電動工具や木材、塗料、収納資材といったDIY商材や、ホームセンターそのものは、インフルエンサーとの相性が良い一方で、完成までに時間がかかる、作る人の腕前で結果が変わる、電動工具の扱いに危険が伴うといった独特の難しさがあります。完成写真だけを投稿してもらうと「素敵だけれど自分には無理そう」と思われて終わりがちです。この記事では、DIYインフルエンサーの活用について、商材カテゴリ別の訴求、向いている発信者の類型、再現できる作例投稿の設計、電動工具の安全表現、ワークショップ連動の来店設計、季節需要からの逆算、法規制、成果指標までを2026年10月時点の実務目線で整理しました。

この記事の要点

  • ホームセンター・DIY商材のインフルエンサー活用は、完成品の写真だけでなく「材料・工具・手順・かかった時間」まで分かる作例投稿にすることで、保存と購入・来店につながります。
  • 工具・建材・塗料・収納資材など商材ごとに見せ方が異なり、向いている発信者も賃貸DIY系・本格木工系・暮らし系・リノベ系で分かれます。
  • 電動工具を使う投稿は、保護具の着用や正しい使い方を守った映像にすることが前提です。国民生活センターも2025年4月に電動工具の事故への注意を呼びかけています。
  • 店舗型の企業は、ワークショップや店頭イベントと投稿を連動させると、オンラインの関心を来店に変えやすくなります。
  • 需要はゴールデンウィーク、夏休み、秋の模様替え、年末の大掃除の前に高まるため、投稿日から2〜3か月さかのぼって準備します。

ホームセンター・DIY商材のインフルエンサー活用とは

ホームセンター・DIY商材のインフルエンサー活用とは、工具や木材、塗料、金物、収納資材などを、実際に家づくりや家具づくりを楽しんでいるインフルエンサーに使ってもらい、完成までの作例を投稿として発信してもらう施策のことです。DIY商材は「これを使えば自分にも作れそうだ」と思ってもらえるかどうかで売れ行きが決まるため、商品単体の紹介よりも、作り方と完成後の暮らしを一緒に見せる設計が欠かせません。

ホームセンター市場の現状と課題

日本DIY・ホームセンター協会の推計を報じたダイヤモンド・チェーンストアオンラインによると、ホームセンターの市場規模は2020年度の4兆2,680億円をピークに、2024年度は4兆180億円と横ばいで推移しています。一方で、店舗数は2024年度末に5,020店と5,000店を超えており、市場が伸び悩む中で店舗が増える状態にあります。2026年10月時点でも、価格や品ぞろえだけでは差がつきにくく、「この店で買う理由」「この商品を選ぶ理由」をどうつくるかが、各社とメーカーに共通する課題です。

DIYの情報収集がSNSに移っている

DIYのやり方を調べる行動は、雑誌や店頭のPOPから、InstagramやYouTube、TikTokで「実際に作った人の記録」を見る形に移っています。たとえば、日経クロストレンドでは、カインズがDIY動画を活用し、ブランディングと店舗への集客を目指す取り組みを紹介しています。短い動画で「自分で作れる」「作るとこんな暮らしになる」というイメージを伝える考え方は、インフルエンサーの作例投稿にもそのまま当てはまります。

他ジャンルのインフルエンサー施策との違い

DIY商材の施策が他ジャンルと違うのは、使う人の技量によって結果が変わる点、作業に危険が伴う点、そして完成までに時間がかかる点の3つです。コスメや食品は届いた日に試せますが、棚やウッドデッキは材料を選び、切り、組み、塗るまで数日から数週間かかります。また、電動工具を使う場面では安全に関する表現にも気を配る必要があります。住まい全体の見せ方や長期検討の考え方は住宅・インテリア業界のインフルエンサー活用と長期検討商材のKPI設計で解説しているため、あわせて参考にしてください。

商材カテゴリ別に見る訴求の違い

DIY・ホームセンター商材は、「工具」「建材・木材」「塗料・補修材」「収納・インテリア資材」「店舗そのもの」の5つに分けると、見せ方の型が整理しやすくなります。カテゴリによって、投稿で強調すべき場面と、向いている投稿形式が大きく変わります。

