文具・事務用品は誰もが毎日使う身近な商品である一方、単価が低く似た商品が多いため、店頭で「この商品を選ぶ理由」をつくるのが難しいジャンルです。外観を撮影しただけの投稿では埋もれやすく、書き味や使い勝手も写真だけでは伝わりません。この記事では、文具・事務用品ブランドのインフルエンサー活用について、手帳・筆記具・ノートなど商材別の訴求、文具に強い発信者の類型と選び方、使用シーンの発信設計、手帳シーズンと新生活の需要を取り込むスケジュール、ステマ規制、成果指標までを2026年10月時点の実務目線で整理しました。
この記事の要点
- 文具・事務用品ブランドのインフルエンサー活用は、商品単体の紹介ではなく「手帳を開く朝」「ノートで勉強する夜」のような使用シーンを発信してもらうことで、購入につながりやすくなります。
- 手帳・筆記具・ノート・事務用品・デスク周り小物で訴求の軸が異なり、向いている発信者も手帳系・勉強系・デスクツアー系・イラスト系などに分かれます。
- 文具の需要は「手帳シーズン(9〜12月)」「新生活・新学期(2〜4月)」「受験期」「夏休み」に集中するため、投稿日から2〜3か月さかのぼって準備します。
- 書き味や発色は写真だけでは伝わりにくいため、試し書きの手元動画と、比較の基準(紙・インクの種類)をそろえた投稿設計が成果を左右します。
- 2023年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法の規制対象であり、商品提供だけの依頼でも#PRなどの広告表記が必要です。
文具・事務用品ブランドのインフルエンサー活用とは
文具・事務用品ブランドのインフルエンサー活用とは、手帳や筆記具、ノート、ファイル、デスク周りの小物などを、日常的に文具を使いこなしている発信者に使ってもらい、使用シーンや使い方の工夫をSNSで発信してもらう販促施策のことです。文具は単価が低く、店頭で似た商品が数多く並ぶため、「この一本を選ぶ理由」をつくれるかどうかが売上を左右します。インフルエンサーの投稿は、その理由を生活の場面とセットで伝える役割を担います。
国内の文具・事務用品市場の現状
矢野経済研究所が2025年に実施した文具・事務用品市場に関する調査によると、2024年度の国内文具・事務用品市場規模はメーカー出荷金額ベースで3,885億2,000万円となり、前年度比0.9%減とマイナス成長が続いています。ペーパーレス化やデジタル機器の普及で事務用品の需要は伸び悩む一方、手帳や筆記具のように「選ぶ楽しさ」がある分野では、デザイン性や書き心地で選ぶ層が一定数存在します。2026年10月時点でも、市場全体が縮むなかで「指名で選ばれる商品」を増やすことが、多くのメーカーと小売に共通する課題です。
文具の情報収集はSNSが起点になっている
文具を選ぶ人の多くは、店頭で手に取る前に、InstagramやYouTube、TikTok、Xで「実際に使っている人の投稿」を見ています。手帳の中身を見せる投稿や、新作ペンの試し書き動画、勉強用ノートのまとめ方といった投稿は保存されやすく、店頭で商品を探すときのメモとしても使われます。文具好きのコミュニティは同じ趣味を持つ人同士のつながりが強く、ひとつの投稿が仲間内で広がりやすい点も特徴です。
ホビー商材や季節キャンペーンとの違い
文具の施策がフィギュアやトレーディングカードのようなホビー商材と異なるのは、「集める」ことより「毎日使う」ことが価値の中心にある点です。限定品や予約販売を軸にした設計はフィギュア・ホビー商材のインフルエンサー活用と予約販売の設計で解説しているため、この記事では日用文具の使用シーンの発信と、手帳シーズンや新生活といった需要期の取り込みに絞って整理します。業種を問わない季節キャンペーンの組み立て方はインフルエンサーの季節キャンペーン設計と逆算スケジュールが詳しく、本記事はその考え方を文具の需要カレンダーに当てはめた実務編という位置づけです。
商材カテゴリ別に見る訴求の違い
文具・事務用品は「手帳」「筆記具」「ノート・紙製品」「事務用品・ファイリング」「デスク周り小物」の5つに分けると、訴求の型が整理しやすくなります。カテゴリごとに、見せるべき場面と相性の良い投稿形式が異なります。
