では、家事代行・ハウスクリーニングのインフルエンサー活用について、サービス別の訴求、向いている発信者の選び方、ビフォーアフター表現の注意点、初回お試しから定期利用へつなげる予約導線、共働き層に届く利用シーンの発信、自宅撮影のプライバシー配慮、需要期の設計、費用と成果指標までを2026年10月時点の実務目線で整理しました。

この記事の要点

  • 家事代行・ハウスクリーニングのインフルエンサー活用は、形のないサービスを「頼む前と後の暮らしの変化」として見せ、初回お試しの予約につなげる施策です。
  • 2026年10月時点でも家事支援サービスの利用経験者は少数にとどまるため、最大の壁は「知らない人を家に入れる不安」であり、実際に依頼した人の体験談がその不安を下げる役割を担います。
  • 向いている発信者は、共働き・子育て・暮らし系のアカウントで、フォロワー数よりも生活圏とサービス提供エリアの一致が重要です。
  • 成果は初回予約数だけでなく、2回目予約率と定期契約への移行率まで追うと、継続利用で回収するビジネスの採算を正しく判断できます。
  • 自宅で撮影するため、住所が特定される写り込みやスタッフの肖像、ビフォーアフター表現の誇張、#PR表記について事前に取り決めておく必要があります。

家事代行・ハウスクリーニングのインフルエンサー活用とは

家事代行・ハウスクリーニングのインフルエンサー活用とは、掃除・料理・整理収納・エアコンや水回りの専門清掃などのサービスを、生活発信をしているインフルエンサーに実際に利用してもらい、その体験を投稿として発信してもらう施策のことです。モノを届ける商品紹介と違い、サービスそのものは画面に映らないため、「依頼する前の状態」「当日のスタッフの動き」「終わった後に生まれた時間や気持ちの変化」を組み合わせて伝える設計が欠かせません。

利用経験者がまだ少ない市場であること

経済産業省の委託により実施された令和4年度の調査では、家事支援サービスの利用割合は1.8%にとどまると報告されています。2024年2月に株式会社日本総合研究所がまとめた「家事支援サービス業の実態把握・活用推進に係る調査」でも、価格への抵抗感や他人を家に入れることへの心理的な抵抗、サービス内容が分かりにくいことが利用の壁として挙げられています。つまり、家事代行は「知っているけれど使ったことがない」人が大多数の市場であり、最初の1回を頼んでもらうまでの心理的な距離を縮めることが、集客の中心課題になります。

一方で、矢野経済研究所が2024年に公表した住まいと生活支援サービスに関する調査では、家事代行やハウスクリーニングを含む主要5分野の2023年度市場規模が前年度比104.2%の5,633億円と推計されており、潜在的な利用意向が顕在化しつつあると指摘されています。需要は育っているものの、利用への一歩を後押しする情報がまだ足りていない状態だといえます。

共働き世帯の増加と時間を買う発想

労働政策研究・研修機構が総務省「労働力調査(詳細集計)」をもとに紹介しているデータでは、2024年の共働き世帯は1,300万世帯、専業主婦世帯は508万世帯で、共働き世帯が大きく上回っています。家事の時間を外部に任せて家族との時間や休息に充てる、いわゆる「時間を買う」という考え方は、共働きの子育て世帯を中心に少しずつ受け入れられてきました。ただし、この価値観は広告のコピーだけでは伝わりにくく、同じ立場の生活者が「頼んでみたら週末に余裕ができた」と語ることで、初めて自分ごととして受け止められます。

他業種のインフルエンサー施策との違い

家事代行・ハウスクリーニングの施策は、サービスが無形であること、撮影場所が発信者の自宅であること、売上の大半が継続利用から生まれることの3点で他業種と異なります。美容室やジムも来店型のサービスですが、家事代行は事業者のスタッフが利用者の家に入るため、信頼とプライバシーの配慮がより強く求められます。来店型サービスの予約導線については美容室・サロンのインフルエンサー集客と予約導線の作り方も参考になります。

サービス別に見る訴求ポイントの違い

訴求ポイントはサービスの種類によって大きく変わり、定期型の家事代行は「暮らしの変化」、スポット型のハウスクリーニングは「仕上がりの差」を中心に見せるのが基本です。同じ「家事のプロに頼む」サービスでも、利用頻度と購入の動機が違うため、投稿の型を分けて設計します。