電動工具・手工具

電動ドライバーや丸のこ、サンダーなどの工具は、使い心地と作業がどれだけ楽になるかが訴求の中心です。重さ、音、バッテリーの持ち、刃や先端工具の交換のしやすさといった点は、実際に作業している映像で初めて伝わります。比較対象として、手作業との時間の違いや、従来使っていた工具との違いを見せてもらうと説得力が増します。ただし、後述する安全表現への配慮が特に必要なカテゴリです。

建材・木材・塗料・補修材

木材や合板、壁紙、床材、塗料、補修材は、施工前と施工後の変化を見せる投稿が効果的です。壁紙を貼り替えた部屋、塗り直したベランダの床、補修した壁の穴など、変化が大きいほど保存されやすくなります。あわせて、必要な量の目安、下地処理の手順、乾燥にかかる時間といった実務的な情報を添えてもらうと、読者が購入量を判断しやすくなり、店頭やECでの購入につながります。

収納・インテリア資材と店舗そのもの

突っ張り式の柱や棚受け、すのこ、カラーボックスのアレンジ資材などは、賃貸住宅でも使える手軽さが関心を集めます。完成後の部屋の写真と、材料の一覧、合計金額を一緒に見せると、読者が自分でも試しやすくなります。また、ホームセンター自体を訴求する場合は、商品ではなく「この店で材料をそろえて作った」という体験を見せることが中心になります。木材カットサービスや工具の貸し出し、作業スペースなど、店舗ならではのサービスを使う場面を入れてもらうと、来店の理由を伝えやすくなります。

商材カテゴリ主な訴求ポイント見せるべき場面相性の良い投稿形式
電動工具・手工具作業の楽さ、精度、扱いやすさ実際の作業中の手元と全体リール、YouTube
建材・木材仕上がり、加工のしやすさカット・組み立て・完成リール、ブログ
塗料・補修材変化の大きさ、手順の簡単さ施工前後の比較フィード投稿、ショート動画
収納・インテリア資材賃貸対応、費用の手頃さ完成後の部屋、材料一覧フィード投稿、ストーリーズ
ホームセンター店舗品ぞろえ、カットサービス、相談店内での材料選び、サービス利用リール、ストーリーズ

DIYインフルエンサーの類型と選び方

DIY商材に向いているのは、自宅で実際に作業し、材料や手順まで含めて継続的に記録しているインフルエンサーです。フォロワー数の多さよりも、作業の腕前、住まいの条件、扱っている工具の種類が投稿の説得力を左右します。

発信スタイル別の4つの類型

DIY系の発信者は、大きく4つの類型に分けられます。1つ目は、原状回復できる範囲で部屋を整える「賃貸DIY系」で、突っ張り資材やリメイクシート、収納資材と相性が良好です。2つ目は、丸のこやトリマーを使って家具を作る「本格木工系」で、電動工具や木材の訴求に説得力があります。3つ目は、掃除や収納、季節の模様替えなど暮らし全体を発信する「暮らし系」で、DIYに詳しくない層にも届きます。4つ目は、中古住宅の改修や庭づくりなどを手がける「リノベ・外構系」で、塗料や建材、大型資材の訴求に向いています。

類型主な発信内容向いている商材確認したいポイント
賃貸DIY系原状回復できる模様替え、収納突っ張り資材、リメイクシート、収納用品原状回復の説明が正確か
本格木工系家具・小物の製作、工具レビュー電動工具、木材、金物保護具の着用など安全な作業か
暮らし系掃除、収納、季節の模様替え収納資材、補修材、掃除用品初心者にも分かる説明か
リノベ・外構系住宅の改修、庭・ウッドデッキ塗料、建材、外構資材資格が必要な工事を扱っていないか

選定で確認したい3つのポイント

DIY系の発信者を選ぶときは、過去の投稿で「作業の安全性」「情報の正確さ」「住まいの条件」の3点を確認します。安全性では、電動工具を使う場面で保護メガネを着用しているか、材料をクランプで固定しているかを見ます。情報の正確さでは、材料や寸法、費用を具体的に書いているか、誤った施工方法を紹介していないかを確認します。住まいの条件では、賃貸か持ち家か、庭やベランダがあるかによって、扱える商材が変わります。候補者を見極める一般的な手順はインフルエンサーのブランド適合性を5軸で判定するチェック手順も参考になります。

