中古・リユース商材のPRは、新品の商材と同じ進め方では成立しません。在庫が一点物で続かない、状態にばらつきがある、正規品かどうかを買い手が不安に思う。この3つの制約が、投稿の企画からインフルエンサーの選び方、表示の作り方までのすべてに影響します。本記事では、リユース・買取サービスの担当者に向けて、一点物を前提とした投稿設計、状態ランクの伝え方、真贋鑑定と保証の訴求、古物営業法や景品表示法にもとづく表示、そして「売りたい人」と「買いたい人」を分けた二面市場の起用設計までを、2026年9月時点の実務としてまとめます。

この記事の要点

  • 中古・リユースのPRは「商品指定」ではなく「カテゴリ指定」で設計します。投稿公開時にはその個体が売れている前提で組み立てます。
  • 状態ランク(S/A/B)は記号だけでは伝わりません。実物の傷の位置・使用感を言語化し、定義ページとセットで示します。
  • 信頼の柱は「真贋鑑定」「保証」「返品条件」の3点です。この3点を投稿の必須要素に組み込みます。
  • 買取(売りたい人)と販売(買いたい人)は別施策として設計します。起用者・訴求・KPIのすべてが分かれます。
  • 古物営業法のウェブサイト掲示義務(2024年4月1日施行)と景表法の優良誤認に注意します。「新品同様」は根拠なく使えません。

中古・リユース商材のインフルエンサーPRの前提

中古品のPRにおけるインフルエンサー起用とは、一点物で在庫が続かない商材を前提に、特定の商品ではなくカテゴリ・買い方・サービスそのものへの信頼を作る施策です。新品商材のように「この商品を買ってください」と言い切る設計は、リユース商材では機能しにくい構造になっています。紹介された個体が数時間で売れてしまえば、投稿を見た人が辿り着く先には何も残らないからです。

一方で、市場は明確に伸びています。リユース業界紙「リサイクル通信」の市場規模推計によれば、2024年の国内リユース市場規模は前年比4.5%増の3兆2,628億円となり、2009年以降15年連続で拡大しています(2026年9月時点で確認できる最新の推計値)。市場が伸びるということは新規参入も増えるということで、価格だけでは差がつかなくなります。だからこそ「この店なら安心して買える/売れる」という信頼の訴求が、インフルエンサー施策の中心テーマになります。

新品PRとの決定的な違い

新品商材の施策をそのまま持ち込むと、ほぼ確実に噛み合いません。違いを構造として把握しておくと、企画段階の判断が速くなります。

設計項目新品商材中古・リユース商材
在庫継続供給。同一SKUを長期訴求できる一点物。投稿時に完売している前提
訴求の単位商品そのもの(機能・成分・価格)カテゴリ・探し方・サービスの信頼
品質の伝え方スペック表で均一に伝わる個体差があり状態の言語化が必須
遷移先商品詳細ページ(LP)カテゴリ一覧・検索結果・査定申込フォーム
主な不安効果があるか、自分に合うか正規品か、状態は許容範囲か、返品できるか

「商品を売る」から「買い方を教える」へ

成果が出ているリユース事業者の投稿は、ほとんどが「買い方・探し方のコンテンツ」の形をとっています。たとえば「古着屋で失敗しないサイズの見方」「型番から真贋を見分ける3つのポイント」「ブランドバッグを売るときに査定額が上がる準備」といった内容です。これらは特定の在庫に依存しないため、投稿が数カ月後に再拡散されても機能します。一点物という制約は、コンテンツの寿命を長くする方向に設計し直すことで、むしろ資産に変わります。

成果が出る座組みの全体像

リユース商材の施策は、単発のギフティングよりも、3カ月から6カ月の継続起用に向いています。理由は2つあります。第1に、視聴者は中古品の購入・売却をその場では決めず、検討期間を挟むためです。第2に、在庫が入れ替わり続けるため、同じ人が繰り返し「今週の入荷」を扱うほうがフォーマットとして安定するためです。単発で投稿を積む発想よりも、継続起用と長期契約の設計を前提に予算を配分するほうが、リユース商材では費用対効果が読みやすくなります。

