近所にコインランドリーはあるのに、一度も入ったことがない――そう感じている生活者は少なくありません。無人店舗のコインランドリーは、チラシや看板で存在を知らせるだけでは利用が増えにくく、「どう使うのか」「いくらかかるのか」「待ち時間はどう過ごすのか」といった小さな不安を解消できるかどうかが集客の分かれ目になります。この記事では、コインランドリーのオーナーや運営会社の担当者に向けて、地域のインフルエンサーを起用して利用シーンを見せ、初回の来店からリピートまでをつなげる施策の設計を、実務の順番で解説します。

この記事の要点

  • コインランドリーの集客で最も大きな壁は「知らない」ではなく「使い方が分からない・不安」です。インフルエンサーには、来店から仕上がりまでの手順を実際に見せてもらうのが効果的です。
  • 起用するのは、フォロワー数の多さより、店舗の商圏(車で10分前後・徒歩圏)に住み、家事や子育て、一人暮らしの暮らしを発信している地域のインフルエンサーです。
  • 投稿は「料金」「所要時間」「持ち物」「待ち時間の過ごし方」の4点を必ず入れ、羽毛布団・スニーカー・雨の日の部屋干し回避など、家庭の洗濯機では難しい用途から入るのが基本です。
  • 初回の来店をリピートにつなげるには、店舗のLINE公式アカウントやアプリ会員への登録を投稿の導線に組み込み、店舗ごとにクーポンコードを分けて反響を測ります。

コインランドリー集客でインフルエンサーが効く理由

コインランドリー集客でインフルエンサーが効く理由は、無人店舗が抱える「使い方の不安」を、生活者に近い立場の人が実演して解消できるからです。コインランドリーは店員がいないため、初めての人は店内で戸惑うことを恐れて来店を先送りしがちです。この心理的な壁は、看板や価格表だけではなかなか崩せません。

コインランドリーのインフルエンサー活用とは

コインランドリーのインフルエンサー活用とは、店舗の商圏に住む生活系のインフルエンサーに実際に店舗を利用してもらい、その体験を写真や動画で発信してもらうことで、初回来店と継続利用を増やす集客施策です。広告で店舗の存在を知らせる施策と違い、「普通の人がこう使っている」という具体的な場面を見せられるのが特徴です。家事の時短や布団の衛生、雨の日の洗濯といった生活の悩みと結びつけて紹介してもらうことで、店舗が「自分の家事の選択肢の一つ」として認識されるようになります。

チラシ・看板・SNS広告との違い

チラシや看板は店舗の存在と価格を伝えるのに向いていますが、使い方の流れや店内の雰囲気までは伝えにくい媒体です。SNS広告は配信エリアを絞れる点で相性が良いものの、広告として見られるため、実際に使った人の感想ほどの説得力は得にくい傾向があります。インフルエンサーの投稿は、洗濯物を持って店に入り、機械を選び、支払いをして、待ち時間を過ごし、仕上がりを確かめるまでの一連の流れを、生活者の目線で見せられる点が強みです。それぞれの役割を整理すると次のとおりです。

集客手段得意なこと苦手なことコインランドリーでの使いどころ
看板・のぼり前を通る人への認知使い方や料金の詳しい説明店舗の場所を覚えてもらう
折込チラシ・ポスティング商圏内の世帯に確実に届ける若い世代への到達、利用場面の伝達開店時の告知、クーポン配布
Googleビジネスプロフィール「近くのコインランドリー」と検索した人の来店まだ利用を考えていない人への訴求営業時間・設備・口コミの整備
SNS広告エリアと年代を絞った配信実体験としての信頼感キャンペーン期間の認知拡大
インフルエンサーの投稿使い方の実演、不安の解消、生活場面への結びつけ単体で広い範囲に届けること初回来店の後押し、利用シーンの提案