プラットフォームごとの役割

Instagramは完成した部屋や家具の写真で「作ってみたい」という気持ちをつくる場、YouTubeは材料選びから完成までの手順を詳しく伝える場、TikTokやリールは作業のコツを短く見せる場という役割分担が基本です。DIYは購入前に作り方を調べる人が多いため、検索に残りやすいYouTubeやブログの比重を他ジャンルよりやや高めにしておくと、長く参照される資産になります。

作例投稿を成果につなげる設計

DIY商材の施策で成果を左右するのは、読者が「同じものを作れる」と感じられる作例投稿になっているかどうかです。完成写真だけでは憧れで終わってしまうため、材料・工具・手順・費用・かかった時間を、読者が再現できる粒度で示してもらう設計が重要です。

作例投稿に入れてもらう5つの要素

作例投稿には、使った材料と数量、使った工具、主な手順、材料費の合計、作業にかかった時間の5つを入れてもらうよう依頼します。特に材料の一覧は、読者がそのままホームセンターで買い物をする際のメモとして保存されやすく、保存数と来店の両方に効きます。商品名や品番、売り場の場所まで添えてもらうと、店頭で迷わず手に取れるようになります。

作例投稿の構成チェック

  • 完成した姿と、使っている場面の写真や映像が入っていますか。
  • 材料と数量、サイズ、使った工具が一覧で分かりますか。
  • 主な手順と、つまずきやすいポイントが説明されていますか。
  • 材料費の合計と、作業にかかった時間の目安が書かれていますか。
  • 電動工具を使う場面で、保護具の着用など安全な作業が映っていますか。

初心者向けと経験者向けで作例を分ける

同じ商材でも、初心者向けの作例と経験者向けの作例では、伝えるべき情報が異なります。初心者向けには、電動工具を使わずに作れる棚や、カット済みの材料を組み立てるだけの小物など、失敗しにくい作例が向いています。経験者向けには、工具の性能を生かした精度の高い家具や、加工の工夫を見せる作例が向いています。施策の目的が新規顧客の獲得であれば初心者向け、工具の買い替え需要を狙うなら経験者向け、というように目的に合わせて作例の難易度を決めます。

作例をシリーズ化して保存を積み上げる

1回の作例で終わらせず、「1万円以内で作る収納シリーズ」「週末2日で完成する家具シリーズ」のように、テーマを決めて複数回の作例をお願いすると、フォロワーが続きを待つ状態をつくれます。シリーズ化した作例は、自社のECサイトや店頭のPOPで二次利用しやすく、施策が終わった後も販促素材として使い続けられます。二次利用の範囲や期間の決め方はUGCマーケティングの活用法と二次利用の進め方で整理しています。

電動工具を扱う投稿の安全表現

電動工具を使う投稿では、安全な作業の様子を見せることが、ブランドを守るうえでも読者を守るうえでも前提条件です。インフルエンサーの投稿は多くの初心者が手本にするため、危険な使い方が映っていると、事故の誘因になるだけでなく、商品やブランドへの批判にもつながります。

電動工具の事故に関する公的な注意喚起

国民生活センターは2025年4月23日に「電動工具の事故に注意!」と題した報道発表を行い、2019年4月から2025年1月までに、電動のこぎりなどの電動工具の使用中に起きた事故の情報が186件寄せられたと公表しました。指の切断や骨折などの重いけがが含まれ、約8割は40歳以上の男性の事例とされています。また、製品評価技術基盤機構(NITE)も、電動工具の事故について過去に注意喚起を行っています。DIYが広がるほど、こうした事故への目は厳しくなるため、企業が関わる投稿では安全面に特に配慮する必要があります。

投稿で守ってもらう安全のルール

電動工具を使う投稿では、保護メガネの着用、材料をクランプや作業台で固定すること、刃の進行方向に手や体を置かないこと、刃の交換や調整の際は電源プラグやバッテリーを外すことなど、取扱説明書に沿った使い方を守ってもらいます。回転する工具を使う場面では、巻き込みの危険があるため手袋の扱いにも注意が必要です。片手での操作や、安全カバーを外した状態での作業は映さないよう、依頼時に明確に伝えます。