手帳と筆記具
手帳は、1年間使い続ける前提で選ばれる商品であり、「どう使うか」を具体的に見せる投稿がもっとも効果的です。マンスリーとウィークリーの使い分け、仕事と私生活の予定の書き分け、日記や家計簿としての活用など、使い方のバリエーションを見せてもらうと、読者は自分の生活に重ねて考えられます。筆記具は、書き味、インクの発色、にじみや裏抜けの有無、握りやすさが訴求の中心です。これらは写真では伝わりにくいため、試し書きの手元動画や、同じ紙に複数のペンで書いた比較が欠かせません。
ノート・紙製品と事務用品
ノートやルーズリーフ、メモ帳などの紙製品は、勉強や仕事の成果物と一緒に見せる投稿が向いています。きれいにまとめた勉強ノートや、会議メモの書き方を見せることで、「このノートを使えば自分もこう書ける」と感じてもらえます。ファイルやクリップ、ラベルなどの事務用品は、整理前と整理後の変化を見せる投稿が効果的です。散らかった書類が片付く過程や、家庭の書類管理の仕組みを見せると、事務用品に興味がなかった層にも届きます。
デスク周り小物とブランド全体
ペンケースやデスクオーガナイザー、ブックスタンドなどのデスク周り小物は、デスク全体の写真や「デスクツアー」形式の動画で、ほかの道具と一緒に紹介されることで魅力が伝わります。ブランド全体を訴求する場合は、個別の商品ではなく「このブランドで手帳時間を整えている」という暮らし方を見せてもらうのが中心になります。
| 商材カテゴリ | 主な訴求ポイント | 見せるべき場面 | 相性の良い投稿形式 |
|---|---|---|---|
| 手帳 | 使い方の自由度、1年間の使いやすさ | 月間・週間ページの中身、書き込み例 | フィード投稿、YouTube |
| 筆記具 | 書き味、発色、握りやすさ | 試し書きの手元、比較 | リール、ショート動画 |
| ノート・紙製品 | 書きやすさ、裏抜けしにくさ | 勉強ノート、仕事のメモ | フィード投稿、ストーリーズ |
| 事務用品・ファイリング | 整理のしやすさ、時短 | 整理前と整理後の比較 | リール、フィード投稿 |
| デスク周り小物 | デザイン、統一感 | デスク全体、作業風景 | デスクツアー動画、フィード投稿 |
文具に強いインフルエンサーの類型と選び方
文具・事務用品に向いているのは、フォロワー数の多さよりも、文具を日常的に使い込み、その記録を継続して発信しているインフルエンサーです。発信スタイルによって届く層と得意な商材が異なるため、類型を押さえてから候補を選ぶことが大切です。
発信スタイル別の5つの類型
文具系の発信者は、大きく5つの類型に分けられます。1つ目は、手帳の中身や使い方を発信する「手帳系」で、手帳本体やシール、マスキングテープ、カラーペンと相性が良好です。2つ目は、勉強の記録やノートのまとめ方を発信する「勉強系」で、学生や資格試験の受験者に届きやすく、ノートや筆記具、暗記用品に向いています。3つ目は、仕事の効率化やデスク環境を発信する「デスクツアー・仕事術系」で、社会人向けの事務用品やデスク小物に強みがあります。4つ目は、イラストや手書き文字を発信する「イラスト・手書き系」で、ペンの発色や描き心地を伝える力があります。5つ目は、新作文具のレビューを専門にする「文具レビュー系」で、比較や詳しい解説を好む文具好きに届きます。
| 類型 | 主な発信内容 | 向いている商材 | 確認したいポイント |
|---|---|---|---|
| 手帳系 | 手帳の中身、使い方、デコレーション | 手帳、シール、カラーペン | 1年を通じて継続して投稿しているか |
| 勉強系 | 勉強記録、ノートのまとめ方 | ノート、筆記具、暗記用品 | フォロワーの年齢層と未成年の比率 |
| デスクツアー・仕事術系 | デスク環境、効率化 | 事務用品、デスク小物 | 社会人層に届いているか |
| イラスト・手書き系 | イラスト、手書き文字 | ペン、マーカー、画材寄りの文具 | 作品の雰囲気がブランドと合うか |