家事代行やクリーニングとの違い

同じ家事関連のサービスでも、家事代行やハウスクリーニングは「人に任せる」サービスで、信頼できるスタッフかどうかが判断の中心になります。一方でコインランドリーは「自分でやる」サービスで、判断の中心は「自分でも迷わず使えるか」「家の洗濯より楽になるか」です。そのため、家事代行の施策で重視されるスタッフの人柄や作業の丁寧さではなく、手順の分かりやすさと時間の使い方を見せることに投稿の重心を置きます。家事代行の施策の組み立て方は家事代行・ハウスクリーニングのインフルエンサー活用と予約設計で解説しているので、違いを比べながら読むと設計の判断がしやすくなります。

利用者が来店をためらう理由

利用者がコインランドリーへの来店をためらう主な理由は、「使い方が分からない」「料金と時間の見当がつかない」「店内で待つのが落ち着かない」「衛生面が気になる」の4つです。インフルエンサーの投稿は、この4つの不安を一つずつ消す順番で組み立てると効果が出やすくなります。

来店前の不安と投稿で見せる内容

来店前の不安は、店舗側からは見えにくいものです。オーナーにとっては当たり前の操作でも、初めての人にとっては「洗剤は持っていくのか」「両替機はあるのか」「途中で取り出してよいのか」といった細かな疑問が積み重なっています。次の表のように、不安ごとに投稿で見せる内容を決めておくと、依頼の指示書が作りやすくなります。

来店前の不安投稿で見せる内容店舗側で準備すること
使い方が分からない入店から機械の選び方、投入、支払い、取り出しまでの流れ機械ごとの操作説明の掲示、イラスト入りの手順表
料金と時間の見当がつかない実際に使ったコースの料金と所要時間コース別の料金・時間の一覧表
持ち物が分からない持参した物(洗濯物・袋・小銭やキャッシュレス決済)洗剤自動投入の有無、支払い方法の表示
待ち時間が落ち着かない買い物や散歩、店内のベンチでの過ごし方周辺の店の案内、Wi-Fiや椅子の整備
衛生面が気になる清掃の状態、ペット用の機械との分け方清掃記録の掲示、ペット用機械の明示

「家に洗濯機があるのに使う理由」を示す

多くの家庭には洗濯機があるため、コインランドリーを使ってもらうには「家ではできない、または家でやると大変なこと」を具体的に示す必要があります。代表的なのは、羽毛布団や毛布など大物の洗濯、まとめて洗った洗濯物を短時間で乾かす乾燥機の利用、梅雨や花粉の時期に部屋干しを避ける使い方、スニーカーの洗濯、こたつ布団やラグなど季節物の片付け前の洗濯です。投稿ではこうした用途を一つに絞り、「この悩みがある人はこう解決できる」という形で紹介してもらうと、見る人が自分のこととして受け取りやすくなります。

不安を言葉にしてもらう効果

投稿では、インフルエンサー本人が来店前に感じていた不安を正直に話してもらうのが効果的です。「初めてで緊張したけれど、表示どおりに進めたら迷わなかった」「思ったより静かで、待ち時間に本が読めた」といった言葉は、同じ不安を持つ人の背中を押します。店舗側が「簡単です」と言うより、利用者側の人が「実際に簡単だった」と言うほうが信頼されやすいのは、どの業種でも同じです。台本で感想を指定するのではなく、事前に「来店前に気になっていたこと」を本人に書き出してもらい、その答え合わせとして投稿を構成してもらうとよいでしょう。

不安の聞き取りは常連以外から行う

店舗に寄せられる問い合わせや口コミは、すでに利用したことがある人の声に偏りがちです。来店をためらっている人の不安を知るには、インフルエンサー本人や、そのフォロワーへの質問箱・アンケート機能を使って「コインランドリーを使ったことがない理由」を聞くのが近道です。集まった声は、投稿の構成だけでなく店内の掲示物の改善にも使えます。

利用シーンを見せる投稿の設計

利用シーンを見せる投稿は、「生活の悩み → 来店 → 待ち時間 → 仕上がり」の流れを1本の動画か連続した写真で見せる構成が基本です。コインランドリーは機械そのものに大きな差を感じにくいため、設備の紹介よりも、その店を使うことで生活がどう楽になるかを見せることを優先します。