一点物を前提にした投稿設計とカテゴリ指定

一点物の商材では、依頼の単位を「商品」ではなく「カテゴリ」にするのが基本設計です。インフルエンサーへのオリエンでは「この型番を紹介してください」ではなく、「2万円台で買えるヴィンテージデニムの選び方を、当店の在庫から3点ピックアップして紹介してください」と設計します。こうすることで、紹介した個体が売り切れても投稿の主旨は成立し続けます。

遷移先はカテゴリ一覧か検索結果にする

投稿から飛ばす先の設計が、リユース商材では成果を大きく左右します。商品詳細ページに飛ばすと、売り切れた瞬間に導線が死にます。推奨するのは、ブランド・価格帯・状態ランクなどで絞り込んだカテゴリ一覧URL、または検索結果ページです。「#ヴィンテージデニム_2万円台」のような絞り込みURLを施策ごとに用意し、そのURLに計測パラメータを付与します。売り切れた個体については、商品ページを削除せず「SOLD」表示に切り替えたうえで、同カテゴリの在庫へ誘導するブロックを置く構成にしてください。EC全体の導線の考え方はインフルエンサー施策をEC売上につなげる導線設計で整理していますので、あわせて設計すると漏れが減ります。

投稿タイプ別の向き不向き

投稿タイプ在庫切れリスク向いている目的設計上の注意
入荷紹介(週次)高い常連化・回遊率の向上「売り切れ御免」を前提の文言にする
カテゴリ解説(選び方)低い新規の認知・検索流入の補完個体名は出さず基準だけを語る
コーデ/使用レビュー購入イメージの醸成同等品への代替導線を必ず添える
買取体験レポなし査定申込の獲得査定額の明示可否を事前に取り決める
店舗来店・倉庫潜入なし信頼・規模感の可視化撮影可能範囲と個人情報の映り込み管理

売り切れを前向きに扱うクリエイティブ

在庫切れは弱点ではなく、希少性の証明として使えます。「先週紹介した3点はすべて完売しました。今週の入荷はこちらです」という続きものの構成は、フォロワーに「見逃すと買えない」という行動理由を与えます。ただし、実際には在庫が潤沢にあるのに「残り1点」と煽る表現は、景品表示法上の問題になり得ます。実態に即した表現かどうかを、必ず事実ベースで確認してください。

カテゴリ指定オリエンのテンプレート

  • 対象カテゴリ:ブランド/価格帯/状態ランクの3軸で指定します
  • ピックアップ点数:3〜5点。在庫から自由に選んでもらいます
  • 遷移先URL:絞り込み済みのカテゴリURL(計測パラメータ付き)
  • 必須要素:状態説明・真贋確認の方法・返品条件の3点
  • 禁止表現:新品同様/未使用(根拠がある場合を除く)/正規品保証の断定

状態ランク表記の伝え方と誤認を防ぐ言語化

状態ランクは、記号だけを投稿に出しても視聴者には伝わりません。S・A・Bといったランク定義は事業者ごとに異なり、業界共通の基準が存在しないためです。自社では「Aランク=わずかな使用感」と定義していても、視聴者は別のサイトの基準を想像します。この認識のずれが、届いた商品への不満とレビュー低下を生みます。

記号と実物説明を必ずセットにする

投稿での伝え方は「記号+定義の要約+この個体の実際の状態」の3点セットが基本です。たとえば「Aランク(小傷はあるが使用に支障なし)。この個体は角に薄い擦れが1カ所、内側のポケットに小さなシミがあります」という形です。良い点だけでなく、気になる点を先に言うほうが結果的に信頼されます。マイナス情報を自分から開示するインフルエンサーのほうが、購入後の満足度も高くなる傾向があります。

ランク一般的な定義の例投稿での伝え方避けたい表現
S/N未使用または未使用に近い「タグ付きの未使用品です。保管による細かなスレはあります」「新品です」(新品ではありません)
A使用感が少なく状態良好「数回使用程度。角に薄い擦れが1カ所あります」「新品同様」(根拠がない場合)
B通常の使用感あり「日常使いの跡があります。写真の4枚目が実際の状態です」「ほぼ気になりません」(主観のみ)
C使用感が強い・難あり「傷が複数あります。価格重視の方向けです」難点を省略した紹介