| 文具レビュー系 | 新作レビュー、比較 | 筆記具、ノート、新製品全般 | 比較が公平で根拠が明確か |
選定で確認したい3つのポイント
文具系の発信者を選ぶときは、過去の投稿で「使い込みの深さ」「フォロワー層」「表現のトーン」の3点を確認します。使い込みの深さでは、文具を紹介するだけでなく、実際に何か月も使い続けた様子を発信しているかを見ます。フォロワー層では、学生中心か社会人中心か、性別や地域の偏りがあるかを確認します。勉強系の発信者は未成年のフォロワーが多い場合があるため、商品やキャンペーンの内容が若年層に適しているかもあわせて確かめます。表現のトーンでは、写真の色味や文章の雰囲気がブランドの世界観と合っているかを判断します。
規模よりも熱量を重視する
文具は趣味性の高いジャンルであり、フォロワー数が数千人から数万人規模の発信者でも、同じ趣味を持つ人から深い信頼を得ているケースが多くあります。フォロワー数が多くても文具に関心のない層が中心であれば、保存や購入にはつながりにくくなります。複数の中小規模の発信者に依頼し、手帳系・勉強系・仕事術系といった異なる層に同時に届ける組み合わせが、文具の施策では効果を出しやすい構成です。
使用シーンの発信で購入につなげる投稿設計
文具の施策で成果を左右するのは、読者が「自分の生活でこう使える」と具体的に想像できる使用シーンを投稿に入れられるかどうかです。商品の外観だけを見せる投稿は、きれいでも記憶に残りにくく、購入の決め手になりません。
使用シーンを3つの軸で設計する
使用シーンは「時間」「場所」「目的」の3つの軸で設計すると、投稿の切り口を広げやすくなります。時間の軸では、朝の予定確認、昼の会議メモ、夜の振り返りといった1日の流れの中で使う姿を見せます。場所の軸では、自宅のデスク、カフェ、通勤電車、図書館など、持ち運んで使う場面を見せます。目的の軸では、仕事の段取り、勉強の記録、日記や家計管理など、何のために使うのかを示します。同じ手帳でも、軸を変えるだけで異なる層に届く投稿を複数つくれます。
書き味と発色を伝える撮り方
筆記具やノートの投稿では、書き味と発色をどう伝えるかが重要です。試し書きの動画は、ペン先の動きと音が分かる距離で撮影してもらい、書いた直後とこすった後の状態を見せてもらうと、速乾性やにじみにくさが伝わります。発色を見せる場合は、自然光で撮影し、紙の種類を明記してもらうと、読者が自分の環境で使ったときの見え方を想像しやすくなります。比較投稿では、同じ紙・同じ条件で書き比べてもらうことが、公平さと信頼性の前提です。
文具の投稿に入れてもらう要素チェック
- 商品を実際に使っている手元や、使っている場面が映っていますか。
- いつ・どこで・何のために使うのかが、文章か映像で分かりますか。
- 筆記具の場合、試し書きの様子と使用した紙の種類が示されていますか。
- 手帳やノートの場合、中身の書き込み例や使い方の工夫が見られますか。
- 商品名・色・サイズ・価格帯など、店頭やECで探すための情報が入っていますか。
長期使用レポートで信頼を積み上げる
手帳やペンのように長く使う商品では、使い始めの投稿だけでなく、1か月後や3か月後の使用レポートをお願いすると信頼性が高まります。「3か月使って分かった良い点と気になった点」のような投稿は、購入を迷っている人の背中を押す材料になります。長期の発信を前提とする場合は、単発の依頼ではなく、一定期間の継続契約やアンバサダー形式を検討すると、発信者側も計画的に使い込めます。
手帳シーズンと新生活の需要を取り込むスケジュール
文具の需要は1年の中で明確な山があり、施策のスケジュールはその山から逆算して組むのが基本です。特に手帳シーズンと新生活・新学期の2つは、文具ブランドにとって最大の商機です。
文具の需要カレンダー
翌年の手帳は、多くの売り場で9月ごろから並び始め、10月から12月にかけて購入のピークを迎えます。4月始まりの手帳は2月から3月に動きます。新生活・新学期の2月から4月は、ノートや筆記具、ペンケース、ファイルなどの買い替え需要が高まります。夏休み前後は学生向けの勉強用品や自由研究関連、受験期の秋から冬は暗記用品や筆記具の需要が伸びます。年末年始は手帳の使い始めとして、使い方を発信する投稿がもっとも見られる時期です。