投稿形式ごとの役割

投稿形式によって、伝えられる情報の量と届き方が変わります。リールやTikTok、YouTubeショートなどの短尺動画は、来店から仕上がりまでの流れを一気に見せられるため、初めての人の不安を消すのに向いています。フィード投稿の複数枚の写真は、料金表やコースの一覧、手順を保存してもらう用途に向いています。ストーリーズは、待ち時間の実況や、近くの店で過ごす様子をリアルタイムで見せるのに使えます。1人のインフルエンサーに依頼するなら、短尺動画1本を主役にして、ストーリーズで店舗の場所と導線を補う組み合わせが扱いやすい形です。

生活動線に組み込む見せ方

コインランドリーの利用を習慣にしてもらうには、生活のなかの「ついで」の行動として見せるのが効果的です。たとえば、スーパーでの買い物のついでに乾燥機を回す、子どもの習い事の送迎の間に布団を洗う、ジムに行く前に洗濯物を入れて帰りに回収する、といった場面です。店舗の周辺にある施設と組み合わせて見せることで、見る人は自分の生活のどこに組み込めるかを具体的に想像できます。周辺施設と組み合わせる場合は、その施設が映り込むことや店名を出すことについて、必要に応じて施設側の了解を得ておきます。

季節と天候に合わせた投稿のタイミング

コインランドリーの需要は季節と天候に大きく左右されるため、投稿のタイミングは需要が高まる時期の少し前に合わせます。梅雨入りの前、花粉の飛散が始まる前、冬物の寝具を出し入れする衣替えの時期、年末の大掃除の時期などが代表的です。台風や長雨の予報が出たタイミングでストーリーズを追加してもらう、といった柔軟な運用ができると、天候による需要の山を取りこぼしにくくなります。年間の投稿予定は、需要の山から逆算して決めておくと準備が慌ただしくなりません。

時期需要が高まる理由投稿で取り上げる用途
3〜4月花粉の飛散、新生活の始まり外に干さない乾燥、一人暮らしの洗濯
5〜6月衣替え、梅雨入り冬物の寝具の洗濯、部屋干しの代わりの乾燥
7〜8月汗や外遊びによる洗濯物の増加子どもの衣類やタオルのまとめ洗い、スニーカーの洗濯
10〜11月衣替え、寝具の入れ替え夏物の片付け前の洗濯、毛布・羽毛布団の準備
12月年末の大掃除カーテンやラグ、こたつ布団の洗濯

地域インフルエンサーの選び方

コインランドリーの施策で起用するのは、店舗の商圏に住み、家事・子育て・一人暮らしなどの暮らしを発信している地域のインフルエンサーです。コインランドリーの商圏は狭く、遠くに住む人がわざわざ来店する業態ではないため、全国にフォロワーがいる人より、店舗の近くに住むフォロワーが多い人のほうが来店につながります。

商圏と発信ジャンルで候補を絞る

候補を探すときは、まず住んでいるエリアと発信ジャンルで絞り込みます。エリアは、店舗の商圏と重なる市区町村か、少なくとも同じ生活圏で日常的に行き来する範囲が目安です。発信ジャンルは、家事の時短、収納・掃除、子育て、ペットとの暮らし、一人暮らしの節約、地域のお店紹介などが相性の良い分野です。地域の飲食店紹介を中心にしている人でも、生活の場面を自然に見せられる人であれば候補になります。地方の店舗で地域インフルエンサーを探す方法と、商圏外のフォロワーが多い人の見分け方はローカルインフルエンサーで地方の店舗集客を設計する方法で詳しく解説しています。