写真と動画で「見せる」ことが最大の説明

状態説明は言葉よりも映像のほうが圧倒的に速く伝わります。ショート動画であれば、傷のある箇所に寄って3秒映すだけで説明が完結します。インフルエンサーへの依頼時には「気になる箇所を必ず寄りで撮影する」を必須要件に入れてください。編集で状態が良く見えすぎる加工(強い色補正や美肌フィルタの全面適用)は、リユース商材では実物との乖離を生むため、加工の程度についても事前に取り決めておくと安全です。

自社のランク定義ページを常設する

投稿から遷移した先に、自社の状態ランク定義ページを常設してください。各ランクについて、文章の定義だけでなく実際の商品写真を掲載すると、視聴者は自分の許容範囲を判断できます。インフルエンサーの投稿文にはこのページへのリンクを固定で入れてもらい、プロフィールのリンク集にも配置する運用にすると、誤認によるトラブルが目に見えて減ります。

真贋鑑定・保証・返品条件で信頼を作る訴求設計

リユース商材で最も強い訴求は、価格ではなく「間違いがなかったときにどうなるか」の明示です。中古品の購入をためらう最大の理由は、偽物をつかまされるリスクと、届いた状態が想定と違ったときに何もできないという不安だからです。この2つに先回りして答える投稿は、価格訴求の投稿よりも成約率が高くなります。

真贋の「プロセス」を見せる

「正規品を保証します」という一文よりも、どうやって確認しているかのプロセスを見せるほうが説得力があります。鑑定士の在籍人数と資格、複数名によるダブルチェック、シリアル照合、真贋判定に使用する機器、第三者鑑定機関との連携といった要素を、インフルエンサーの目線でレポートしてもらう構成が有効です。倉庫や検品センターの取材コンテンツは、この目的に最も適しています。

断定表現には根拠が必要です

「100%本物」「絶対に偽物はありません」といった断定は、万一の誤りがあった場合に景品表示法上の問題となるだけでなく、ブランド毀損に直結します。表現は「専門鑑定士2名による確認と第三者機関の鑑定を経ています」「万一の場合は全額返金します」のように、実施している事実と補償内容で語ってください。インフルエンサーが独自の言葉で断定してしまうことを防ぐため、使用可能な表現リストを事前に共有する運用が必須です。

保証・返品条件はセットで提示する

保証内容は、投稿のなかで具体的な数字として語られてはじめて機能します。「30日間の返品保証」「真贋に問題があった場合は無期限で全額返金」「初期不良は送料当社負担で交換」といった条件を、インフルエンサーが自分の言葉で説明できるところまで落とし込んでください。条件の細部(未使用に限る、タグ付きのまま等)まで含めて説明してもらわないと、後から「聞いていた話と違う」というクレームの原因になります。

保証訴求を前面に出すときの注意

保証を強く訴求すると、返品率が一時的に上がることがあります。これは失敗ではなく、購入のハードルが下がった結果として想定内に置くべき数字です。施策の採算を見るときは、返品を差し引いた実質売上で評価してください。返品込みで採算が合う価格帯とカテゴリから始め、段階的に対象を広げる進め方が安全です。

古物営業法・景表法・ステマ規制の表示実務

中古品のPRでは、新品商材にはない法令上の確認事項が加わります。2026年9月時点で押さえるべき論点は、古物営業法のウェブサイト掲示義務、景品表示法の優良誤認表示、そしてステルスマーケティング規制の3つです。いずれも施策の停止やブランド毀損に直結するため、企画段階でチェックリスト化しておくことを強く推奨します。

古物営業法のウェブサイト掲示義務

古物商は、営業所への標識掲示に加えて、ウェブサイトに「氏名または名称」「許可を受けた公安委員会の名称」「許可証の番号」を掲示することが義務づけられています。この規定は2024年4月1日施行の改正で、原則としてすべての古物商が対象となりました。重要なのは、この「ウェブサイト」にSNSは含まれないという点です。SNSのプロフィール欄に許可番号を書いても義務を履行したことにはならないため、インフルエンサー投稿からの遷移先である自社サイト側で表示を整えておく必要があります。制度の詳細は警察庁および各都道府県警察の案内で確認してください。