定期型の家事代行(掃除・料理・洗濯)

週1回や隔週で依頼する定期型の家事代行は、1回の仕上がりよりも「頼むようになって生活がどう変わったか」が訴求の中心です。平日の夜に疲れて帰っても部屋が整っている、作り置きのおかげで夕食の準備が10分で終わる、といった具体的な場面の描写が共感を生みます。料理代行であれば、冷蔵庫に並んだ作り置きの品数や、子どもが食べた様子を見せると伝わりやすくなります。

スポット型のハウスクリーニング

エアコン、換気扇、浴室、キッチンなどのハウスクリーニングは、年末の大掃除前や梅雨前、引っ越し前後といった明確なきっかけで依頼される商材です。仕上がりの差が目で見て分かるため、ビフォーアフターの写真や短尺動画と相性が良く、作業工程を見せることで「自分ではここまでできない」という納得感が生まれます。ただし、写真の撮り方次第で差を誇張できてしまうため、後述する表現上の注意が特に重要になります。

整理収納・作り置き・特化型サービス

整理収納サービスや作り置き専門の料理代行、産前産後の家事サポートなどの特化型サービスは、利用者の悩みが具体的なぶん、発信者自身の状況と重なると強い反応が得られます。産後の家事サポートであれば、出産を控えた発信者や乳幼児を育てている発信者に依頼するのが自然です。子育て層の発信者への依頼の配慮点はママインフルエンサー起用の選び方と費用・依頼の配慮点で詳しく解説しています。

サービスの種類主な訴求ポイント依頼のきっかけ相性の良い投稿形式
定期型の家事代行(掃除・洗濯)生まれた時間、平日の余裕共働き・育児・介護との両立リール、ストーリーズ、生活記録の連載
料理代行・作り置き品数、家族の反応、食費との比較平日の夕食づくりの負担フィード投稿(カルーセル)、リール
ハウスクリーニング仕上がりの差、作業工程大掃除、梅雨前、引っ越しビフォーアフターのリール、YouTube
整理収納サービス収納の変化、片付けの続けやすさ模様替え、子どもの成長、住み替えカルーセル、ルームツアー動画
産前産後の家事サポート体の負担の軽さ、家族の安心出産前後、里帰りなしの育児ストーリーズ、ブログ、リール

向いているインフルエンサー像と選定の基準

家事代行に向いているのは、共働き・子育て・暮らし系の発信をしていて、日常の家事の悩みを普段から投稿している人です。フォロワー数の大きさよりも、フォロワーの生活状況がサービスのターゲットと重なっているか、そしてサービスの提供エリアに住んでいるかが成果を左右します。

共働き・子育て・暮らし系の発信者

普段から「平日の時短家事」「ワーママの1日」「片付けが苦手」といったテーマで発信している人は、家事代行を頼む理由を自然に語れます。家事代行を使ったことがない人が「初めて頼んでみた」と発信する形は、同じように迷っているフォロワーの背中を押す効果があります。反対に、すでに完璧に家が整っている暮らし系アカウントだと、ビフォーの姿が想像しにくく、訴求が伝わりにくい場合があります。

サービス提供エリアとの一致

家事代行やハウスクリーニングは、スタッフが訪問できる範囲でしか提供できない地域限定のサービスです。全国に分散したフォロワーへ届いても、エリア外の人は予約できません。候補を選ぶ段階で、発信者の居住地とフォロワーの居住地の分布を確認し、提供エリアとの重なりが大きい人を優先してください。地域密着型の選び方はローカルインフルエンサーで地方の店舗集客を設計する方法でも整理しています。

フォロワー規模とプラットフォームの選び方

2026年10月時点では、1万〜5万人規模のマイクロ層と、数千人規模のナノ層を組み合わせる設計が家事代行と相性の良い構成です。暮らし系の発信はフォロワーとの距離が近く、コメントやDMで「どこの会社ですか」「料金はいくらでしたか」と質問が集まりやすいためです。プラットフォームはInstagramを軸に、ビフォーアフターや作業工程を見せる短尺動画にはTikTokやYouTubeショートを、詳しい体験談にはブログやYouTubeの長尺動画を組み合わせます。