電動工具の投稿で事前に伝える安全事項

  • 取扱説明書に記載された使い方の範囲で作業してもらいます。
  • 保護メガネなど必要な保護具を着用し、回転工具での手袋の扱いに注意してもらいます。
  • 材料はクランプや作業台で固定し、片手での操作はしないでもらいます。
  • 刃の交換や調整の前に、電源プラグやバッテリーを外してもらいます。
  • 子どもが作業に参加する場面は、電動工具を使わない工程に限ってもらいます。

「簡単」「誰でも」の表現に注意する

DIY商材の投稿では、「誰でも簡単」「初心者でも絶対失敗しない」といった表現が使われがちです。しかし、工具の扱いに慣れていない人が過信して作業すると、事故や失敗の原因になります。投稿では「初めてでも説明書どおりに進めれば作れました」のように、自分の体験の範囲で伝えてもらうのが安全です。投稿前に表現を確認する工程を設け、校正のポイントはインフルエンサー投稿の校正チェック項目とNG表現の直し方を参考にチェックリストを作っておくと効率的です。

ワークショップ・店舗イベント連動の来店設計

ホームセンターや工具メーカーがインフルエンサーを起用するなら、ワークショップや店頭イベントと投稿を連動させると、オンラインの関心を来店に変えやすくなります。DIYは「やってみたいが自信がない」という人が多いため、実際に教わりながら体験できる場は、来店の強い動機になります。

インフルエンサーを講師・ゲストに招く

店舗で開催するDIYワークショップに、インフルエンサーを講師やゲストとして招く形は、来店誘導の代表的なパターンです。告知投稿でワークショップの内容と日時を知らせてもらい、当日の様子をストーリーズで発信し、後日完成した作品と作り方をフィード投稿でまとめてもらう、という3段階の構成にすると、イベントの前後で継続して関心を集められます。参加者が自分の作品を撮影できる撮影スペースを用意すると、参加者自身の投稿も生まれやすくなります。イベントの企画と運営の全体像はインフルエンサーを招待するイベント・体験会の企画と運営で詳しく解説しています。

店頭の材料と投稿をつなぐ仕掛け

作例投稿を見た人が店頭で迷わないよう、投稿で紹介した材料をまとめた売り場や、作例と材料一覧を載せたPOPを用意すると効果的です。木材カットサービスで作例と同じ寸法に切れるよう、カット寸法表を配布する方法もあります。来店の計測には、投稿ごとに異なるクーポンコードを発行し、レジでの利用数を数えるのが手軽です。コードの設計方法はインフルエンサー施策のクーポンコード設計と利用数の測り方を参考にしてください。

商圏に合わせた地域の発信者を選ぶ

店舗への来店を目的とする場合は、店舗の商圏に住んでいる、または商圏の人にフォローされている発信者を選ぶことが大切です。全国的に人気のある発信者でも、フォロワーの多くが遠方であれば来店にはつながりにくくなります。多店舗展開の企業であれば、地域ごとに発信者を分けて起用し、各店舗のワークショップに合わせて告知してもらう設計が有効です。地域の発信者の探し方はローカルインフルエンサーで地方の店舗集客を設計する方法で整理しています。

季節のDIY需要から逆算するスケジュール

DIY需要は、まとまった休みや季節の変わり目の前に高まるため、その時期に投稿がそろうよう、2〜3か月前から準備を始めるのが原則です。作例の製作には時間がかかるため、他ジャンルよりも依頼と商品発送を早めに進める必要があります。

年間の需要カレンダー

以下の表は、DIY需要が高まりやすい時期と、その時期に向く商材の一般的な目安です。地域の気候や自社の売上データに合わせて調整してください。外構や塗装など屋外の作業は、雨の多い時期や真夏・真冬を避けて計画するのが基本です。

時期主なDIY需要需要が高まる商材依頼・発送の開始目安
3〜5月新生活の収納、ゴールデンウィークの大物DIY、庭・ベランダ収納資材、木材、電動工具、外構資材12〜2月
6〜8月梅雨の湿気・カビ対策、夏休みの親子工作防カビ・補修材、工作キット、手工具3〜5月
9〜11月秋の模様替え、ウッドデッキや外壁の塗装塗料、壁紙、床材、照明6〜8月
12〜2月年末の大掃除、断熱・すきま風対策掃除用品、補修材、断熱資材9〜11月