| 需要期 | 主な対象商材 | 投稿のピーク | 依頼・発送の目安 |
|---|---|---|---|
| 手帳シーズン(翌年1月始まり) | 手帳、手帳用ペン、シール | 9月下旬〜12月 | 6〜8月に依頼、8〜9月に発送 |
| 新生活・新学期 | ノート、筆記具、ペンケース、ファイル | 2月中旬〜4月上旬 | 11〜12月に依頼、1月に発送 |
| 4月始まり手帳 | 手帳、スケジュール帳 | 2月〜3月 | 11〜12月に依頼、1月に発送 |
| 夏休み | 勉強用品、自由研究向け文具 | 7月〜8月 | 4〜5月に依頼、6月に発送 |
| 受験期 | 暗記用品、筆記具、ノート | 10月〜1月 | 7〜8月に依頼、9月に発送 |
※時期は一般的な売り場の傾向をもとにした目安です(2026年10月時点の編集部整理)。自社の販売データに合わせて調整してください。
手帳シーズンの投稿を3段階に分ける
手帳シーズンの施策は、「選び方」「使い始め」「使い込み」の3段階で投稿を分けると、長い需要期間を通じて関心を保てます。9月から10月は、手帳の選び方や比較の投稿で検討中の人に情報を届けます。12月から1月は、使い始めのセットアップや書き方の投稿で、購入した人とまだ迷っている人の両方に向けて発信します。2月以降は使い込んだ手帳の中身を見せる投稿で、翌年の手帳選びにつながる資産をつくります。
新生活シーズンは買い替えの理由を示す
新生活・新学期のシーズンは、「新しい環境で文具をそろえ直したい」という気持ちを後押しする投稿が効果的です。進学や就職、異動といった生活の変化に合わせて、どんな文具をどうそろえるかを見せてもらうと、まとめ買いにつながりやすくなります。学生向けの投稿では、勉強系の発信者に、ノートのまとめ方や時間管理のコツと一緒に商品を紹介してもらう構成が向いています。教育や習い事の分野での集客設計はスクール・習い事のインフルエンサー活用と生徒集客の設計も参考になります。
商品提供と発送を円滑に進める実務
文具の施策は、商品提供(ギフティング)を中心に組み立てるケースが多く、発送と依頼内容の伝え方が投稿の質を左右します。文具は小さく軽い商品が多いため発送のハードルは低い一方、色やサイズのバリエーションが多く、取り違えが起きやすい点に注意が必要です。
色・サイズの選択と同梱物
筆記具やノートは色やサイズの種類が多いため、発送前に発信者の希望を聞いて選んでもらうと、投稿の雰囲気に合った商品が届き、満足度も上がります。手帳は、普段使っているサイズや月曜始まり・日曜始まりの好みが人によって異なるため、事前確認が特に重要です。同梱物として、商品の特徴をまとめた資料、推奨する使い方の例、投稿で触れてほしいポイントと避けてほしい表現を記したガイドを入れておくと、発信者が迷わずに投稿を作れます。商品提供型の施策全体の進め方はギフティング施策の進め方と投稿獲得率を上げるコツで整理しています。
試用期間を確保する
文具の投稿は、届いてすぐに撮影するよりも、一定期間使ってから投稿してもらうほうが説得力が増します。手帳であれば少なくとも数週間、筆記具であれば日常の中で何度か使ってもらう期間を確保したうえで、投稿日を設定します。需要期に合わせて投稿をそろえたい場合は、試用期間の分だけ発送を前倒しにする必要があります。
発送と個人情報の管理
発送先の住所や氏名は個人情報にあたるため、管理する担当者と保存場所を限定し、施策終了後の扱いもあらかじめ決めておきます。複数の発信者に同時に発送する場合は、商品・色・サイズと発送先の対応表をつくり、二重送付や取り違えを防ぎます。個人情報の取り扱いは、個人情報保護委員会が公開しているガイドラインを確認し、判断に迷う場合は専門家に相談してください。
ステマ規制と表現上の注意点
文具の施策でも、企業が依頼した投稿には広告であることを明示する必要があります。商品を無償で提供しただけの依頼であっても、企業が投稿内容に関与していれば広告表記の対象になる点に注意が必要です。
広告表記のルール