なお、インフルエンサーが商品を紹介するだけであれば、本人に古物商許可は必要ありません。ただし、インフルエンサー自身が買い取った商品を反復継続して販売する企画(コラボ販売など)を組む場合は、許可の要否を個別に確認してください。

景表法の優良誤認に注意する表現

使いがちな表現問題点安全な言い換え
新品同様実際の状態より著しく優良と誤認させるおそれ「使用感の少ないAランクです」
未使用品未使用の確認ができない場合は根拠なし「タグ付きで、当店では使用跡を確認していません」
定価の80%オフ比較対照価格の根拠が必要「同型番の新品参考価格〇円に対し〇円です」
絶対に本物断定は根拠を示せない「鑑定士2名の確認を経ています。万一の際は全額返金します」
残り1点実態と異なれば有利誤認在庫数の実数をシステム連動で表示する

ステマ規制と#PR表記

ステルスマーケティング規制は2023年10月1日に施行され、事業者の表示であることが分かりにくい表示は景品表示法上の不当表示として規制対象になっています。リユース事業者の施策では、商品を無償提供するギフティング型や、買取サービスの利用料を負担する形が多いため、対価性が生じる限り必ずPR表記が必要です。表記の位置や書き方の実務はステマ規制と景表法対応・#PR表記の実務ガイドにまとめていますので、ディレクション資料に転記して運用してください。運用ルールの根拠は消費者庁の公表資料で確認できます。

買取側と販売側に分ける二面市場の起用設計

リユース事業は買取と販売の二面市場であり、インフルエンサー施策も2つに分けて設計すべきです。同じサービスであっても、「持っているものを手放したい人」と「安く良いものを手に入れたい人」では、抱えている悩み・行動のきっかけ・情報の探し方がまったく異なるためです。1本の投稿で両方を語らせると、どちらの層にも刺さらない汎用的な紹介になりがちです。

両サイドの設計を比較する

設計軸買取(売りたい人)販売(買いたい人)
動機片付け・引っ越し・ライフステージ変化・臨時収入安く買いたい・廃番品が欲しい・環境配慮
適したインフルエンサー暮らし・整理収納・ファミリー・ミニマリスト系各ジャンルの目利き(古着・ガジェット・ブランド)
主なコンテンツ査定体験レポ・高く売るコツ・宅配買取の手順購入レビュー・探し方・コーデ提案
訴求の中心手間の少なさ・査定額の納得感・スピード真贋の安心・状態の明快さ・返品条件
主要KPI査定申込数・集荷依頼数・成約単価カテゴリページ遷移数・購入数・新規購入者比率
効果の出方即時性が高い(数日で申込に反映)検討期間が長い(数週間〜数カ月)

買取側の施策は「体験の可視化」が中心

買取施策で最も成果が出るフォーマットは、実際に売ってみるレポートです。申込から集荷、査定結果の通知、入金までの流れを一連の動画で見せると、「面倒くさそう」という最大の障壁が下がります。査定額を公開するかどうかは事前に取り決めが必要です。公開する場合は「金額は商品の状態や相場により変動します」という注記を必ず添え、視聴者が同じ金額を期待しないよう配慮してください。金額が期待外れだった場合の言及をどう扱うかも、契約段階で合意しておくべき論点です。

販売側はジャンルの専門性で選ぶ

販売側の施策では、フォロワー数よりもジャンルの専門性を優先してください。古着であれば年代やディテールを語れる人、ブランドバッグであれば型番や素材の違いを説明できる人が適しています。中古品の購入検討者は目が肥えており、浅い知識で語られると即座に見抜きます。専門性の高いマイクロ層は、フォロワー数が少なくても購入率が高く出やすいため、マイクロインフルエンサー活用の考え方を踏まえた人数構成にすると効率が上がります。

サステナブル消費の文脈をどう使うか

サステナブル訴求は、リユース商材の追い風であると同時に、使い方を誤ると白々しくなる諸刃の剣です。中古品を買うことが環境負荷の低減につながるのは事実ですが、購買の第一動機として環境配慮を挙げる層は、現時点では多数派ではありません。環境訴求は「買う理由を後押しする第2の理由」として置くのが、実務上もっとも機能する位置づけです。