フォロワー数より「近所の人に見られているか」を見る

コインランドリーの施策では、フォロワー数の大きさは成果をあまり左右しません。重要なのは、フォロワーのうちどれだけが店舗の近くに住んでいるかです。過去の投稿のコメント欄に地域の話題が多いか、地元のお店を紹介した投稿の反応が良いか、インサイト(フォロワーの地域の内訳)を共有してもらえるか、といった点を確認します。数千人規模のナノインフルエンサーでも、フォロワーの多くが同じ市内に住んでいれば、数万人規模で全国に分散している人より来店につながる場合があります。

依頼前に確認しておきたい項目

依頼前には、発信ジャンルとエリアに加えて、生活感のある写真や動画を撮れるか、手順をわかりやすく説明する投稿をしたことがあるか、PR投稿の頻度が高すぎないかを確認します。PR投稿ばかりのアカウントは、フォロワーが紹介を広告として受け取りやすく、来店の後押しになりにくい傾向があります。また、店舗で撮影する日時をインフルエンサーの生活リズムと合わせられるかも大切です。平日の昼間しか撮影できない人と、休日の朝に撮影したい人では、映り込む他の利用者の数も変わります。

初回の来店ハードルを下げる仕掛け

初回の来店ハードルを下げるには、投稿で不安を消すことに加えて、来店した人が店内で迷わない仕掛けと、試しに使ってみる理由になる特典を用意することが必要です。投稿を見て来店しても、店内で操作に迷えば「やっぱり難しい」と感じて二度目の来店につながりません。

投稿と店内の表示をそろえる

投稿で紹介した手順と、店内の掲示物の内容をそろえておくと、来店した人が投稿を見返しながら迷わずに操作できます。たとえば、投稿で「この洗濯乾燥機の、このコースを選びました」と紹介したなら、店内のその機械に同じ名前のコース表示があるかを確認しておきます。可能であれば、店内に「はじめての方へ」の手順表を貼り、投稿で使った写真や言葉を一部取り入れます。インフルエンサーの投稿と店内の表示が一致していると、見た人の安心感が高まります。

試しに使う理由になる特典の設計

初回の来店を後押しする特典としては、初回の乾燥機の時間延長、洗剤や柔軟剤の無料サービス、店舗のアプリ・LINE公式アカウントへの登録で使える割引などが考えられます。割引額を大きくするより、「初回は失敗しても損をしない」と感じてもらえる内容のほうが、コインランドリーの来店理由として機能しやすい傾向があります。特典を付ける場合は、適用条件と期間を投稿のなかで正確に伝えてもらい、店舗側でも同じ条件で対応できるよう、無人店舗での受け渡し方法(コード入力、アプリ表示など)を事前に決めておきます。

PR表記と表示の正確さ

インフルエンサーに依頼して投稿してもらう場合は、広告であることが分かる表示が必要です。2023年10月1日から(2026年10月時点も同様)、広告であることを隠した表示は景品表示法の不当表示(いわゆるステマ規制)の対象になっています。報酬だけでなく、無料での利用や特典の提供も依頼にあたる場合があるため、投稿には「PR」などの表記を入れてもらいます。制度の概要は消費者庁のステルスマーケティングに関する情報で確認でき、実務の進め方はステマ規制とは?景表法対応と#PR表記の実務ガイドで解説しています。また、「どんな汚れも落ちる」「ダニが100%いなくなる」など、根拠を示せない効果の表現は避けてもらうよう、指示書に書いておきます。

撮影日は他の利用者への配慮を最優先に

無人店舗でも、撮影中に他の利用者が来店することはあります。他の利用者の顔や洗濯物が映り込まないよう、利用の少ない時間帯を選ぶ、撮影中である旨を店頭に掲示する、映り込んだ場合は編集でぼかすといった対応を事前に取り決めておきます。店舗の印象を良くするための撮影で、利用者に不快な思いをさせては本末転倒です。

リピートにつなげる導線

コインランドリーの売上を安定させるのは、1回きりの来店ではなく、季節や天候に合わせて繰り返し使ってもらうことです。インフルエンサーの投稿で初回来店を作ったら、その場で店舗とつながってもらう仕組みを用意し、次の来店のきっかけを店舗側から届けられるようにします。

