スキー場の集客は、天候と雪の量に左右されるという点で、ほかの観光施設と大きく異なります。同じ予算でSNS施策を行っても、雪が少ない年や週末の天気が崩れた週には来場が伸びず、反対に良い雪が降った直後は情報を出すだけで人が集まります。この記事では、スキー場がインフルエンサーを活用して集客を伸ばすために、降雪・積雪で変わる需要をどう読み、いつ・誰に・何を発信してもらうかを解説します。首都圏などの都市部からの送客、初心者・家族層への訴求、スノーボード用品のプロモーションとの連携、宿泊とリフト券のセット化、シーズン途中のてこ入れ、効果測定までを、シーズンの流れに沿って整理しました。
この記事の要点
- スキー場の集客は降雪・積雪と週末の天気で需要が大きく動くため、インフルエンサー施策は「雪の状況に合わせて投稿の時期と量を動かせる設計」にしておくことが基本です。
- シーズンは「予約期(10〜11月)」「オープン期(12月)」「最盛期(1〜2月)」「春スキー期(3〜4月)」に分け、それぞれ発信の目的と起用する人を変えます。
- 首都圏などからの送客では、移動手段と所要時間、日帰りか宿泊かを投稿の中で具体的に示すと、来場の判断材料になります。
- 初心者・家族層には、レンタル・スクール・キッズエリア・休憩施設といった「不安を減らす情報」を伝え、宿泊とリフト券のセットプランで予約まで一続きにします。
- 投稿ごとに専用のURLやクーポンを用意し、来場・予約への貢献を計測して、シーズン途中のてこ入れと翌シーズンの計画に使います。
スキー場の集客にインフルエンサーを活用する考え方
スキー場の集客にインフルエンサーを活用する目的は、「今行けば楽しめる」という判断材料を、行く可能性のある人に適切なタイミングで届けることです。スキー場のインフルエンサー活用とは、スキーやスノーボード、雪山旅行、家族のおでかけなどを発信するインフルエンサーに、ゲレンデの雪質や景色、施設の使いやすさ、アクセス、宿泊やリフト券のお得なプランなどを体験に基づいて紹介してもらい、来場や予約を増やす施策のことです。
スキー場の集客が他の観光施設と違う点
スキー場は、営業できる期間がおおむね12月から4月ごろまでと限られ、そのなかでも雪の量と天気によって来場者が大きく変わります。シーズン券や早割のリフト券は秋のうちに売れますが、日帰りの来場者の多くは、直前の雪の情報と週末の天気予報を見てから行き先を決めます。つまり、スキー場の集客には「シーズン前に計画を立ててもらう集客」と「直前に行き先として選んでもらう集客」の二つがあり、インフルエンサー施策もこの二つを分けて考える必要があります。観光地全般の誘客の考え方は旅行・観光業のインフルエンサー活用と誘客の設計で整理していますが、スキー場はそのなかでも天候による需給の変動が特に大きい業種といえます。
インフルエンサーが担う役割
スキー場の公式アカウントが発信する積雪情報やイベント告知は、すでにそのスキー場を知っている人には届きますが、行き先を迷っている人や、スキーを何年もしていない人には届きにくいものです。インフルエンサーは、自分のフォロワーに対して「実際に行ってみてどうだったか」を伝えられるため、公式の情報だけでは動かなかった人の背中を押す役割を担います。特に、雪質やコースの感想、混雑の具合、子ども連れでの過ごしやすさといった情報は、来場経験のある第三者の言葉のほうが信頼されやすい傾向があります。
公式発信・広告との分担
インフルエンサー施策は、公式アカウントや広告の代わりではなく、それらを補う位置づけで設計します。積雪の数値やリフトの運行状況のように、毎日変わる正確な情報は公式アカウントが担い、インフルエンサーには「体験の楽しさ」と「行くまでの具体的なイメージ」を担ってもらいます。広告は、インフルエンサーの投稿で反応が良かった訴求や写真を使って、配信の範囲を広げるために使うと効率が上がります。役割を分けておくことで、インフルエンサーに積雪の数値の更新のような依頼をしてしまい、投稿がすぐに古くなるといった失敗を防げます。
雪の状況と需要の読み方