確認項目見るべきポイント優先度
発信テーマ時短家事・育児・暮らしの悩みを日常的に投稿しているか高
居住地とフォロワーの地域サービス提供エリアとの重なりがあるか高
家族構成と住まいターゲット世帯(共働き・子育て等)と重なるか高
家事代行の利用歴競合サービスを継続利用していないか中
自宅の撮影方針住所が分かる写り込みや子どもの顔の扱いに配慮しているか中
コメント欄の質サービスについての具体的な質問が集まるか中

無形サービスを伝える投稿設計とビフォーアフター表現

無形サービスを伝える投稿は、「依頼前の悩み」「当日の様子」「依頼後の変化」の3場面で構成するのが基本です。仕上がりの写真だけでは他社との差が伝わりにくいため、スタッフの対応や依頼の手軽さといったプロセスの情報を必ず入れてもらいます。

依頼前・当日・依頼後の3場面構成

依頼前の場面では、片付かないリビングや手が回らない水回りなど、発信者自身が抱えていた悩みを率直に語ってもらいます。当日の場面では、予約から訪問までの流れ、スタッフとのやり取り、作業中に自分が何をしていたかを見せます。依頼後の場面では、仕上がりに加えて「その日の夜にゆっくり食事ができた」「子どもと公園に行けた」など、生まれた時間の使い方を描写すると、サービスの価値が具体的に伝わります。

ビフォーアフター表現の注意点

ビフォーアフターは家事代行・ハウスクリーニングで最も反応が取りやすい表現ですが、撮影条件をそろえないと実際以上の差に見えてしまいます。照明や撮影角度、画像の加工度合いを前後で変えない、汚れをわざと増やした状態をビフォーとして使わない、といったルールを事前に共有してください。また「新品同様に」「どんな汚れも落ちる」といった断定的な表現は、実際のサービス内容と異なる場合に景品表示法の優良誤認表示に当たるおそれがあります。素材や汚れの状態によって落ちない場合があることを添えるよう依頼するのが安全です。

スタッフの人柄と安心感の見せ方

家事代行の利用をためらう理由の多くは「どんな人が来るか分からない」という不安です。そのため、スタッフの丁寧な対応や、事前のヒアリング、鍵の扱い、作業後の報告といった安心材料を投稿に含めてもらうと効果的です。ただし、スタッフの顔や名前を出す場合は本人の同意が必要です。事業者側で、顔出しに同意したスタッフを担当につけるか、手元や後ろ姿だけで撮影するかを事前に決めておきましょう。

ビフォーアフター撮影の共有ルール例

  • 前後で同じ場所・同じ角度・同じ照明条件で撮影してください。
  • 汚れを強調するフィルターや、仕上がりを明るく見せる加工は使わないでください。
  • 「必ず落ちる」「新品同様」などの断定表現は避け、実際に感じた変化の言葉で伝えてください。
  • スタッフの顔・名札は、事前に同意を得たスタッフ以外は写さないでください。
  • 投稿の冒頭またはキャプションの最初に#PRなどの広告表記を入れてください。

初回お試しから定期利用へつなげる予約導線

家事代行の施策で最も重要なのは、投稿を見た人を初回お試しに誘導し、さらに2回目以降の定期利用へ移行させる導線を事前に設計しておくことです。初回の予約が多く入っても、そのまま1回で終わってしまえば、獲得単価を回収できない場合があります。

初回お試しプランの設計

投稿の受け皿としては、時間と料金が分かりやすい初回お試しプランを用意するのが効果的です。家事代行は「何をどこまで頼めるか分からない」ことが不安の一因なので、「2時間でリビングとキッチンと浴室」「作り置き5品」のように、頼める範囲を具体的に示します。発信者専用のクーポンコードや専用予約URLを発行すると、どの投稿から予約が入ったかを把握できます。クーポンの設計はインフルエンサー施策のクーポンコード設計と利用数の測り方が参考になります。

2回目予約と定期契約への移行設計

初回利用後の定期化は、インフルエンサーの投稿だけでなく、事業者側の後追いの仕組みで決まります。初回訪問の当日中にお礼と次回の提案を送る、初回から一定期間内に定期契約へ切り替えると特典が付く、同じスタッフを指名できる、といった仕組みを用意しておくと、投稿で生まれた関心を継続利用につなげやすくなります。発信者にも、可能であれば2回目以降の利用の様子を後日投稿してもらうと、「続けて使っている」こと自体が信頼の証拠になります。