投稿日から逆算する依頼スケジュール

ゴールデンウィークに大物家具の作例を投稿してもらう場合、候補の選定と依頼は前年12月から1月、材料と工具の発送は2月から3月、製作と撮影は3月から4月上旬、投稿は4月中旬から下旬という流れになります。作例の製作に数週間かかるうえ、人気のある発信者は連休前に依頼が集中するため、早めに枠を押さえることが大切です。季節商戦全体の逆算の考え方はインフルエンサーの季節キャンペーン設計と逆算スケジュールで解説しています。

天候や製作の遅れに備えた幅の持たせ方

屋外での塗装や外構の作業は、雨や気温によって予定どおりに進まないことがあります。塗料の乾燥にも天候が影響するため、投稿日は固定せず、1〜2週間の幅を持たせて契約しておくと安心です。「完成を確認できた時点から1週間以内に投稿」のように、作業の進み具合を基準にした投稿条件にしておくと、無理に未完成の状態で投稿される事態を防げます。

商品提供・発送とDIY特有の法規制

DIY商材の施策では、大きく重い商材の発送、作業に必要な周辺の材料の手配、そして資格が必要な工事や広告表記に関するルールへの配慮が必要です。準備の手間が他ジャンルより大きいことを前提に計画を立てます。

大型・長尺商材の発送と周辺材料の手配

木材や合板、外構資材などの大型・長尺の商材は、配送方法や受け取り場所を事前に確認する必要があります。マンションの場合、エレベーターに入らない長さの材料は運び込めないこともあります。また、作例を完成させるにはビスや接着剤、下地材など、提供する商品以外の材料も必要になります。周辺の材料を自社で用意するか、インフルエンサーに購入してもらって費用を精算するかを、依頼時に決めておきます。ホームセンターの場合は、店舗で材料をそろえてもらう流れそのものを撮影してもらうと、来店の訴求にもなります。商品提供の全体の流れはギフティング施策の進め方と投稿獲得率を上げるコツで解説しています。

ステマ規制と#PR表記

2023年10月1日に施行された景品表示法の指定告示(いわゆるステマ規制)により、企業が依頼した投稿は広告であることが分かるように表示する必要があります。工具や材料を無償で提供しただけの場合でも、企業が投稿内容に関与していれば対象になります。ワークショップへの招待や、シリーズで複数回投稿してもらう場合も、毎回#PRなどの表記を入れてもらうよう依頼時に伝えてください。表記の詳しいルールはステマ規制とは?景表法対応と#PR表記の実務ガイドで解説しています。

資格が必要な工事と効果表現の注意点

住まいのDIYには、資格がなければできない作業があります。たとえば、コンセントの増設や壁内の配線工事などは、電気工事士法により電気工事士の資格が必要です。リノベ系の発信者に依頼する場合は、資格が必要な作業を本人が無資格で行う内容になっていないか、事前に確認します。また、断熱材や防カビ剤などで「電気代が半分になる」「カビが二度と生えない」といった断定的な効果表現は、景品表示法上の優良誤認につながるおそれがあります。効果は「自分の家ではこう感じた」という体験の範囲で伝えてもらいます。賃貸での原状回復をうたう商材の場合も、退去時の扱いは契約内容によって異なるため、「原状回復できるとされている商品を使った」という正確な表現にしてもらうのが安全です。

成果指標とKPIの置き方

DIY商材の施策では、保存数を最重要の指標に置き、指名検索、EC流入、来店・店頭販売までを段階的に見るのが効果的です。作例投稿は後から見返して材料を買う人が多いため、投稿直後のいいね数だけで評価しないことが大切です。

投稿の種類ごとの指標

作例投稿では、保存数と保存率が「後で作りたい」と思った人の多さを表します。工具のレビュー投稿では、コメントでの質問数と、品番での指名検索の伸びが購入検討の目安になります。ワークショップの告知投稿では、予約数や申し込みページへの流入数を見ます。オンラインの流入を計測するには、投稿ごとにUTMパラメータを分けておくと便利です。設定方法はインフルエンサー施策のUTMパラメータ設定と流入計測の手順を参考にしてください。