スキー場の需要は、雪の量と天気、そして暦(週末・連休・学校の休み)の三つで決まります。インフルエンサー施策の時期と量は、この三つを組み合わせて読むことで決めます。どれだけ良い投稿でも、雪が足りずにコースが限られている時期や、悪天候が続く週末の直前に公開されると、来場にはつながりにくくなります。
需要を動かす三つの要素
一つ目は雪の量で、オープンの時期、滑走できるコースの数、雪質が決まります。全面滑走ができるかどうかは、上級者だけでなく初心者にとっても行き先選びの大きな要素です。二つ目は天気で、週末の天気予報が晴れか雪かで、日帰りの来場者は大きく変わります。降雪の翌日の晴れ、いわゆる新雪と晴天が重なる日は、それだけで行き先として選ばれやすくなります。三つ目は暦で、年末年始、成人の日を含む連休、2月の連休、春休みといった時期は、雪の量にかかわらず需要が高まります。
需要の状態ごとの発信の考え方
次の表は、雪と暦の組み合わせごとに、インフルエンサー施策で何を優先するかの目安です。スキー場の立地や標高、主な来場者の居住地によって変わるため、自社の過去の来場データと照らし合わせて調整してください。
| 雪と暦の状態 | 来場の傾向 | インフルエンサー施策で優先すること |
|---|---|---|
| 雪が十分・連休や週末が近い | 放っておいても来場が増える | 混雑を避ける過ごし方、宿泊プラン、平日の魅力を伝えて分散させる |
| 雪が十分・平日や閑散期 | 雪は良いのに来場が伸びない | 平日限定プランや空いているゲレンデの快適さを伝え、即時の来場を促す |
| 雪が少ない・連休が近い | 連休でも他のスキー場に流れる | 滑走可能なコースの楽しみ方、雪遊び・キッズエリア・温泉など雪以外の魅力を伝える |
| 大雪の直後・晴天予報 | 直前の行き先として選ばれやすい | 新雪の様子を素早く投稿してもらい、週末の来場につなげる |
| シーズン終盤 | 来場が減り、雪質も変わる | 春スキーの楽しみ方、割引、イベントで「今シーズン最後」の需要を取る |
雪の情報を投稿に反映する仕組み
雪の状況に合わせて投稿を動かすには、インフルエンサーとの間で「雪の情報を共有する仕組み」をつくっておく必要があります。たとえば、施策の担当者が毎週の積雪と週末の天気の見通しを共有し、「今週末は新雪が期待できるので、来場の投稿をお願いしたい」「雪が少ないので、雪遊びと温泉の投稿に切り替えたい」といった連絡をします。依頼の段階で、投稿日を固定せず「雪の状況を見て、○月○日から○月○日のうちで調整する」という幅を持たせておくと、この切り替えがしやすくなります。
投稿日は「固定」ではなく「幅」で合意しておく
スキー場の施策で投稿日を一日に固定すると、その日に雪が足りない、天気が荒れて撮影できないといった理由で、投稿の質が落ちたり延期の調整が発生したりします。依頼の時点で、投稿日を1〜2週間の幅で合意し、撮影日も天候を見て決められるようにしておくと、雪の良い日の写真や動画を投稿してもらいやすくなります。
シーズンを分けた投稿スケジュールの設計
スキー場のインフルエンサー施策は、シーズンを四つの時期に分け、それぞれ目的と起用する人を変えて設計すると効果が出やすくなります。一年に一度、まとめて投稿を依頼するのではなく、予約を取る時期、オープンを知らせる時期、来場を最大化する時期、シーズン最後の需要を取る時期で、伝える内容が異なるためです。
四つの時期と施策の目的
次の表は、一般的な本州のスキー場を想定したシーズンの分け方と、各時期の施策の目的です。北海道など早くオープンする地域や、標高が高く春まで営業するスキー場では、時期をずらして考えてください。
| 時期 | 目安の期間 | 施策の目的 | 主な発信内容 |
|---|---|---|---|
| 予約期 | 10〜11月 | シーズン券・早割・宿泊予約の獲得 | 昨シーズンの映像、早割の案内、新しい設備やコースの紹介 |
| オープン期 | 12月 | オープンの認知と初滑りの来場 | オープン日の様子、滑走可能なコース、年末年始の予約案内 |
| 最盛期 | 1〜2月 | 週末・連休・平日の来場の最大化 | 雪質、家族の過ごし方、初心者の体験、宿泊プラン |