消費者庁は、2023年10月1日から、事業者の広告であるにもかかわらず広告であることが分かりにくい表示(いわゆるステルスマーケティング)を、景品表示法の不当表示として規制しています。インフルエンサーへの依頼では、投稿に「#PR」「広告」「提供:ブランド名」などの表記を、読者が分かりやすい位置に入れてもらいます。ストーリーズや動画では、表記が一瞬で消えたり、ハッシュタグの最後に埋もれたりしないよう配慮します。具体的な運用はステマ規制とは?景表法対応と#PR表記の実務ガイドで詳しく解説しています。
性能表現で気をつけたいこと
筆記具やノートの投稿では、「絶対ににじまない」「どんな紙でも裏抜けしない」といった断定的な表現が使われがちです。実際の性能を超える表現は、景品表示法の優良誤認表示にあたるおそれがあるため、「この紙では裏抜けしませんでした」のように、条件と体験の範囲で伝えてもらうことが大切です。メーカーが公表している仕様の範囲を依頼時に共有し、投稿前に表現を確認する工程を設けます。個別の表現が問題になるかどうかの判断は、消費者庁の公表資料を確認したうえで、必要に応じて専門家に相談してください。
文具の投稿で事前に伝える表現ルール
- すべての投稿に「#PR」などの広告表記を、分かりやすい位置に入れてもらいます。
- 書き味や耐久性は、使用した紙や期間などの条件を添えて、体験の範囲で伝えてもらいます。
- 他社製品と比較する場合は、同じ条件で比べ、他社を貶める表現を避けてもらいます。
- 未成年のフォロワーが多い場合は、購入をあおる表現や過度な懸賞企画を避けます。
- キャラクターや他社ロゴが映り込む場合は、権利関係を事前に確認します。
キャラクターコラボ商品の権利確認
文具ではキャラクターやアニメとのコラボ商品が多く、投稿の画像や動画にキャラクターが大きく映ることがあります。投稿や二次利用でキャラクターを使う範囲がライセンス契約で認められているかを、事前に権利元との契約内容で確認しておく必要があります。投稿を自社の広告やECで二次利用する場合は、発信者との間でも利用範囲と期間を取り決めます。
店頭・ECとの連動で売上につなげる方法
文具は店頭で実際に試し書きをしてから購入する人が多いため、インフルエンサーの投稿と売り場をつなぐ設計が、成果を大きく左右します。投稿で関心を高めても、売り場で商品が見つからなければ購入にはつながりません。
店頭での受け皿をつくる
投稿で紹介した商品は、文具専門店や雑貨店、量販店の売り場で見つけやすいように準備しておきます。小売店と連携できる場合は、投稿の画像を使ったPOPや、試し書きコーナーの設置を相談すると、オンラインで見た商品を店頭で確かめる流れをつくれます。投稿の中で「どの店で買えるか」「売り場のどこにあるか」を伝えてもらうことも有効です。
ECの商品ページと導線を整える
自社ECやECモールで販売する場合は、投稿から商品ページへの導線を整えます。色やサイズが多い商品は、投稿で紹介された色の商品ページへ直接たどり着けるようにしておくと、離脱を防げます。投稿経由の購入を把握したい場合は、発信者ごとのクーポンコードやURLを用意します。クーポンの設計と計測方法はインフルエンサー施策のクーポンコード設計と利用数の測り方で解説しています。
投稿素材を販促物に二次利用する
使用シーンを捉えた投稿の写真や動画は、店頭POPやECの商品ページ、自社SNSで活用しやすい素材です。特に手帳の書き込み例やデスクの写真は、商品の使い方を伝える素材として長く使えます。二次利用を予定している場合は、依頼時に利用範囲・期間・媒体を合意しておきます。進め方の詳細はUGCマーケティングの活用法と二次利用の進め方を参考にしてください。
成果指標とKPIの置き方
文具の施策では、いいね数よりも「保存数」と「指名検索・購入」を中心に成果を測るのが基本です。文具は購入までに比較や店頭での確認を挟むことが多いため、投稿直後の反応だけで判断すると、施策の価値を見誤ります。
段階別の指標