投稿の種類主な指標確認するタイミング判断のポイント
作例投稿保存数、保存率、プロフィール遷移数投稿から7日後保存率が高いほど購入・来店の検討につながります
工具レビューコメントの質問数、品番の指名検索投稿から14日後具体的な質問が多いほど検討が進んでいます
ワークショップ告知予約数、申し込みページ流入数募集期間の終了時定員に対する予約の埋まり方で評価します
来店・店頭販売クーポン利用数、対象商品の販売数キャンペーン終了後前年同期や投稿のない店舗と比較します
施策全体EC売上、来店数、関連商品の購入シーズン終了後材料・工具のまとめ買いが増えたかを確認します

来店と店頭販売への効果の見方

DIY商材は店頭で購入されることが多いため、EC以外の成果を把握する工夫が必要です。投稿で紹介した商品の販売数を、投稿のあった地域とない地域、前年の同じ時期で比べると、施策の効果を推計できます。クーポンコードの利用数に加えて、店頭スタッフに「SNSで見た」という問い合わせが増えたかをヒアリングするのも、手軽な確認方法です。

関連商品のまとめ買いまで追う

DIYでは、1つの作例を作るのに木材、ビス、塗料、工具と複数の商品が必要になります。そのため、作例で紹介した主役の商品だけでなく、一緒に買われる周辺の商品の販売数まで追うと、施策の価値を正しく測れます。作例ごとに材料をまとめたセット販売を用意すると、客単価の向上と効果測定の両方に役立ちます。

よくある失敗と発注前チェックリスト

DIY商材の施策でよくある失敗は、完成写真だけで終わる投稿、安全面の確認不足、店舗との連携不足の3つです。いずれも事前の計画で防げるため、発注前にチェックリストで確認しておくことをおすすめします。

完成写真だけの投稿と安全面の確認不足

もっとも多い失敗は、完成した家具や部屋の写真だけが投稿され、材料や手順が伝わらないケースです。見た目は良くても、読者が「何を買えば作れるのか」が分からなければ、購入や来店にはつながりません。また、投稿前の確認で安全面を見落とし、保護具を着けずに電動工具を使う映像が公開されてしまうと、批判を受けて投稿の取り下げにつながることがあります。依頼時に作例の構成と安全のルールを書面で共有し、投稿前に映像を確認する工程を必ず設けてください。

店舗やECとの連携不足

投稿は好評だったのに、店頭に紹介した商品の在庫がない、売り場が分からない、ECの商品ページにたどり着けないといった理由で、成果を取りこぼすケースもあります。投稿のスケジュールを店舗やEC担当にも共有し、在庫と売り場、商品ページへの導線を投稿日までに整えておくことが大切です。

DIY・ホームセンター商材の発注前チェックリスト

  • 季節の需要から逆算して、依頼・発送・製作・投稿の日程を決めましたか。
  • 候補者の発信スタイル、住まいの条件、作業の安全性を確認しましたか。
  • 材料・工具・手順・費用・作業時間を入れた作例の構成を伝えましたか。
  • 電動工具の安全な使い方と、資格が必要な工事を扱わないことを伝えましたか。
  • すべての投稿に#PRなどの広告表記を入れるよう依頼しましたか。
  • 店舗の在庫、売り場、ワークショップ、ECの商品ページを投稿日までに準備しましたか。
  • 保存数・指名検索・クーポン利用・店頭販売まで、指標と確認時期を決めましたか。

BloomでDIY系の発信者を探す場合

Bloomでは、審査を通過したインフルエンサー30,000人の中から、ジャンルやフォロワー層、活動地域を見ながら候補を探せます。DIY・ホームセンター商材の施策では、賃貸DIY系・本格木工系・暮らし系・リノベ系といった発信スタイルと、店舗の商圏に合う活動地域を組み合わせて選ぶことが成果の分かれ目になります。案件を公開して応募を募る形にすれば、実際にDIYを楽しんでいて商材に関心のある発信者から手を挙げてもらえるため、手間のかかる作例投稿でも熱量の高い発信を集めやすくなります。

本メディアは、審査制インフルエンサー30,000人のマッチングプラットフォーム『Bloom』(株式会社ハーマンドット)が運営しています。