| 春スキー期 | 3〜4月 | シーズン終盤の来場の維持 | 春スキーの楽しみ方、割引、イベント、温泉や周辺観光 |
予約期にやっておくこと
予約期は、まだ雪がない時期に、シーズン中の来場を予約という形で前もって確保する時期です。インフルエンサーには、昨シーズンに撮影した写真や動画、新しく導入した設備、早割の内容などを紹介してもらいます。このとき、昨シーズンに来場したインフルエンサーに依頼すると、実際の体験に基づいた紹介ができるため説得力が増します。前のシーズンの最盛期に、翌シーズンの予約期に使う素材の撮影もあわせて依頼しておくと、予約期の投稿を準備しやすくなります。季節施策全般の逆算の方法はインフルエンサーの季節キャンペーン設計と逆算スケジュールで詳しく解説しています。
時期ごとに起用する人を変える
予約期には、毎シーズン通っている愛好者や、宿泊とセットで旅行を計画する層に影響力のある旅行系のインフルエンサーが向いています。オープン期と最盛期の前半には、雪質やコースを伝えられるスキー・スノーボード系のインフルエンサーを起用し、最盛期の後半や春スキー期には、家族連れや初心者、温泉や周辺観光とあわせて楽しむ層に向けて発信できる人を起用します。同じ人に通年で依頼する場合も、時期ごとに伝える内容を変えてもらうことで、フォロワーに飽きられにくくなります。
首都圏からの送客を設計する
首都圏などの都市部からの送客では、「どうやって行けるか」「どのくらい時間がかかるか」「日帰りか泊まりか」を投稿のなかで具体的に示すことが最も重要です。都市部に住む人にとって、スキー場までの移動は大きな負担であり、その負担が具体的に想像できないと、行き先の候補にすら入らないためです。
移動手段ごとに訴求を分ける
都市部からの来場者は、主に新幹線などの鉄道、高速バスやツアーバス、自家用車の三つの手段でスキー場に向かいます。鉄道で行ける場合は、駅からスキー場までのシャトルバスや、手ぶらで行けるレンタルの有無を伝えると、車を持たない若い層や家族に響きます。ツアーバスを利用する層には、料金の安さと乗り換えのなさを、自家用車で来る層には、駐車場の広さや、雪道の運転に不安がある人向けの情報を伝えます。インフルエンサーにも、自分が実際に使った移動手段で、所要時間や費用を正直に紹介してもらうと、同じ移動手段を使うフォロワーに伝わりやすくなります。
日帰りと宿泊の両方の選択肢を示す
都市部から比較的近いスキー場であれば、日帰りでの来場を前提に、朝の出発時間と帰りの時間の目安を示すと、気軽に行けるイメージを持ってもらえます。遠方のスキー場では、一泊二日や二泊三日の旅程を例として示し、宿泊施設の雰囲気や温泉、夜の過ごし方まで伝えると、旅行として計画してもらいやすくなります。インフルエンサーには、「金曜の夜に出発して土日に滑る」「平日に休みを取って空いているゲレンデを楽しむ」など、フォロワーの暮らしに近い旅程で体験してもらうと、まねしやすい投稿になります。
都市部のフォロワーを持つ人を選ぶ
首都圏からの送客を狙うなら、フォロワーの居住地が首都圏に多いインフルエンサーを選ぶ必要があります。フォロワー数が多くても、地元のスキー場の近くに住むフォロワーが中心の人では、都市部からの送客にはつながりにくくなります。依頼の前に、フォロワーの居住地の分布をインサイト画面のスクリーンショットなどで確認させてもらいましょう。訪日外国人の誘客を狙う場合は考え方が大きく変わるため、インバウンド集客で海外インフルエンサーを起用する実務ガイドも参考にしてください。
初心者・家族層に向けた訴求
初心者や家族層に向けた訴求では、雪質やコースの魅力よりも、「行っても困らない」という安心感を伝えることが来場につながります。スキーやスノーボードをしたことがない人、久しぶりに行く人、小さな子どもを連れて行く人は、道具、技術、寒さ、子どもの機嫌、費用といった不安を抱えており、その不安が解消されない限り行き先として選びません。
初心者の不安と伝えるべき情報
次の表は、初心者や家族層が抱えやすい不安と、インフルエンサーの投稿で伝えたい情報の対応をまとめたものです。依頼時の指示書にこの対応表を入れておくと、投稿に必要な情報が漏れにくくなります。