定期利用を前提とした採算の考え方

家事代行は継続課金型のビジネスに近く、施策の採算は初回の売上ではなく、定期化した顧客が平均何か月続くかで判断します。たとえば想定ケースとして、初回お試しの獲得単価が1件1万5,000円でも、定期契約に移った顧客が月2回・半年継続するなら、その利益で十分に回収できる可能性があります。反対に、定期化率が極端に低い場合は、投稿の内容よりも初回訪問後のフォローに課題があると考えられます。継続課金型商材の採算の考え方はサブスク商材のインフルエンサー施策とLTV基準の採算設計で詳しく解説しています。

導線の段階事業者側で用意するもの確認する指標
認知・興味投稿内容の方向性、ハイライトへの保存保存数、プロフィール遷移、質問DM
初回予約初回お試しプラン、専用クーポン、専用予約URLクーポン利用数、予約完了数
初回訪問事前ヒアリング、作業後の報告、当日のお礼連絡満足度、キャンセル率
2回目予約次回提案、期間限定の切り替え特典2回目予約率
定期契約スタッフ指名、定期プランの割引定期移行率、継続月数

共働き層に届く利用シーンの発信

共働き層への訴求は、家事代行を「ぜいたく」ではなく「家族の時間をつくる手段」として見せる利用シーンの発信が軸になります。同じサービスでも、どの場面で使ったかの描写によって、受け手が自分ごととして感じられるかどうかが変わります。

平日の夜と週末の使い方

共働き世帯に響きやすいのは、平日夜の負担を減らす使い方と、週末の時間を取り戻す使い方です。平日の日中に掃除を済ませてもらい帰宅したら部屋が整っている場面や、土曜の午前中に作り置きを頼んで午後は家族で出かける場面は、多くの共働き世帯が抱える「休日が家事で終わる」悩みに直接応えます。発信者の実際の生活リズムに合わせて、自然な利用シーンを選んでもらいましょう。

家族の会話と価値観の変化

家事代行の利用には、夫婦間での合意や「人に頼むのは手抜きでは」という葛藤が伴うことがあります。この迷いや家族との話し合いを率直に語ってもらう投稿は、同じ立場のフォロワーから強い共感を集めます。パートナーの感想や、家事の分担をめぐる会話の変化を紹介してもらうのも有効です。ただし、家族の意見を事業者が代筆したり、事実と異なる感想を書かせたりすることは避けてください。

季節の行事とライフイベント

利用シーンの発信は、季節の行事やライフイベントと組み合わせると予約のきっかけになりやすくなります。年末の大掃除、梅雨前のエアコン掃除、新学期の慌ただしい時期、出産前後、引っ越しや親の来訪前などは、家事代行やハウスクリーニングを検討する人が増えるタイミングです。年間の需要の山に合わせた投稿時期の考え方は、次の章で整理します。

自宅撮影のプライバシー配慮と安全対策

家事代行の施策では、撮影場所が発信者の自宅になるため、プライバシーと安全への配慮を事業者側から主導して決めておく必要があります。発信者本人が気をつけていても、作業工程の動画や部屋全体を映す投稿では、想定外の情報が写り込みやすくなります。

住所や生活情報が特定される写り込み

窓の外の景色、玄関まわり、郵便物や宅配伝票、子どもの持ち物に書かれた名前や学校名、カレンダーの予定などは、住所や生活パターンの特定につながる情報です。撮影前に写り込みの確認リストを共有し、投稿前に事業者側でも確認すると安全です。また、訪問日時がリアルタイムで分かる投稿は、留守の時間帯を推測される原因になるため、投稿は訪問日から数日ずらす運用をおすすめします。

スタッフと家族の肖像の扱い

スタッフの顔や名札、作業中の姿は、本人の同意がない限り写さないのが原則です。発信者の子どもや家族が写る場合の扱いも、事前に本人と取り決めておきます。投稿の二次利用を予定している場合は、写っている人全員の同意の範囲と、利用期間・媒体を契約書に明記しておきましょう。肖像権や二次利用の考え方はインフルエンサー投稿の肖像権・著作権対応と二次利用の範囲で詳しく解説しています。