来店時に店舗とつながってもらう

リピートの導線として扱いやすいのは、店舗のLINE公式アカウントや会員アプリへの登録です。投稿では「初回特典はLINEの友だち登録で受け取れます」のように、登録と特典をセットで紹介してもらいます。店内にも登録用の二次元コードを掲示し、待ち時間に登録できるようにしておくと、投稿を見ずに来店した人も取り込めます。登録してもらえれば、雨の予報が出た日や花粉の時期に、店舗からお知らせを送れるようになります。

2回目の来店を促すお知らせの内容

2回目の来店を促すお知らせは、割引の連続ではなく、「今この用途で使うと便利です」という生活の提案を中心にします。たとえば、梅雨入りの時期には乾燥機の使い方、衣替えの時期には寝具の洗い方、年末にはカーテンやラグの洗い方を案内します。インフルエンサーの投稿を店舗のアカウントで再度紹介する場合は、二次利用の範囲と期間を契約で決めておく必要があります。二次利用の考え方はインフルエンサー投稿の肖像権・著作権対応と二次利用の範囲で確認できます。

継続起用で「いつもの店」にする

同じ地域インフルエンサーに季節ごとに継続して依頼すると、フォロワーにとってその店舗が「あの人がいつも使っている店」として定着しやすくなります。1回の投稿で大きな反響を狙うより、梅雨・衣替え・年末など年に数回、異なる用途で利用してもらう形が、生活に根ざした業態であるコインランドリーには合っています。継続起用の場合も、毎回の投稿でPR表記を入れてもらうことと、反響の記録を続けることは変わりません。

複数店舗での進め方

複数の店舗を運営している場合は、店舗ごとに商圏と利用者層が違うため、起用するインフルエンサーと投稿の切り口を店舗ごとに変えるのが基本です。同じ内容の投稿を全店舗分まとめて依頼すると、商圏外の人に届くだけで、どの店舗の来店にもつながらないという結果になりがちです。

店舗の特徴ごとに切り口を決める

住宅街にあり子育て世帯が多い店舗では、子どもの衣類や布団のまとめ洗いを中心にした切り口が合います。駅の近くで単身者が多い店舗では、仕事帰りに乾燥機を使う時短の切り口、大型の駐車場がある郊外の店舗では、車で布団や毛布を持ち込む切り口が考えられます。スニーカー用の洗濯機やペット用の機械など、店舗ごとに独自の設備がある場合は、その設備を主役にした投稿を依頼すると、他の店舗との違いを伝えられます。

本部と店舗の役割分担

フランチャイズや複数店舗の運営では、インフルエンサーの選定と契約、PR表記や表現のチェックは本部が担い、撮影日の立ち会いや店内の掲示物の準備は店舗側が担う、という分担が一般的です。本部がまとめて募集をかけ、店舗ごとに条件の合う人を割り当てる形にすると、契約や表現の基準をそろえながら、店舗ごとの事情にも対応できます。店舗とインフルエンサー施策をつなぐ体制づくりはインフルエンサー施策の店舗連携と反響を営業につなげる設計も参考になります。

店舗別の反響を測る方法

コインランドリーの施策の反響は、店舗ごとに分けた特典コードやLINE登録経路と、投稿前後の売上・利用回数の変化を組み合わせて測ります。無人店舗では「どの投稿を見て来たか」を口頭で聞けないため、計測の仕組みは投稿の前に用意しておかなければなりません。

計測の手段と分かること

計測の手段ごとに、分かることと注意点は次のとおりです。1つの手段だけで判断せず、複数を組み合わせて全体の傾向を見るのが現実的です。

計測の手段分かること注意点
インフルエンサーごと・店舗ごとの特典コード投稿を見て来店し、特典を使った人数特典を使わずに来店した人は数えられない
LINE公式アカウントの登録経路(店舗別の二次元コード・URL)投稿経由の登録数とその後の来店経路ごとにURLや二次元コードを分けて発行する
店舗の売上・機械ごとの稼働回数投稿前後の利用の増減、どの機械が使われたか天候や季節の影響を受けるため前年同時期とも比べる
Googleビジネスプロフィールの指標店舗名での検索、経路案内のリクエスト数投稿以外の要因も含まれる
投稿のインサイト(保存数・プロフィールへのアクセス)投稿への関心の強さ、保存して後で見返されたかインフルエンサーから数値を共有してもらう必要がある