| 不安 | 投稿で伝えたい情報 | 見せ方の例 |
|---|---|---|
| 道具を持っていない | レンタルの品ぞろえ、料金、受け取りの手順 | レンタルの受付から着替え完了までの流れを動画で見せる |
| 滑れるか分からない | 初心者向けコースの斜度と長さ、スクールの内容 | スクールに参加して、半日でどこまで滑れたかを紹介する |
| 子どもが楽しめるか | キッズエリア、そり遊び、託児の有無 | 子どもが雪遊びする様子と、親の休憩場所を合わせて見せる |
| 寒さや疲れ | 休憩施設、食事、更衣室、トイレの場所 | 休憩の合間の過ごし方や食事のメニューを紹介する |
| 費用がいくらかかるか | リフト券、レンタル、食事、移動の合計 | 一日でかかった費用の内訳を正直に示す |
初心者に伝わる人を起用する
初心者向けの訴求では、上手に滑れるインフルエンサーより、初心者に近い立場の人のほうが効果的なことがあります。久しぶりにスキーをする人、初めてスノーボードに挑戦する人、子どもを初めて雪山に連れて行く人の体験は、同じ立場のフォロワーにとって「自分にもできそう」と思える材料になります。普段は雪山の発信をしていない家族系・暮らし系のインフルエンサーに、初めての体験として依頼する方法も有効です。家族向けの発信者の選び方は、ママインフルエンサー起用の選び方と費用・依頼の配慮点も参考になります。
雪遊びや周辺の楽しみも伝える
家族連れの場合、全員が滑るとは限りません。そり遊びやスノーシュー、雪上アクティビティ、温泉、地元の食事など、滑らない人も楽しめる要素を伝えると、家族全員の合意を取りやすくなります。特に雪が少ない年は、滑走以外の楽しみを伝える投稿が集客を支えます。
スノボ・用品プロモーションとの連携
スノーボードやスキーの用品メーカー、ウェアのブランドとの連携は、スキー場とメーカーの双方が投稿の費用と効果を分け合える方法です。メーカーは新製品を雪山の実際の環境で見せたい、スキー場は来場のきっかけを増やしたいという目的が重なるため、共同で施策を組むと単独で行うよりも投稿の量と質を確保しやすくなります。
共同施策の組み方
代表的な組み方は、スキー場が撮影場所とリフト券を提供し、メーカーが製品の提供とインフルエンサーへの報酬の一部を負担する形です。投稿では、メーカーの新製品を使ってスキー場のコースを滑る様子を見せ、双方のアカウントをタグ付けします。試乗会(試乗イベント)をスキー場で開き、インフルエンサーを招待して体験してもらう方法もあります。この場合、試乗会そのものが来場のきっかけになり、インフルエンサーの投稿がイベントの告知も兼ねます。インフルエンサーを招く体験会の設計はインフルエンサーを招待するイベント・体験会の企画と運営で解説しています。
レンタル用品の訴求に使う
スキー場が自前のレンタルで最新の用品をそろえている場合は、それ自体を訴求の材料にできます。「最新モデルを手ぶらで試せる」という切り口は、道具を持たない都市部の来場者や、買い替えを迷っている中級者に響きます。メーカーと連携してレンタルの品ぞろえを充実させ、インフルエンサーに試してもらうことで、レンタル料金の売上と来場の両方を伸ばせます。
連携時の注意点
メーカーとの共同施策では、投稿の主役がどちらなのか、広告であることの表示をどちらの名前で行うのかを事前に決めておきます。2023年10月から景品表示法のステルスマーケティング規制が施行されており、事業者が依頼した投稿には広告であることが分かる表示が必要です。共同施策の場合は依頼主が複数になるため、表示の方法を三者で確認しておきましょう。規制の内容は消費者庁「ステルスマーケティングに関する景品表示法の規制」で確認できます。
宿泊・リフト券のセット化と予約導線
宿泊とリフト券をセットにしたプランは、インフルエンサーの投稿を見た人が「そのまま予約できる」状態をつくるための受け皿です。投稿で興味を持っても、宿泊先を探し、リフト券の料金を調べ、レンタルの予約をする、という手間がかかると、途中で離脱してしまいます。投稿から予約までの手間を減らすことが、来場者数を増やす近道です。