鍵の預かりと個人情報の管理

留守中の作業を伴うサービスでは、鍵の預かり方や作業中の連絡方法を、インフルエンサーにも一般の利用者と同じ手順で体験してもらうことが大切です。特別扱いの対応を撮影すると、実際のサービスと異なる印象を与えてしまいます。また、発信者の住所や家族構成などの個人情報は、施策に必要な担当者だけが扱うよう社内で管理してください。

自宅撮影の写り込み確認リスト

  • 窓の外の景色や建物、玄関の表札・部屋番号が映っていないか確認してください。
  • 郵便物、宅配伝票、書類、カレンダーなど文字情報が映っていないか確認してください。
  • 子どもの持ち物の名前、学校名、制服など所属が分かるものがないか確認してください。
  • 同意のないスタッフの顔・名札が映っていないか確認してください。
  • 投稿日時が訪問日のリアルタイムになっていないか確認してください。

年間の需要期と投稿タイミングの設計

家事代行・ハウスクリーニングの需要は、年末の大掃除期と、梅雨前のエアコンクリーニング期に大きな山があります。予約が埋まりやすい時期に合わせて施策を組むと、投稿の反応が予約につながりやすくなる一方、繁忙期は訪問枠そのものが足りなくなる点にも注意が必要です。

主な需要期と投稿の時期

ハウスクリーニングは11〜12月の大掃除期に依頼が集中し、エアコンクリーニングは冷房を使い始める前の4〜6月に需要が高まります。定期型の家事代行は、新年度で生活が変わる3〜4月や、育児休業からの復職の時期に検討が増える傾向があります。投稿は需要のピークの4〜6週間前から始め、「混む前に予約しておく」という早期予約の動機を作ると、繁忙期の枠を先に埋めることができます。

繁忙期の受け入れ枠の確保

インフルエンサーの投稿で予約が集中しても、スタッフの訪問枠がなければ機会損失になり、予約できなかった人の不満が口コミとして広がるおそれもあります。投稿前に、施策期間中に受け入れられる初回予約の上限を決め、エリアごとの枠を確保しておきましょう。繁忙期に枠が足りない場合は、閑散期の利用で使えるクーポンを提示し、需要を平準化する方法も有効です。

時期主な需要投稿開始の目安訴求の切り口
2〜4月定期型の家事代行(新年度・復職)1〜2月新生活の家事分担、復職前の準備
4〜6月エアコン・浴室クリーニング3〜4月冷房を使う前の準備、梅雨のカビ対策
7〜8月作り置き・家事代行(夏休み)6月子どもの夏休み中の家事負担
9〜10月整理収納、定期型の見直し8〜9月衣替え、年末前の片付け
11〜12月大掃除・ハウスクリーニング全般9〜10月早期予約、年末の時間確保

費用の目安と報酬の決め方

家事代行の施策費用は、サービスの無償提供分と、投稿に対する報酬の2つで構成されます。2026年10月時点の一般的な目安として、ナノ層ではサービス提供のみ、または提供に加えて1万〜3万円、マイクロ層では提供に加えて3万〜10万円程度が多く、フォロワー単価2〜4円を基準に概算するのが実務的です。

サービス提供分の扱い

家事代行やハウスクリーニングを無償で提供する場合、その提供分も実質的な対価です。たとえば2〜3時間の家事代行やエアコン1台のクリーニングを提供する場合、その定価相当額を報酬とみなしたうえで、追加の金銭報酬をいくらにするかを決めます。提供分だけで依頼すると、投稿が任意になったり公開時期を指定しにくくなったりするため、投稿の時期や回数を確実に指定したい施策では、少額でも金銭報酬を組み合わせるのがおすすめです。

単発投稿と継続利用レポートの比較

家事代行は継続利用の様子を見せることで信頼が高まるため、1回の投稿だけでなく、数か月にわたって利用レポートを投稿してもらう継続型の依頼も検討する価値があります。継続型は1人あたりの費用が上がりますが、「実際に続けている」という事実がフォロワーの定期契約の判断を後押しします。