第1の理由は今も「価格」と「一点物」

投稿の構成としては、価格の納得感や、新品では手に入らない廃番品・ヴィンテージという希少性を前面に出し、締めくくりで「使わないものを循環させる」という文脈に接続する流れが自然です。逆に、冒頭から環境問題を語り始めると、商品紹介としての訴求力が落ちます。インフルエンサー本人が普段から環境テーマを発信している場合に限り、環境を主軸にした構成が成立します。

根拠のない環境表示は避ける

「CO2を〇%削減」といった数値を使う場合は、算定根拠を明示できることが前提です。根拠のない環境訴求はグリーンウォッシュとして批判の対象になり得ますし、景品表示法上の優良誤認にもつながります。数値を出すのであれば、算定方法を説明したページを用意し、投稿からリンクさせてください。数値の裏付けがない段階では、「1点買うたびに、新しく作られる1点を減らせます」といった定性的な表現にとどめるほうが安全です。

循環の物語を作る企画

買取と販売の両方を持つ事業者であれば、「誰かが手放したものが、次の誰かに渡る」という循環の物語を企画に組み込めます。買取インフルエンサーが手放したアイテムを、販売インフルエンサーが購入して使う、というリレー企画は、二面市場を持つ事業者だけが実行できる差別化コンテンツです。実在の商品を扱うため、出品から購入までのタイミング調整が必要になりますが、1本作れば長く使える資産型のコンテンツになります。

リユース商材に合うインフルエンサーの選び方

リユース商材の選定基準は、フォロワー数や単純なエンゲージメント率よりも、「中古品を扱うことへの抵抗感がないか」「状態を正直に説明できるか」の2点を優先します。新品の提供を受けるPRに慣れているインフルエンサーのなかには、中古品の紹介を敬遠する人が一定数います。オファー段階でこの適性を確認しておかないと、依頼後に辞退されて進行が止まります。

オファー前に確認したい5項目

確認項目見るポイント不適合のサイン
中古品への態度過去に古着・リユース品の投稿があるか新品・高級ブランドのみで統一された世界観
説明の誠実さデメリットや気になる点を書いているか絶賛のみで構成された定型PR投稿
ジャンル知識型番・年代・素材に言及できるか一般名詞だけの表層的な説明
撮影品質寄りの物撮りが成立しているか状態が判別できない加工過多の写真
フォロワー属性価格感度と居住エリアが自社客層と合うかターゲット外の年代・地域に偏っている

適合性は事前チェックで判定する

候補者の適合性は、感覚ではなく共通の基準で判定するほうが再現性があります。ブランドとの相性を軸ごとに点検する方法はインフルエンサーのブランド適合性を5軸で判定するチェック手順にまとめています。リユース商材では、この5軸に「中古品受容度」を加えた6軸で見ると、辞退や炎上のリスクを事前に潰せます。

人数構成は段階的に広げる

初回は3〜5名の小規模テストから始めることを推奨します。リユース商材は個体差があるため、どのカテゴリ・どの価格帯が伸びるかを事前に読み切ることが難しいからです。テストで反応の良かったカテゴリと投稿フォーマットを特定してから、同じ型で10〜20名に拡大する進め方が、無駄打ちを最小化します。拡大フェーズでは、同一の在庫を複数人に紹介させないよう、担当カテゴリを分けて割り当ててください。

KPI設計と効果測定の指標

リユース商材のKPIは、買取側と販売側で別々に設計します。共通の指標で管理しようとすると、どちらの施策が効いているのか判別できなくなるためです。2026年9月時点で運用しやすい設計は、買取を「査定申込数」、販売を「カテゴリページ到達数と購入数」で見る二本立てです。

指標の設計例

フェーズ買取側の指標販売側の指標計測方法
認知リーチ数・保存数リーチ数・保存数各SNSのインサイト提出
興味プロフィールリンク遷移数カテゴリページ到達数計測パラメータ付きURL
行動査定申込数・集荷依頼数カート投入数・購入数サイト側のコンバージョン計測
成果買取成約数・仕入原価売上・粗利・返品率基幹システムとの突合
継続再利用率(90日)リピート購入率(90日)顧客IDベースの追跡