セットプランの組み方
セットプランは、来場者の目的に合わせて複数用意すると、インフルエンサーごとに紹介するプランを変えられます。次の表は、代表的なセットプランと、それを紹介するのに向いているインフルエンサーの組み合わせの例です。
| セットプランの例 | 主な対象 | 紹介に向いているインフルエンサー |
|---|---|---|
| 宿泊+リフト券+レンタル | 都市部の初心者・若い層 | 旅行系、カップル・友人旅行の発信者 |
| 宿泊+リフト券+キッズスクール | 小さな子ども連れの家族 | 家族系、ママ・パパの発信者 |
| 平日限定の宿泊+リフト券 | 休みを調整できる社会人、学生 | ひとり旅・ワーケーションの発信者 |
| 日帰りリフト券+温泉+食事 | 近隣エリアの日帰り来場者 | 地域の情報を発信するローカル系 |
| 春スキー+周辺観光 | シーズン終盤の観光客 | 温泉・グルメ・観光の発信者 |
予約ページまでの導線を短くする
インフルエンサーの投稿からセットプランの予約ページに直接行けるように、プロフィールのリンクやストーリーズのリンクで予約ページのURLを案内してもらいます。予約ページは、スマートフォンで見やすく、プランの内容と料金が一目で分かる状態に整えておきます。宿泊予約サイトを経由する場合でも、インフルエンサー経由の予約が分かるように、専用のプラン名やクーポンを用意しておくと計測がしやすくなります。
近隣の宿泊施設・地域との連携
スキー場が自前の宿泊施設を持っていない場合は、周辺の宿泊施設や観光協会と連携してセットプランを組みます。地域全体で施策を組むと、宿泊施設や飲食店も投稿の撮影場所として協力してもらえるため、インフルエンサーの投稿の内容が豊かになります。自治体の観光施策と連動させる方法は自治体のインフルエンサー活用とシティプロモーション設計の実務も参考になります。
料金の表示は最新の情報で統一する
インフルエンサーの投稿に料金を載せてもらう場合、シーズン途中で料金やプランの内容が変わると、投稿の情報が古くなり問い合わせやトラブルの原因になります。料金は「○月○日時点」と時点を添えてもらうか、投稿では料金を書かずに予約ページで確認してもらう形にしておくと安全です。
インフルエンサーの選び方と依頼内容
スキー場の施策で起用するインフルエンサーは、「誰を連れてきたいか」から逆算して選びます。雪山の映像がきれいに撮れる人、滑りが上手な人を選びたくなりますが、施策の目的が初心者や家族の来場であれば、その層に信頼されている人を選ぶほうが成果につながります。
目的別に見る選定の軸
選定では、フォロワーの居住地、フォロワーの年代と家族構成、普段の発信ジャンル、雪山での撮影経験、過去のPR投稿の反応の四つを主な軸にします。雪山での撮影は、寒さで機材のバッテリーが減る、手袋のまま操作しにくい、天候で撮影時間が限られるといった難しさがあるため、雪山での撮影経験がある人はそれだけで安心して任せられます。一方、初めて雪山に行く人の体験を伝えたい場合は、撮影経験よりも、フォロワーとの近さを優先します。費用の目安は、2026年10月時点の一般的な相場として、Instagramでフォロワー単価2〜4円程度が試算の起点になりますが、スキー場の施策では交通費・宿泊費・リフト券などの体験費用を別に負担するのが一般的です。
依頼内容に入れておく項目
依頼の際は、投稿の目的、紹介してほしいプランや施設、撮影の候補日と投稿日の幅、投稿の形式(リール、フィード、ストーリーズ、ショート動画など)、広告であることの表示、安全面の注意事項を指示書にまとめます。安全面では、コース外の滑走をしない、危険な撮影をしない、ヘルメットの着用を推奨するなど、スキー場として守ってほしいことを明記します。投稿が事故や違反行為を助長する内容にならないよう、撮影前に確認しておくことが大切です。
短い動画を中心に設計する
雪山の魅力は、静止画よりも動画のほうが伝わりやすい傾向があります。滑走の疾走感、新雪の舞う様子、ゴンドラからの景色などは、短い動画で見せるとフォロワーの印象に残ります。リール・ショート動画を中心にした施策の組み方はリール・ショート動画のインフルエンサー施策設計で詳しく解説しています。