依頼の形内容費用の目安(2026年10月時点)向いている目的
サービス提供のみ初回お試し相当を無償提供し、投稿は任意提供原価とスタッフ工数のみ相性の検証、小規模テスト
単発投稿(ナノ層)提供+フィードまたはリール1本提供+1万〜3万円エリア内の初回予約獲得
単発投稿(マイクロ層)提供+リール1本+ストーリーズ提供+3万〜10万円認知拡大と初回予約の両立
継続レポート2〜3か月の定期利用+複数回投稿提供(複数回)+月額報酬定期契約への移行促進

相場は発信者のフォロワー層や投稿形式、二次利用の有無によって変わります。インフルエンサー起用全体の料金の考え方はインフルエンサー起用の料金相場【2026年完全ガイド】で整理しています。

成果指標・法規制と発注前の確認

家事代行の施策では、初回予約数・2回目予約率・定期移行率の3つを主要な成果指標に置くのが基本です。あわせて、ステマ規制や価格表示のルールなど、広告として守るべき法規制を発注前に確認しておく必要があります。

KPIの置き方と計測方法

投稿直後に見る指標は、保存数、プロフィールへの遷移、サービスについての質問DMの数です。予約段階では、専用クーポンの利用数と専用予約URL経由の予約数を集計します。さらに、初回利用者のうち何割が2回目を予約したか、何割が定期契約に移ったかを、投稿から1〜3か月後まで追跡してください。電話や紹介経由の予約は計測から漏れやすいため、予約時のアンケートに「知ったきっかけ」の項目を設けると補完できます。

ステマ規制と価格表示のルール

サービスの無償提供や報酬の支払いを伴う投稿は、景品表示法に基づく告示、いわゆるステマ規制の対象になり、2023年10月1日の施行以降、#PRなどの広告表記が必要です。規制の対象となるのは発信者ではなく広告主である事業者のため、表記の位置まで依頼内容に明記しておきましょう。また、「通常価格から半額」などの初回割引を訴求する場合、比較対象となる通常価格に実際の販売実績がなければ、有利誤認表示に当たるおそれがあります。定期契約をオンラインで申し込ませる場合は、特定商取引法の通信販売のルールに沿って、契約期間や解約条件を申込み画面で分かりやすく示すことも必要です。ステマ規制の詳細はステマ規制とは?景表法対応と#PR表記の実務ガイドを確認してください。個別の表現の可否は、専門家への確認をおすすめします。

発注前チェックリストとBloomでの探し方

家事代行の施策でよくある失敗は、提供エリア外のフォロワーが多い発信者を選んでしまうこと、初回予約の受け皿だけを作り定期化の仕組みを用意していないこと、自宅撮影の写り込みを確認せずに公開してしまうことの3つです。いずれも事前の設計で防げるため、発注前に次のリストで確認しておくことをおすすめします。

家事代行・ハウスクリーニング施策の発注前チェックリスト

  • 候補者の居住地とフォロワーの地域が、サービス提供エリアと重なっていますか。
  • 初回お試しプランと、専用クーポン・専用予約URLを用意しましたか。
  • 2回目予約と定期契約への移行を後押しする仕組みを決めましたか。
  • ビフォーアフターの撮影ルールと、断定表現を避ける方針を共有しましたか。
  • 住所が分かる写り込み、スタッフや家族の肖像の扱いを取り決めましたか。
  • 施策期間中の初回予約の受け入れ上限とスタッフの訪問枠を確保しましたか。
  • #PR表記の位置と、初回割引の価格表示が適切かを確認しましたか。

Bloomでは、審査を通過したインフルエンサー30,000人の中から、ジャンルやフォロワー層、活動地域を見ながら候補を探せます。家事代行・ハウスクリーニングの施策では、共働きや子育て、暮らしの悩みを発信しているかどうかと、サービス提供エリアに住んでいるかどうかを組み合わせて選ぶことが成果の分かれ目になります。案件を公開して応募を募る形にすれば、実際に家事の負担に悩んでいてサービスに関心のある発信者から手を挙げてもらえるため、体験に基づいた熱量の高い投稿を集めやすくなります。

本メディアは、審査制インフルエンサー30,000人のマッチングプラットフォーム『Bloom』(株式会社ハーマンドット)が運営しています。