一点物ゆえに「直接売上」だけで見ない

紹介した個体が売り切れた後の流入は、別の商品の購入につながっていることが少なくありません。投稿URLからの直接コンバージョンだけで評価すると、実際の貢献を大きく過小評価します。施策期間中のカテゴリ別売上の変化、指名検索数の推移、サイト全体の新規購入者比率をあわせて見てください。KPIツリーの作り方そのものはインフルエンサー施策のKPI設計とテンプレートを土台にすると、社内合意が取りやすくなります。

買取側は原価管理の視点を入れる

買取施策のゴールは申込数ではなく、良質な在庫の確保です。申込は増えたが買取不可の品ばかりだった、という結果は施策としては失敗です。そのため、査定申込数と同時に「成約率」「1件あたりの仕入原価」「再販可能率」まで追ってください。インフルエンサーの選定を見直す判断は、申込数ではなくこの後段の指標で行うのが正しい運用です。

現物の貸出・撮影・返却まで含む進行管理

リユース商材の進行管理で特有なのは、紹介する現物が販売在庫そのものだという点です。撮影のために商品を貸し出している間、その個体は販売できません。新品のサンプル提供とは異なり、貸出・返却・再販までを1つのフローとして管理する必要があります。

貸出フローで決めておくべきこと

事前に取り決めておくべき項目は、貸出期間、返却期日、破損時の取り扱い、着用や使用の可否、そして貸出中の商品ページの表示です。特に着用の可否は重要で、衣類やアクセサリーを着用撮影してもらった場合、その個体を「未使用」として販売することはできなくなります。着用撮影を行うのであれば、その個体は撮影後に価格を見直すか、インフルエンサーへの現物提供扱いに切り替える設計が現実的です。

現物運用チェックリスト

  • 貸出時点の状態を写真で記録し、双方で共有します
  • 返却期日と送料負担を契約書に明記します
  • 破損・紛失時の補償額の上限を事前に定めます
  • 着用・使用の可否と、それに伴う販売価格の扱いを決めます
  • 貸出中は商品ページを「予約受付停止」等の表示に切り替えます
  • 返却後の再検品を経てから再出品します

投稿日と入荷サイクルを合わせる

リユース事業者には、買取が集中する時期と在庫が薄くなる時期があります。引っ越しシーズンや年末年始は買取が増え、在庫が厚くなります。投稿日は在庫が最も豊富なタイミングに合わせて設定してください。在庫が薄い時期に大量の流入を集めても、見るものがない状態では離脱するだけです。複数名を同時に動かす場合の日程調整と進捗管理の方法は、同時進行の進行管理と抜け漏れ対策の手順が流用できます。

契約書に入れておきたいリユース固有の条項

標準的なインフルエンサー契約に加えて、リユース商材では現物の取り扱いに関する条項が必要です。具体的には、貸出物の所有権が事業者にあること、返却義務と期日、善管注意義務、破損時の責任範囲、そして状態に関する表現の制限です。契約書の基本構成はインフルエンサー契約書の作り方と必須チェック項目を土台に、上記の条項を追加する形で整備してください。

投稿後の二次利用まで見据える

制作した投稿は、商品ページやカテゴリページでの二次利用価値が高い素材です。とくに状態説明の動画は、同カテゴリの商品を検討している人にとって有用なため、サイト側への転載許諾を契約に含めておくと施策の費用対効果が伸びます。二次利用の範囲・期間・媒体を明記したうえで、追加費用の有無を最初の見積段階で確定させておいてください。

中古・リユース商材のインフルエンサー施策は、制約が多い分だけ、設計の巧拙がそのまま成果の差になります。一点物という前提をカテゴリ指定で受け止め、状態を正直に言語化し、真贋と保証で不安を消す。この3つを型として持てば、在庫が入れ替わり続けても再現性のある施策運用ができます。

本メディアは、審査制インフルエンサー30,000人のマッチングプラットフォーム「Bloom」(株式会社ハーマンドット)が運営しています。