シーズン途中のてこ入れ
シーズン途中のてこ入れは、来場者数の推移と雪の見通しを毎週確認し、計画を下回りそうな時期に絞って追加の投稿を入れる方法で行います。シーズン前に立てた計画どおりに来場が進むことはまれで、雪不足、悪天候が続く週末、周辺スキー場との競合などによって、来場が伸び悩む時期が必ず出てきます。
てこ入れが必要な場面
てこ入れを検討すべきなのは、主に三つの場面です。一つ目は、雪は十分にあるのに平日や連休の谷間の来場が伸びない場面で、平日限定プランや空いているゲレンデの快適さを伝える投稿が効果的です。二つ目は、雪不足でコースが限られている場面で、雪遊びや温泉、周辺観光など、滑走以外の魅力を伝える投稿に切り替えます。三つ目は、シーズン終盤で来場が急に減る場面で、春スキーの楽しみ方やシーズン最後のイベントを伝えます。
追加依頼を素早く進める準備
てこ入れは、雪や天気の状況が変わってから数日以内に投稿まで進めないと効果が薄れます。そのため、シーズン前に「追加で依頼する可能性があるインフルエンサー」をリストにしておき、報酬や条件の目安を伝えておくと、必要になったときにすぐ動けます。スキー場の近くに住むインフルエンサーは、雪の良い日に合わせて当日や翌日に撮影できるため、てこ入れの担い手として特に頼りになります。地域の発信者の活用方法はローカルインフルエンサーで地方の店舗集客を設計する方法も参考になります。
てこ入れ用の予算を残しておく
シーズン前に予算をすべて使い切ってしまうと、シーズン途中でてこ入れをしたくてもできません。年間の予算のうち、一定の割合(たとえば2〜3割)をシーズン途中の追加施策のために残しておくと、雪の状況に応じた柔軟な対応ができます。使わなかった場合は、春スキー期の施策や翌シーズンの予約期の施策に回します。
効果測定と次シーズンへの引き継ぎ
スキー場のインフルエンサー施策の効果は、投稿の反応だけでなく、リフト券やセットプランの予約、来場者数への貢献まで計測して判断します。投稿の再生数やいいねが多くても、来場や予約につながっていなければ、次のシーズンに同じ施策を繰り返す理由になりません。
計測する指標と方法
計測の基本は、インフルエンサーごとに専用のURLやクーポンコードを用意し、予約ページへの流入と予約の数を分けて見ることです。URLにはUTMパラメータを付けて、どの投稿から何人が予約ページに来て、何件の予約になったかを把握します。設定の方法はインフルエンサー施策のUTMパラメータ設定と流入計測の手順で解説しています。リフト券の窓口やレンタルの受付で「何を見て来場したか」を簡単に尋ねるアンケートを併用すると、URLを経由しない来場もある程度把握できます。
雪の条件と合わせて振り返る
スキー場の施策の振り返りでは、投稿の成果を雪と天気の条件と一緒に記録しておくことが大切です。同じインフルエンサーの投稿でも、新雪の直後の週末に公開された投稿と、雨の予報が出ていた週に公開された投稿では、来場への貢献が大きく変わります。雪と天気の条件を記録しておかないと、成果の差がインフルエンサーの力によるものなのか、条件によるものなのかを判断できません。
翌シーズンに引き継ぐもの
シーズンが終わったら、成果の高かったインフルエンサー、反応の良かった訴求や写真、効果の高かった投稿の時期をまとめ、翌シーズンの予約期の計画に引き継ぎます。成果の高かった人には、シーズン終了の時点で翌シーズンの依頼の意向を伝えておくと、早い時期から日程を押さえやすくなります。投稿の写真や動画を翌シーズンの広告や公式サイトに使いたい場合は、二次利用の範囲と期間を契約で決めておく必要があります。インフルエンサーのマッチングプラットフォームを使うと、条件を示して応募を募り、やり取りや投稿の記録、予約への貢献を一か所で管理できるため、シーズンをまたいだ振り返りと次の依頼がしやすくなります。
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