天候の影響を差し引いて評価する

コインランドリーの売上は天候に強く左右されるため、投稿の前後で売上が増えても、それが雨の日が多かったせいなのか、投稿のおかげなのかを切り分ける必要があります。投稿のない他の店舗と同じ期間で比べる、前年の同じ時期と比べる、雨の日と晴れの日に分けて利用回数を比べる、といった方法で、天候の影響をなるべく差し引いて評価します。特典コードの利用数は天候の影響を受けにくいため、反響の判断の軸として扱いやすい指標です。コードの設計と集計の方法はインフルエンサー施策のクーポンコード設計と利用数の測り方で解説しています。

評価の期間は投稿後1〜2か月を目安にする

コインランドリーは「必要になったときに思い出して使う」業態のため、投稿を見てすぐに来店する人ばかりではありません。投稿を保存しておき、次の雨の日や布団を洗いたくなったタイミングで来店する人もいます。そのため、反響は投稿直後の数日だけでなく、投稿後1〜2か月程度の期間で見るのが目安です。特典コードの有効期限も、すぐに使い切らせる短い期間ではなく、次の需要の山までを含められる長さにしておくと、保存した人の来店も拾えます。

反響の記録は次の起用の判断材料になる

インフルエンサーごと、店舗ごと、用途ごとに反響を記録しておくと、「子育て世帯向けの布団洗いの投稿は郊外店で反響が大きかった」「単身者向けの時短の投稿は駅前店で登録が多かった」といった傾向が見えてきます。この記録が、次回の起用者の選定と投稿の切り口を決める根拠になります。

施策を始める前のチェックリスト

施策を始める前に確認すべきことは、「投稿で見せる内容」「店舗側の準備」「計測と契約」の3つの領域に分かれます。どれか一つが欠けると、投稿は良くても来店につながらない、来店しても計測できない、といった事態が起きます。

投稿と店舗の準備

投稿の準備では、取り上げる用途を一つに絞ったか、料金・所要時間・持ち物・待ち時間の過ごし方の4点を投稿に入れる指示をしたか、PR表記の方法を伝えたか、根拠のない効果の表現を避けるよう伝えたかを確認します。店舗の準備では、撮影日に機械と店内の清掃が行き届いているか、投稿で使うコースと店内の表示が一致しているか、「はじめての方へ」の掲示があるか、他の利用者への配慮の方法を決めたかを確認します。

計測と契約の準備

計測の準備では、インフルエンサーごと・店舗ごとに特典コードや登録用URLを分けたか、投稿前の売上と利用回数を記録したか、インサイトの共有をお願いしたかを確認します。契約の準備では、報酬と特典の内容、投稿の本数と期限、投稿の掲載期間、店舗アカウントでの二次利用の範囲、撮影時の注意事項を書面で取り決めたかを確認します。インフルエンサーへの依頼文の書き方はインフルエンサーへの依頼文面の書き方とテンプレート例文が参考になります。

マッチングプラットフォームを使う場合

店舗の商圏に住むインフルエンサーを一人ずつ探して連絡し、条件を交渉し、投稿を確認するのは、店舗運営と並行して行うには負担の大きい作業です。インフルエンサーのマッチングプラットフォームを使えば、エリアや発信ジャンル、投稿形式などの条件を示して応募を募り、応募者のなかから商圏に合う人を選べます。依頼の進行や投稿の確認、成果の記録を一か所で管理できるため、複数店舗で施策を回す場合にも、店舗ごとの進み具合と反響を比べやすくなります。

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