指標は「認知」「検討」「購入」の3段階で設定します。認知の段階ではリーチ数や再生数、検討の段階では保存数やプロフィールへのアクセス、商品名での検索数、購入の段階ではクーポン利用数やECの売上、店頭の販売数を見ます。手帳のように需要期が長い商品は、投稿から数週間から数か月かけて購入に至ることもあるため、投稿直後と需要期の終わりの2回に分けて振り返ります。
| 段階 | 主な指標 | 確認方法 | 確認時期の目安 |
|---|---|---|---|
| 認知 | リーチ数、再生数 | 発信者からのインサイト共有 | 投稿の1週間後 |
| 検討 | 保存数、商品名の検索数、プロフィールアクセス | インサイト、検索データ | 投稿の2〜4週間後 |
| 購入 | クーポン利用数、EC売上、店頭販売数 | EC管理画面、小売の販売データ | 需要期の終わり |
保存数を重視する理由
文具の投稿は、「あとで店頭で探す」「手帳を選ぶときに見返す」ために保存されることが多く、保存数は購入意向をよく表す指標です。保存数がリーチ数に対してどれだけあるかを発信者ごとに比べると、どの類型の発信者が購買に近い層に届いているかが見えてきます。この比較は、次の需要期に向けて起用する発信者を選ぶ際の判断材料になります。
翌シーズンへの引き継ぎ
文具の需要期は毎年めぐってくるため、施策の結果を翌シーズンに引き継ぐことで精度が上がります。反応の良かった発信者、投稿の切り口、投稿時期、在庫の動きを記録しておき、翌年の依頼開始時期や起用人数の判断に使います。手帳シーズンの結果は、翌年の商品企画や色展開を考える材料としても役立ちます。
よくある失敗と発注前チェックリスト
文具・事務用品の施策でよくある失敗は、需要期への出遅れ、使用シーンの不足、売り場との連携不足の3つです。いずれも事前の計画で防げるため、発注前にチェックリストで確認しておくことをおすすめします。
需要期への出遅れと使用シーンの不足
もっとも多い失敗は、手帳シーズンや新生活の需要期が始まってから発信者を探し始め、投稿が需要のピークに間に合わないケースです。人気の文具系発信者は需要期に依頼が集中するため、早めに声をかける必要があります。また、商品の外観だけを撮影した投稿が並び、使い方や使用シーンが伝わらないケースも少なくありません。依頼時に使用シーンの軸と投稿に入れてほしい要素を伝え、試用期間を確保したうえで投稿してもらうことが大切です。
売り場や在庫との連携不足
投稿が好評だったのに、紹介した色が店頭で品切れしていた、ECで商品ページが見つからなかったといった理由で、成果を取りこぼすケースもあります。投稿スケジュールを営業や小売の担当者に共有し、在庫と売り場、商品ページを投稿日までに整えておくことが重要です。
文具・事務用品の発注前チェックリスト
- 手帳シーズンや新生活など、狙う需要期から逆算して依頼・発送・投稿の日程を決めましたか。
- 手帳系・勉強系・仕事術系など、商材に合う発信者の類型を決めましたか。
- 使用シーン(時間・場所・目的)と、投稿に入れてほしい要素を伝えましたか。
- 色・サイズ・手帳の仕様などの希望を事前に確認しましたか。
- 試用期間を確保したうえで投稿日を設定しましたか。
- すべての投稿に#PRなどの広告表記を入れ、断定的な性能表現を避けるよう伝えましたか。
- 店頭の在庫、売り場、ECの商品ページ、クーポンを投稿日までに準備しましたか。
- 保存数・指名検索・購入まで、指標と確認時期を決めましたか。
Bloomで文具系の発信者を探す場合
Bloomでは、審査を通過したインフルエンサー30,000人の中から、ジャンルやフォロワー層を見ながら候補を探せます。文具・事務用品の施策では、手帳系・勉強系・仕事術系といった発信スタイルと、学生か社会人かというフォロワー層を組み合わせて選ぶことが成果の分かれ目になります。案件を公開して応募を募る形にすれば、日頃から文具を使い込み、商品に関心を持つ発信者から手を挙げてもらえるため、使用シーンを丁寧に伝える投稿を集めやすくなります。料金は初期費用0円・月額3万円(税別)からで、2026年10月時点の内容です。
本メディアは、審査制インフルエンサー30,000人のマッチングプラットフォーム『Bloom』(株式会社ハーマンドット)が運営しています。